「Up Helly Aa」(女子カメ展2 statement)

「Up Helly Aa」(アップヘリーアー)

シェトランド諸島は英国の最北に浮かぶ島々です。メイン島の面積は約1,470㎢で沖縄本島(約1,200㎢)よりもやや大きな島です。シェトランド諸島には約22,400人が暮らしていますが、人口密度は15人/㎢で、北海道の65人/㎢と比べると、とても少ないことがわかります。シェトランド諸島では、高緯度であることと年中吹き荒ぶ強風のため、木はまったく生育しません。植物は生育しますが、草々はまるで大地にしがみついているかのように地を覆っています。

シェトランドでは1月の終わりから2月にかけて「Up Helly Aa」(アップヘリーアー)と呼ばれる火祭りが島の各地で開催されます。シェトランドはその立地上、英国よりもノルウェーなど北欧諸国から文化的な影響を多大に受けてきました。彼らはバイキングの末裔たちであるのです。Up Helly Aaではバイキングの出で立ちで正装をし、松明を持って町中を行進します。夜になり、レプリカのバイキング船とともに最終地点の広場に集まると、皆で船を取り囲みます。そして持っていた松明を船にめがけ次々と放り込み、バイキング船は燃え盛る炎に包まれクライマックスを迎えます。やがて船は燃え尽き、戦士たちはそれぞれの町内に戻り、地域住民総出で夜通し歌や演劇などの宴が繰り広げられます。Up Helly Aaはシェトランドの寒く暗く長い冬の終わりを祝うお祭りでもあるのです。

私は最大の町ラーウィックのUp Helly Aaを観覧し、その後、北端の村North Roe(ノースロー)ではこの地域のUp Helly Aaのための記念撮影をする場に偶然遭遇し撮影をすることが出来ました。