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知ってますか?キャットフードとドッグフードの違い

昨日ちょっと話しましたが、キャットフードとドッグフードが違うことは知っていても、何がどう違うか知らない人は多分めちゃくちゃ多いと思うので、今日はその話をしましょう。

一言で言うと猫に与えるのがキャットフードで犬に与えるのがドッグフードです。

こう書くと当たり前のことですから何言ってるのって話ですが、言い換えると

猫(肉食動物)に与えるのがキャットフード
犬(肉食に近い雑食)に与えるのがドッグフード

です。
つまり食性の違いがあるということは栄養吸収を考えると身体の機能に違いがあるということになります。
見た目にはっきりと違いがある両者ですが、何をもって犬か猫かはともかく、犬と猫では必要とする栄養が違うのでそれぞれに合った食事を与える必要があることは確かです。

なので犬にキャットフードを与えるのはダメで、猫にドッグフードを与えるのはもっとダメです。
なぜダメなのかの理由は5つありますのでざっくりお話ししましょう。

理由1、猫は体内でタウリンの合成ができないから

猫はタウリン合成経路の酵素を持っていませんから直接摂取しなければいけません。
犬は必須アミノ酸のシスチンとメチオニンを摂取すれば合成できるんですけどね。ちなみに不足すると拡張型心筋症のリスクが高まります。

理由2、猫はアルギニンの合成がとっても苦手

猫はシトルリンという一酸化窒素を生み出す元になる遊離アミノ酸の分泌量が犬よりも少ないので、アルギニンを直接取り込まないとアンモニアが処理できず大変なことになります。

ちなみに人はアルギニンを直接摂取するよりも、シトルリンを摂取したほうが結果的にアルギニン量が増加するらしいです。
アルギニンは必須アミノ酸なのにね。不思議。

理由3、アラキドン酸を合成することができない(はず)

ちょっと自信がないのですみません(笑)

犬ならオメガ6のリノール酸を摂取すればアラキドン酸(どうしても「荒木ドンさん」と認識してしまう自分がいる・・・)に変換できるのですが、猫はできないようです。

猫(肉食獣)が良く食べる獲物(反芻胃を持つ草食動物)の脂肪に多く含まれる栄養素なので、食べる機会に恵まれるから必要ないということなんでしょう。直接摂取すれば効率もいいですからね。

理由4、猫はβ‐カロテンからビタミンAを作れません!

ビタミンAってベータカロテンから作ることができる栄養素ですがビタミンA として存在するのは動物性食品中だけらしいですね。

ベータカロテンは植物性食品である野菜にはがっつり含まれてるので、犬や人は野菜食べれば作れるので問題なし。
でも猫はダメ!酵素を持たないから変換できません!

ということで肉食べないといけないのです。

理由5、猫はナイアシンの合成が苦手なんですー

ナイアシンというビタミン(B3)は猫は作るのがうまくないんです。

ナイアシンという聞きなれない栄養素は、雑食の我々と犬ならトリプトファンという必須アミノ酸を取れば肝臓で合成可能なビタミンなのですが、残念ながら猫様は合成能力が低いので足りない分を補う必要アリです。

犬ではトリプトファンを摂取すれば肝臓で合成することが可能ですが、猫は合成能力がかなり低いのです。(できないわけじゃありません)ですから直接摂取する必要があります。

ナイアシンは肌の保護成分であるセラミドの生成に問題が生じるので、みなさんも不足しないように気を付けましょう。
お肌にはやっぱりビタミンが必要ですね。

まとめ

昨日から肉食動物について話してきましたが、肉食動物という生き物を栄養学的にみると肉を食べるから肉食動物というのは正解じゃないようです。

実際には、動物性たんぱく質を摂取しないと生きられないのが肉食動物というのが正しいみたいですよ。

というわけで今日の結論は

猫が肉食なのは身体が要求する栄養成分にあった!

です。

ではまた明日。

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