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あ る 地 名 の 風 景

程久保の畑   hodokubo-2

昨晩、友人にあてて絵葉書を描こうと
図柄をあれこれ思案していました。

葉書サイズのクラフト紙があったので
何か白い花がいいかなと思い、
パッと頭に浮かんだのがマーガレット。

描きながらマーガレットは何でマーガレット?

悪いクセが出てしまいました。
やろうと思ったことが進みません(笑)

マーガレットはキリスト教の聖女マルガリータに由来し、
その意味は“真珠”なんだそうです。

ピザではありません(笑)

どういう理由で花の名に転用されたのでしょう。
あの花と真珠はちょっとピンときませんねぇ。

ピンとこないといえば程久保もピンときません。
“ほど”の窪地?
久保は窪地だと思いますが、“ほど”とはいったい何でしょう。

江戸時代には程久保村だったというのですから
それ以前からあったことになります。

調べて分かったことはいろいろあるのですが
結論から言うと野生の“芋”のことみたいです。

古代には「土芋」と書いて「ほど」と読んだ例もあります。

これは、長い蔓に間隔を空けて小さな芋のような根がつく植物で、
この間隔を“ほど”と言うのだそうです。(「綜合日本民俗語彙」)

これから転じて、今では岩手や四国の山間部で
ジャガイモのことを“ホドイモ”と呼ぶところがあるとも。

つまり、この野生の“芋”が自生する窪地を
“ほど窪”と呼んでいたのでは・・そんな結論です。

他に噴火口や鍛冶の炉、女性器なども
昔は“ほど”と言ったようです。

おそらく、“火照る”という言葉も同源なのでしょうね。

ちなみに、地名では“不動野”“符殿”“富土”なども
同じではないかということです。

勘ですが横浜の保土ヶ谷もそうかと・・

今ではまったく謎めいた地名ですが、
これも食料にしたからこそ、その場所が重要だったわけです。

暮らしの中から自然に生まれた地名は
やはり何かしら教えてくれます。

(東京都日野市)


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