見出し画像

織物

風景は折りたたまれる。

時間と、人物と、そして言葉とともに。

けれどそれは墓標ではなく、

なお生きているうねりである。

わたしたちの心を織りなし、

わたしたちに折々の想い出を見せてくれる。


少しずつ織物を編む。

彼の言葉が、彼女の面影が、

消えない確かな感触をもって、

あざやかな色とりどりの糸となって、

編まれる。綴られる。


虹を架けるように生きる。

地球をすっぽり覆うような、

鮮烈な生を編む。