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地方出身女、東京に帰りたい話


私は高知県生まれ高知県育ち、大学進学をきっかけに上京。よくいる地方出身で都会に憧れていた女である。

若干一般的な状況と異なるのは私の大学進学に合わせて、家族丸ごと上京したことである。

家族構成
父→いわゆる大手企業に勤めるサラリーマンで全国転勤をしていた。
父と暮らした記憶はほとんどない。
母→専業主婦。認知症予防にパートに繰り出す程度に暇を持て余している。
姉→私の双子の姉。同い年。理系。

大学進学について考える際に両親から
「東京に進学しなさい」と言われていた。

高知には私が行きたい大学はなかったため、県外に進学で出ることは確定していたが、東京を指定されたのは、
家族全員で引っ越すことが前提にあったからだ。

当時、父は転勤で青森にいた。
青森から高知に帰る時は青森→東京→高知と本州横断の大移動になる。
今後、私たち姉妹が就職した際もみんなバラバラに住んでいる可能性が高いことを踏まえて、どんな田舎でも東京行きの交通手段はあるということで、東京で進学して、家も首都圏内で構えることを望んでいた。

私は高知に微塵も未練がなかった。
というか生まれた時から田舎に住んでいるのに、田舎に馴染めなかった。
ジジババは10年経っても同じ話題で話をしているし、どこの息子は出来が悪いだの、あそこの家の嫁は介護もせずに出て行っただの、なぜ親戚でもない人間の個人情報がうじゃうじゃ飛び交っているのか理解できなかった。

東京生活はとても楽しかった。
人がたくさんいる場所は苦手なのだが、同時にどこか安心する、楽な場所だった。
田舎では出来なかった趣味もたくさんできた。

私が選択を間違えたのは就職活動だ。
地方出身だから別に田舎に転勤になっても平気だとあの時は思い込んでいた。

今、私は広島に住んでいる。
別に悪いところではない。
ただ合わない土地があるということを毎日身に染みて感じている。

東京は満たされた街だ。
家族もいる、友達もいる、楽しくできる趣味もある、なんでも手に入る、公共交通機関で移動できる。。。

早く満たされた街に戻りたい。
そう思いながら毎日働く。

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