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約1400年の耐久性を誇る法隆寺の東塔で、木材自体の耐久性を語れるのか?科学的で無い、情緒的イメージが先行しやすい。


杉山英男氏(日本における木質構造の学問・研究の草分けとWIKIPEDIAで紹介されている)の1986年の論文の一部である。
”法隆寺の金堂、五重塔は1300年余りの命脈を保ってきたが、これを例に取り木材や木材建築の優秀性を誇らしげに語る人もいれば、冷ややかに批判的な目で眺める多くの人もいる。両者ともよりどころが感性的で科学的視座を持たないので、深い議論もされず主張しあうのみで終わってしまう。
レフェリーたりえる、木材研究の蓄積が足りないのと研究データの整理・集大成とその広報衆知化が進んでいないことである”と、かかれている。

屋外にウッド利用をしている、我々のような業者にとっては、日々身近なものである為、情報を得ることは出来るが、これを伝えるのは、難しい。
木材の素材の特性から~木材の保存から~工学的な工法まで説明しなくては、使う方も納得できないだろう。

当社も10年保証しているし、保証書も発行している。
このことに対して、何の保証もしていないのに、この木材は、ある国で100年の耐腐朽の実績があるなどと、一蹴されると、興味は湧くが、自身の科学的根拠をもっていただきたいと思う場面がある。
現場の人間としては、マンガチックになってしまっては、木材の研究の蓄積にすらならないと考えるのだ。

厳島神社の束も満潮時海水に浸かって耐久を損なうので、定期的に替えている。
厳島神社の鳥居。
海水につかるところから腐るので、下部構造を替えるのにクレーンで上部を吊し、根の部分を替える映像があったと思いますが。

古代・中世の人の施工の知恵は、非常に参考になります。実際に、形を守り続けているのですから。

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