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杉の芯材の耐久性を特に取り上げたのは、木材の耐久性の大半を決定する、いわば抗腐朽の役割を果たす抽出成分が主に芯材に多く含まれているからだけれど。

東三河で、2000年代、近代的な装備を入れて運営していた組合形式の製材工場によって見学させていただいたことがある。


その頃では、木材の人工乾燥が主力になっていった頃だ。うちの工場では、1990年代に人工乾燥機の導入に踏み切る方向で考えていた。そして、低温除湿乾燥が東三河地区でシェアを占めてたので、低温除湿乾燥を導入していたが。

東三河の製材工場は、もっと早く乾燥する高温除湿乾燥機が入っていた。

低温除湿と高温除湿の両乾燥機の差は、乾燥時間の速さと速さゆえに急激な乾燥での不良率が多くなるかどうか?ぐらいと理解していたのだ。

茨城方面の現場に行った時だったか?DIYの店で、200度以上の超高温で乾燥させ、変質させ、耐久性が高まらせるというサーモウッドの欧州赤松材を、興味があって買ってみたが、庭に放っておいたら、ひどくシロアリの食害があった。

よくある欧州赤松材は、そこまで食害を受けることはないので、高熱で、木材の中が変質するんだなあと、思っただけだった。



上の表の一番右、オオウズラタケ(褐色腐朽菌)による質量減少%・・・数字が大きいほど腐朽が大きいということ。をみると、天然乾燥の%≦中温乾燥(低温除湿乾燥)の%<高温乾燥の%になるようだ。(標準偏差も加味)

早く乾燥させようと、短期間で高温で乾燥させると、抽出成分の揮散、分解で耐久性の低下する。と。


相当前に、実経験での問いが、長い年月を超えて、解答を得たような気分。

木材の外部使用は、日光・水分にさらされる過酷な場所なだけに、どんな小さな情報・研究論文も参考にしたいわけだ。


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