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新春浅草歌舞伎 2024/01/21

昼の部でも記載しましたが、役者さんが呼び捨てだったりさん付けだったり、人によって違いますが、それは区別をしているわけじゃなくて、普段から何故かそうなってるだけで、他意はありません。同じ人でもいろんな呼び方する時があります。みんな大好きです。

この日の夜の部は、ドレスコードが着物の日👘
歌舞伎美人とかにも、この日はみんなで着物って書かれてたのに、通常の洋装でいらした人も思ったよりいらしたから、逆にびっくりしたのだけど・・・
ちなみに、友人カップルは着物の日と気付かずに取ってて、後から着物の日だと気付いて、覚悟決めて浅草でレンタルして着物で着てた。その覚悟、いいぞ!
そんな感じで、チケット取った時には気付いていらっしゃらなかったのかしらね。
入り口でプチおみやの手拭いをいただきました。
これ以外に、どなたが描かれたのかわからないけど、ちょっとぶちゃかわな龍の絵の手拭いもあったみたいです。我々4人のうち、お一人だけそのぶちゃかわな龍の手拭いでした。


熊谷陣屋

今年の浅草で一番観たかった演目!
前評判で、歌昇さんの熊谷がとてもいい、とも聞いていたし、やっぱり吉右衛門様の熊谷がねぇ・・・素晴らしかったから、播磨屋の熊谷、期待してしまう。
歌昇さんは「感情が先走らないように」と仰っていたけど(浅草メンバーでの歌舞伎夜話)、うちから自然と溢れるものはやっぱりあって。熊谷の感情というより、演じている歌昇さんの感情が。
私はお役に乗っかってそれは悪くないと思ったけど、うちの日本舞踊の先生は、「本人の感情が出てきすぎてたわね」と仰ったりもしていたので、人によるかも。先生の目は肥えてるし😂

でもそれ以上に良かったのは、ここでもやっぱり新悟さんと、意外やまるる(莟玉さん)でした。
お芝居自体は、歌昇さんがすごく引っ張ってたと思う。思い入れもあるだろうし、播磨屋の芸をって、高みを目指してる姿に求心力があって、共演者も自然とそれに応えていくような、そんな感じのお芝居でした。
新悟さんの相模は、特にこの首は自分の息子の首だ、とわかって、現実を認め、それで藤の方へ、自分の打掛に息子の首を載せてお見せする時の、本当だったら大声で泣いて、どうして!?って叫びたいだろう母としての相模と、個人を押し殺して藤の方へ接する公人としての相模と、あの場面は秀逸でした・・・すんごい良かった。
対するまるる、可愛いお姫様をさせたら一二を争う女形だけど、「見た目で判断されてるんじゃないかって思う時はある」(刀剣乱舞の時の歌舞伎夜話だったと思う)と仰っていたように、なまじ可愛すぎるから、逆に力量がわからない、は確かにあるかも、と思っていて、今回、眉なしのお役をされているのを初めて?観て、めっちゃくちゃ上手!って思った。
まるるがああいうお役をあんなに上手にやれるんだ、っていうのが、失礼ながら意外で・・・可愛さとかのお役ではないから、とてもご本人のことがわかって良かったなぁ。
歌舞伎夜話でもお話されていたけど、藤の方は存在を消すところと、急にまた話に戻ってくるところと、混在している。それを聞いてから観劇したせいかもだけど、途中で意識を消してもダメだし、ありすぎてもダメだし、そんなところも観つつ、でした。そういうことも、なるほど〜、と思いながら観てました。
お二人とも魁春さんに習われたそうです。すんごい出来が良かったから、魁春さんの教え方もお上手だったのかもしれない。

あとは、義経やってたみっくん。この演目で、義経を意識したのは初めてでした。いい意味で。
だってすごくいい義経だったもの。個人の感覚ですが。
お芝居的には後から出てきて、なんだこの人は、熊谷に息子を殺させた酷い上官がこいつか、みたいな、今まではそんな感じだったんだけど😂初めて、義経には義経なりの理由があって、制札を立てたんだな、って納得できた。
義経の理由は、弥陀六が出てきてるんだからわかるでしょうよ、という人もいるかもしれないけど、それはそうなんだけど、今回初めて、義経が血が通っている一人の人、って思ったというか。
熊谷に対して、義経がちゃんと立ってる、というか。なんて言えばいいんだろう。歌昇さんとみっくんの間で、何かが通ってたのかな、とも思う。
みっくんは、三津五郎さんから教えていただいた最後のお芝居が、この義経だったそうで、みっくんにも思い入れがあったんだろうなぁ。
熊谷の花道のところまで、本当にいいお芝居で、私は泣けました😭

ちょっと笑っちゃったのは、義経の後ろの四天王のうち3人が、授業中に寝落ちと戦ってる学生みたいだったことですw

流星

種ちゃん一人の踊り。
お面を次々に取り替えながら、4役を踊り分ける、という演目。
あんまり面白さがわからなかったんだけど・・・
お面を取り替えるエンタメ?みたいな感じなのかしら。
先生に伺ったら、全然振りが違うらしい。ご注進ご注進!って出てくる方が、花道から出てくるのが通常らしい。御宗家が何かしらの理由で、振りを変更なさったんですかね。(ちなみにうちは家元の方です。)
歌舞伎夜話で、みっくんが、坂東流とも全く振り付けが違うからびっくりした、と仰っていて、また機会があれば踊りたいな、と仰っていたので、ぜひその時は拝見したいです😆

魚屋宗五郎

The 音羽屋!
歌舞伎を見始めたばかり、に近い友人が、「松也、菊五郎さんだったね!」と興奮していたのだけど、歌舞伎を観始めてそこそこの歴があるメンバーは「そりゃあ・・・音羽屋だし」ってクールな反応を一同してしまった😂
菊五郎さんの宗五郎が、みんなの脳裏に焼き付いているのかもしれない。
段々酔っ払っていく松也宗五郎、何かと理由をつけて、「もういっぺぇ(一杯)注いでくんな」っていうのが、可愛らしかったねぇ😆
段々酔いどれていくのも、上手だった!酔いが覚めた後の、お殿様に対して恐縮してちっちゃくなってるのも、可愛らしかったw
お母様と先生が古いお知り合いなんだそうだけど、「酒屋の小僧が宗五郎になりました、って仰ってて、私は泣けたわよ」と、先生が仰ってた。
(子役の時に、酒屋の小僧でお芝居に出ていて、それが宗五郎を演じるくらい大きくなった大人になった、それができるくらいの役者になった、など、いろんな思いが含まれているんでしょうね・・・)
知っている人からしても感慨深いわなぁ・・・私がその境地に行くのは、いつか。丑之助くんが盛綱陣屋をやったりしたら、そう思うんだろうか。何年後かな・・・

ここでも新悟さんのおはまが、とっても良かったねぇ。相模の武士の妻から、世話女房に大変身!!
おはまがいなきゃ、お話が進まないんだよ!宗五郎だけじゃ成立しないんだよ!こういうことか、と納得しまくりのおはまでした。

あとは、浅草メンバーがみんな出ていて、それがまた適材適所なお役で、そんなにピッタリはまる演目もあるんですね!ってくらい適材適所。
千穐楽では、この後の後日譚みたいなことを、みんなでやってくれたというから、千穐楽に行かれた方が羨ましい!!

この日は、歌舞伎仲間で集まって、浅草で飲んで食べて帰りました🎵
感想戦はもちろん、それ以外の話もたくさんして、みんなして、歌舞伎の話しかしてなくて草。
話題が尽きないのも、歌舞伎のすごいところです。話出したら止まらない!
お芝居観た後に、みんなでご飯行って感想言い合うの楽しいな。
浅草は終わるのが早かったのと、浅草にはちょっと気軽に行けるお店が多いからいいですね。
歌舞伎座ではなかなかそうは行かないからなぁ・・・もうちょい手軽にご飯できるところが増えたらいいけど、土地代=家賃が高くて、そうも行かないのかな😅


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