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「学び、走り、翔べ」 Medu4・Ankiと共に駆ける「5」ヶ月の医師国家試験勉強法

「もしかすると僕は他の医学生よりも頭が悪いかもしれない。にも関わらず周りの人よりも勉強時間が少ない!注意散漫で時間対効果も薄い!おお、なんたることだろう!どうすれば国家試験に受かるのだろうか?」
                                                          ーそんなことを考えた2020年9月


ー対象読者ー

・国家試験半年前に模試の成績が危険ゾーンにあり、現在遂行中の学習に不安を覚える者
・医師国家試験の勉強に不安を覚える者
・暗記作業をする者

ー国家試験前の9月の僕の状況ー

全国偏差値は41 校内偏差値は38。正直、全国偏差値が30台にならず驚いた。学年では下から11番目である。
・5年生のポリクリ中では1週間合計で7時間勉強出来ていたら良い方で、春休みも学外の活動をしていた。
・6年生の4月~8月末までは勉強時間は日々3時間ほどで、それも頭に入る感覚は全くなかった。

ー何故書くのかー

高校2年生以来ずっと、如何に興奮して学び、生きるかを考えてきた。夢中。心躍ることを四六時中できたら最高だ。色々やっていく中で、興奮するためには「what:何をするか」だけでなく「how:どうやるか」という要素も重要だということがわかってくる。僕の「夢中のwhatやhow」を共有することで、読者の夢中も誘発したい。そして、誰にとっても学ぶことが遊びの一種であるという感覚になりますように。

ー重要学習法 4選ー
①Medu4臓器別 2.4倍速マラソン

概要:既に書き加えてテキストを持った状態で、Medu4の全科目別動画を「2.4倍速」で「疾患の解説」と「臨床像」のみを視聴せよ。

僕はMedu4を10月に購入した。Medu4はCBTのテスト勉強で使用し、わかりにくい!と思ったので、4年生以降手をつけていなかった。しかし、クエスチョンバンクの長すぎる解説や、レビューブックの多すぎる覚えるべき箇所と比べてみると、明らかにミニマムな学習書であると思った。友人が動画の再生速度を変更するアプリを使い(video speed controler)9月から10月にかけてMedu4の全テキストを1ヶ月で復習したと言っていたので、そんなことができるのか!と思い自分もやってみる。練習問題は飛ばし、その科目の全体像を掴むことを最優先にしよう。穂澄先生も言っているが、大事なのは臨床像の問題を解く流れである。
そうすれば、メジャー科は1つの科につき長くて2日(腎臓は1日、神経は2日で終わらせよ)で終了する。産婦・小児・公衆衛生はそれぞれ3日、マイナー科は1日で終わらせよう。まぁ、日数はどうでも良いのだが、ここで伝えたいのは、ほとんどの科が1日、2日で概要が終わると言うことだ。動画観て臨床像の問題を解いただけで、11月の冬MECは練習問題は臨床8割、必修9割に達することができた。最初から練習問題を完璧にこなさなくて良いのだ。練習問題は12月1月の直前期に全部解いた。

②買って本当によかった Medu4テストゼミ

概要:穂澄先生の思考プロセスを丁寧に教えてくれるテスト問題と動画のセット。それぞれのテストごとに合格点を設定されていることで、模試以外でも自分の国家試験合格までの距離感を知ることができる!

勉強してて常に思うのが、自分は本当に合格に近づいているのか、ということだ。回数別で力試しをするにしても多大な時間を要する。まず一番最初に初めて欲しいのは、臓器別2.4倍マラソンで1科終わるごとに、テストゼミ基礎編で1科解いてみるのだ。そこで合格点を取れば、その科は一旦大丈夫だ。
友人にMedu4、TECOM、メック、QAssist全ての動画を見た猛者がいる。
曰く「穂澄先生の問題の解き方が一番上手い。最小限の知識で問題を解くから。他の解説の先生は臨床を知っていて、だから知識で解いてしまう。穂澄先生は最小限の知識と思考で解く。
115回は傾向が変わり、知識で解けず、過去問で出たような思考プロセスでは解けない(気がする)問題が多々あった。しかし、その問題たちに安定した心で挑めたのは、鬼畜なテストゼミ〜予想問題編〜をやり合格点を取れたからだ。是非ともテストゼミは終えてから、医師国家試験を迎えて欲しい。

③後退しない記憶 暗記の神アプリ Anki

概要:Medu4の空欄で覚えれないキーワードは、全部Ankiに入れよ!

これがなくては正直合格したか怪しい。それだけ僕にとってパワフルな学習方法だ。Ankiはフラッシュカードアプリである。よく使われている方法は、表面(問題面)に英語を書き、裏面(解答面)に日本語を書く。フラッシュカードのセットを作り、開始すると、問題が出てきて、ワンタッチ(クリック)すると、回答が出てくる。回答の下に更にこう書かれる。
簡単・普通・難しい

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問題の難易度によって、次その問題を出題する日を決めてくれる。難しい問題は早く、何度も何度も出して、あらゆる暗記事項を長期記憶に入れる手伝いをしてくれる。
僕は友人が作った、Medu4の空欄事項を出題したAnkiのデッキセットをもらい、毎日2時間〜3時間勉強した。
Ex)
問題)甲状腺クリーゼの治療はBasedow病に対する治療に加え何が有効か?
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解答)副腎皮質ステロイド

発作性夜間ヘモグロビン尿症の治療は?
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エクリズマブ(補体阻害薬)


医師国家試験はもちろん思考力も問われる問題もあるが、その思考戦の盤上に乗るには、まずは覚えるべきことを覚えなければならない。僕はこの勉強法を5年生の時にやろうとして、あまりの地味さに挫折した。しかし、これを読んだ人には諦めずに是非ともやってほしい。辛く、苦しいかもしれないが、毎日Ankiをする時間を確保してほしい。一番地味だが、一番効果のある勉強法だと思っている。
Medu4の空欄事項は本当に練られている。ここを全て覚えたら医師国家試験は8割は取れるのだ。


④最もミニマムな過去問解説 回数別全問解説講座

概要:111回から続く穂澄先生の全問解説。これを使い最短で過去問の抑えるべきポイントを抑えよ。

10月まではQBの回数別を解いていたが、どうも頭に入らなかった。それは初学者には1つ1つの解説が長すぎるからだ。1ページから飛び込んでくる情報量が多く、大事なところだけ読むにしても、認知力が奪われる。何が大事かわからない時は、QBの知識を悪戯にレヴューブックに書き写したりした。時間の無駄であった。そこでMedu4の回数別全問解説だ。時間は長いように思われるかもしれないが、1つの問題から派生する知識は最小限に留まる。サクサクと1年分の覚えるべき知識が収まるのは痛快だ。

最低限やってほしい勉強は以上の4つである。実際の僕の使用例は

Medu4臓器別 2.4倍速マラソン: 10月下旬〜11月下旬
Medu4テストゼミ: 10月下旬~国試直前まで
Anki: 10月下旬から常に
回数別全問解説講座(114,113,112,111): 11月中旬~1月中旬

9月から10月下旬までは勉強時間は8時間〜10時間ほどで毎日QBで過去問を解いたり、Quizletという別のフラッシュカードアプリで勉強をした。長時間の勉強時間に身体を慣らすことがメインとなった。

ー学習の効率を上げるための方法6選ー
①生活習慣を整えよう。

脳は臓器である。身体の一部だ。なので、身体の不調は脳の不調につながる。しっかりとした睡眠と運動と食事を心掛けてほしい。
実際の僕の生活ルーチンは

7:30 起床(1月には8:30起床になる)
8:30 図書館へ
8:30-12:30 勉強(30分は歩きながら勉強)
12:30-14:00 昼休憩
14:00-17:00 勉強(週4で友人と2時間勉強会)
17:00-19:00 友人と暗記会
19:00-21:00 夜休憩
21:00-22:00 勉強
22:00-23:00 夜休憩2
23:00-24:30 暗記作業
24:30 就寝

夜休憩の前後どちらかには毎日ランニングをしていた。
14:00-17:00の勉強時間では、途中ダレた身体と脳をリフレッシュするために、冷水シャワー(https://www.harpersbazaar.com/jp/beauty/health/a30905195/cold-shower-benefits-200213-lift1/)やバービーだけのタバタ式トレーニングをやっていた。


②ポモドーロテクニックを使おう。

さて、生活習慣のところで8:30-12:30 勉強 のように書いているが、僕はずっと勉強していれるわけではない。友人に「2時間勉強すると、やっとエンジンがかかってくるの…」という人もいるが、異星人のように思える(てか医学部こういうやつばっかり…)。1時間集中なんてまず無理だ。なので、僕は「25分勉強して5分休憩する」というポモドーロテクニックを採用している。勉強時間も休憩時間もしっかり決めないと、正直ダレる。集中できずに勉強することも、長く休憩を取ることも罪悪感が募り、パフォーマンスは下がってしまう。集中できない人は是非ともやってみてほしい。ポモドーロタイマーのアプリは5つほど試したが、最後落ち着いたのは、あまり有名ではないのだが「断続集中タイマ‪ー‬」である。

③歩きながら暗記しよう。

多動気味な僕にとって、1日10時間以上も椅子に座っての学習は苦痛である。どうせ同じ勉強なら青空の下で勉強がしたい。福井大学は周辺が田んぼに囲まれているので、田んぼの間を歩きながら、iPad or プリントを持って、AnkiやMedu4の口頭試問を解いていた。外なので声に出して読み上げることもでき、ふとした時に遠くの山を眺めたら神社に散策も行ける。机の上での勉強だけが勉強ではないのだ。

④書く瞑想「ジャーナリング」をしよう。

将来に対する不安な気持ちは、意識を分散させ、学習パフォーマンスを下げかねない。なので、僕は気持ちをただひたすらノートに書き出すというジャーナリングをしている。10月、11月は将来のこと、パートナーのこと(笑)、卒業試験のこと、たくさん不安なことがあり、週に4回は1ページを気持ちの吐き出しに使う時間に当てた。頭の中が煩くなることがある人は、是非ともやってみて欲しい。自己の対話が深くなり、そして強くしなやかな自己に出会える時もあるだろう。

⑤人類は生きる為に走ってきた。走りながら復習しよう!

これはとても思い入れのある学習法だ。卒業試験前日に思い付いた。
暗記学習の本質は思い出すこと(recall)にある(などと他の国家試験対策ブログでも言っていた。)。いくらインプットしても、その記憶を自ら何度も取り出すことをしなくては、入れた知識の記憶の中の優先順位は下がり、忘却の彼方に捨て去られてしまう。
走りながら(運動しながら)思い出したり、考えたりする行為は、人間が狩りをしていた時の脳の使い方を呼び覚すのだろうか。実に鮮明に、記憶が思い出せて、思考もできる。負担は大きいが、毎日夕食前に30分ほど息を上げ、走ろう。走りながら、その日1日を復習をすることは、とても多くの情報を定着させることになる。是非とも安全な場所で走り、考えてみてほしい。

⑥勉強会をしよう。心を支え合う仲間を作ろう。

10月からは、既に参加している1つの勉強会に加え、2つの勉強会に入れてもらったり、作ったりした。
1. 40分でinput、20分でoutput を2回する暗記会。最も地味で最も効果が高かった勉強会。お互いの暗記したい事項を2人でひたすら出題しあった。
2. 過去問会。114~110回を50問、大きめの画面に映してセーノで答えの選択肢を言う。間違えてたら恥ずかしいが、その分覚える。5人で行った。過去問は何度やってもよい。(実質114~110を4周くらいした)
3. Medu4会。Medu4の臨床像の問題を2時間解き続ける。回答方法は過去問会と同じ。5人で行った。

どれもとても大事であった。人と歩むのは安心感がある。知識をつけるより何より、1月などの少々メンタル的に辛い時期に、いつものメンツと話しながら問題が解けるのは、心が安定する。心が安定すると、学習テンポも崩れにくい。

ー終わりにー

国家試験の勉強をした2020年の9月〜2021年の2月はある意味、青春だった。闇雲に、夢中に勉強しているだけで、充実感や生活の保証があり周りの応援があった。2021年4月、医療の道を一旦外れ、コーチング活動や心の領域の探求と医療を医療の外から見る活動を始めた。そこには答えはなく、師は自分で探さねばならず、医療系以外での就職活動も始めた。自分で0から道を開拓しようとするほど、学びの道を敷き先人と繋ぐ教育の凄さに感動する。何かを学ぶことは時間とお金、人の支えのいることだ。それを支えてくれる大学という社会機関は本当に素晴らしかった。感謝だ。この感謝をどう形にしようかな。この記事も1つの形かな。

ここまで読んでくれて本当にありがとう。この記事がほんの少しでもあなたの学習生活に貢献できれば幸いだ。

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