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[詩?] 偏在する月曜日

 僕は君を抱きしめたつもりだったのだけれども、君は最初から存在しなかったんだね。溺れる者がいて、救われるものがいて、どちらでもない僕がいる。クラウドサービスみたいに、あてどのない思いたちが集まって、それには「青春」という名前がつけられた。この世は地獄や天国と同じように階層構造だよ。ヘドロのような色の河川の水面に浮く油の虹。分子構造のプリズムの中。そんなところにだけ生きてみたい。

 しっかりと地に足をつけて生きる人々が憎い。人々のしあわせを、一つ一つ否定していけば、そこに僕が残る。そんな世界は美しい。僕の髪の毛が、ゴミに出されて、処理場の灰になって大気中に出て、そうやって僕が世界そのものになる。僕の死体を鳥がついばむ。食べる。死ぬ。食べられる。循環する。こうして音楽は出来上がる。こうして僕は死んだり生きたりする。そういうのってちょっとずつなんだよな、実際んとこ。