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とりあえず、住メバ都・チョウチョウ
引き続き、毎日ふとんに辿り着けていない。
……というか、もはや、「辿り着く気がないんじゃないか説」が浮上してきている。
こざっぱりとしたソファは今の時期は涼しく、足が出るだの、寝返りうちづらいだのは、もう、慣れである。
慣れ。
“住めば都”なのだ。
なにより、お弁当や片付けなどの「やらなきゃっ!」からの解放直後、ゆるゆる眺めるテレビとともに、いつの間にか眠りに落ちるぐだぐだな安心感……寝酒に近い。
そんな昨日の寝酒……ならぬ、寝番組は『新宿野戦病院』だった。
優三さん、梅子さん、直言パパ、雲野先生、『虎に翼』メンバー×宮藤官九郎なら、試しに見ない理由がない。
……で、感想はというと、
夜中なのに声をだして笑った。
トー横キッズ、外国人労働者、貧困、救急医療的な社会の課題もかいま見せそうでありつつ、笑いは欠かさない。続きが楽しみである。
そして、柄本明がすごかった。
ヘンタイ感(めちゃくちゃ褒めている)と渋みがとてもカッコイイ。カッコよくて、笑える。
あの雰囲気というか、たたずまいは、どうしたら出てくるのだろう。
何かに取り組み続けるエネルギーと、愛嬌とがうまく混ざり合うような……
大学時代バイトをしていた会社にも、たたずまいがカッコいいおじいちゃんがいた。
猛者だらけの中でも(ほとんどの方が70代。嘱託職員だったのだと思う)、最年長だったゲンさん。
当時すでに、80歳になっていたと思う。
パワフルな人が多い中、多くを語るタイプではなかったが、長年の経験から放つ一言にはまわりを納得させる力があった。学生バイトもみんな信頼をよせていた。
ある時、禁煙ブームが起こった。
「◯◯さんが禁煙できたなら、
オレもできる!」
とか、
「今日で◯日目だ(すごいだろ)」
とか、
なんだか学生バイトと変わらないノリでおじいちゃんたちが禁煙を楽しんでいた。
それを横目に、喫煙所で静かにタバコを燻らせるゲンさん。
禁煙チャレンジャーの1人が声をかける。
「体もラクになるし、意外といいですよ。
ゲンさんも、禁煙、どうですか?」
それを受け、ゲンさんは静かに言う。
「ここまで吸いつづけてきたから、
オレは死ぬまで吸いつづけるよ」
「おぉ!」
四方から感嘆の声が上がる。
タバコを吸う吸わないという、だけの話なのに、わたしもなんだか「おぉ!」となってしまった。
そういう雰囲気のある人だった。
このゲンさんの発言に感化され、けっこうな数の禁煙チャレンジャーが「死ぬまで吸うぜ」に寝返ったことは、言うまでもない。
そんな、猛者たちからも慕われていたゲンさんから、わたしは時々、
「“あれ”買ってきてくれる?」
と、そっとお使いを頼まれていた。
“あれ”と言われると、なんだかクセのあるものを頼まれていそうな感じだが、なんのことはない。
牛乳とたまごサンドを買ってくるだけである。
バイトを引退するころ知ったのだが、このお使いを頼まれていたのは、どうやらわたしだけだったようなのだ。
頼むとき、なんだかいつも照れくさそうにしていた。
ほかのバイト仲間は男の子が多かったから、おやつ的なものを頼むのが恥ずかしかったのかもしれない。
バイトの飲み会でうっかり“あれ”を話してしまったが、
「なにそれ! ギャップーー♡」
と、男子たちからの人望はアップしていた。
とりあえず、話が散らかってしまった。
朝が苦手な人間が朝イチでnoteをあげているということは、まあ……
“あれ”である。
住メバ都・チョウチョウなのだ。
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