見出し画像

横浜港の大桟橋・・2002年に完成した、南洋材のイペで作られている。

2005年、一度見学したことがあって、22年ぶりに見学。

2005年。京都大学での高耐久樹種の講演会では、絶対に腐らないと言われているとの世評に研究者の方々が、疑問を呈していたのだが、実際に国内での腐朽例がないため、反論もできずにいたのが、気になってすぐみにいったわけだ。
あれから、19年。
施行直後、ハードウッドの代表格のイペのトゲが幼稚園の園児に刺さって、40か所ほど交換したという情報は知っていた。
木口の生物的劣化は、随所に見かけることはできたが、そこそこ耐久性は保っているように思ったが。
表面の材色がマダラ色で、無色の塗料でもぬっているのか?と。
そばに寄ってみると、イペの上に薄皮のようなものが被覆されているようで。

2002年に完成後、2012・2013に大規模な改修が行われたようで、その時点で液体ガラス塗料を塗布したようだ。

イペのトゲから守ることと、板自体の撥水性を高め、摩擦係数を高め滑らないように・・との配慮が効いている。

これほど著名な名所になっているのだから、神経の行き届いた設計的配慮を見ることができる。

イペのデッキに、傾斜を付けて水が滞留して腐朽しない設計・及びデザインの工夫が素晴らしい。

初期の設計思想のなかに、半永久的耐久性という物はいれていないようだ。だから、メンテナンスに工夫がなされている。

しょっちゅうメンテナンスということになると、費用やら使用の中止期間が長くなるので、少なくとも高耐久性木材を使うという決定もいい。

また、ノーメンテナンス・半永久的という思い込みを排して、思考停止になることを防いでいると思った。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?