とりあえず、必死!!
入部から約1ヶ月。
子の部活を見学する機会があった。
とにかく泳ぐ。息が整いしだい、すぐさま泳ぐ。ひたっすら泳ぐ。
プールサイドの先生たちも本気だ。
入部理由の1つに
「先輩や先生、友だちの話が面白いから」
ということをあげていたけれど、
あんなに泳ぎ続けているのに、キミらはいったい、どのタイミングでコミュニケーションとっているんだっ?!
水中でイルカたちのように、ヒトが聞き取れぬ周波数をつかって会話しているのかっ?!
と、ツッコミたくなるほどだった。
さて、子の泳ぎぶりはというと……
スイミングスクールに通っていて、ひと通りの泳ぎ方は学んだことになっているが、その後、まったく運動をしてこなかった。
明らかに基礎体力・筋力でまわりと差がある。
ただ、見ていてこちらも力が入ってしまうくらい、「泳ごう、ついていこう」という気持ちは伝わる。
がんばれ。
本気の人に囲まれて、必死に物事に取り組む経験は、必ずたくさんの収穫につながる。
かく言うわたしも、小学生の頃、そろばん塾に必死で通っていた。
先生は厳しく、取り組む量や時間がハンパじゃなかった。「あそこに通っているってことは、段位を取りたいんだよね」という雰囲気だ。
そんな中で、もちろん、みんなと一緒に同じ量に取り組んでいたはずなのだが……
どうも成績が伸びない。
答案を先生のところに持っていき採点してもらうのだが、他の生徒のように当たらない。褒めてもらえない。
でも、先生は厳しいし、両親はさらに厳しい(笑)し、採点を待つ間たくさん置いてある古い児童書が読めるから、言われたことをやっておこう……という感じで、週4、休まず通っていた。
ある日の採点の時である。
いつも通りバツが目立つ答案を見ながら先生がつぶやく。
「あなたはなんで、あんな作文が書けるのに、
そろばんは出来ないの?」
「……なんででしょう?」
そろばんは小学校卒業まで続けたが、まわりの友達がほぼ昇段する中、結局、2級で終わった。
先生が「なぜ出来ないのか?」と思うくらいだから、結果的に不向きだったのだろう。
でも、必死にやったことで計算の基礎は身についた。忍耐力もついた。
それから、そろばんでは褒められなかったが、塾と関係ない場所で書いた作文を、先生が読んでくれていたというのも、収穫だったのだと思う。
そろばんはダメでも、文章を書くことはできるのかもしれない……。
なら……
本を読んじゃえっ!
と、採点が終わって呼ばれているのに本を読み続けて、めちゃくちゃ怒られていたことはナイショにしておきたい。
あ、それと、
週4・4時間正座をし続けたことで、足が痺れなくなったことも、そろばん塾での最大の収穫として挙げておきたい。
茶室のお茶会、どんと来い! である。
(いままで一度も呼ばれたことはないけれど)
とりあえず、子には、せっかく頑張りたいと思える部活を見つけたのだから、必死に食らいついてみてほしい。
いろんな収穫があるはずだよ!
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