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子犬という名の異国の子供達

これから犬を飼おうというお客様からよく聞かれるのは、飼いやすい犬種はなんですか?と言う質問ですが、これはなかなか返答が難しい質問ですね。

確かに犬は犬種ごとに際立った特徴を持つ種類が多く、容姿だけでなくその性格にも違いは見られます。

なので選ぶ犬種を間違えると大変な後悔をすることになることも少なくありませんし、人によっては犬に問題がなくとも飼いきれずに遺棄することになったりしますしね。

ただこれは選び方と言うより覚悟の問題かもしれません。

はっきり言ってしまえば相当特殊な犬や希少犬種でもなければ、性格はどの犬もそんなに差はないので、そこまで気をつけなくても大丈夫。

むしろ初めて犬を飼うからと、あれやこれやと条件を付けてこの子じゃなければと選ぶ人や、前に飼ったことあるから慣れている犬種のほうがいいという人ほど、ちょっとしたことにつまずいて深く落ち込んだり嫌になったりします。

動物なんか思い通りになることの方が少ないし、犬種は同じでもその子とあなたとは初めて出会って暮らすんですよ。
だから犬を飼うことを経験と捉えるのはあまりよくないです。犬なんて外国人の子供みたいなものだから。

日本人は割とラベリングしがちなので失敗もそこから生まれるのかもしれません。

だって考えてみてください。
トイプードルとかダックスとかって犬種も人が決めただけのこと。もちろん犬と呼んでいるのも人だけ。人間以外はそんなこと考えもしていません。

どこで生まれたとかどれだけ高額だったとか血統がどうだなんてのは人間だけがする差別です。

つまりダックスフントはドイツの犬。コーギーはイギリスの犬。トイプードルはフランスの犬って分けたとしても、日本人が育てればどの国の犬だろうと日本語しか理解できない犬になるのです。

大阪のおばちゃんがチリチリ頭のケニア人の子供を拾って育ててもスワヒリ語をしゃべれるようにはなりません。

だからどの犬を飼おうが失敗する人は失敗するし、うまくいく人はうまくいく。いくら経験を積もうと意識や考えが変わらない人は失敗することが多いものです。うまくいったらそれは犬がすごいか単にラッキーなだけ。

そんな人間なんかよりも犬はとっても賢いので、飼い主がそれをだめにしていることはとっても多いんです。

たいていの犬はお手やお座りやマテなんか1日2日で覚えてくれるけど、たいていの人間は犬の言葉を理解できてない。

だからコミュニケーションが一方通行になりがちで、犬の本能的な行動を問題行動と捉えて間違ったしつけをして余計に悪化させてしまうこともしばしば。お金と時間を使って癒しを得るどころかただ浪費してお互いの不利益を生んでる。そんな人は意外に多いものです。

うまく付き合うことは同調じゃなく尊重。そして距離感。

正しく相手を理解して自分と違う動物であることをきちんと受け入れれば間違いはずっと減ると思います。

多くの人は何とか自分の考えを理解してもらおうと考えているけれど、犬がホントは何を望んでいるかを知ろうとする人はそんなに多くない気がします。
まずは相手の気持ちに耳を傾けないと交渉がうまくいくことは少ないと誰もが分かっていることなんですけどね。

このあたりのことはビジネスや子育てにも言えることなので、そういう意味では犬を飼うという経験から得られることは大きいかも。こうやって犬の飼い方を考えると、犬はとっても大切なことを人に教えてくれているって気づかされますね。

なんだかんだお金や時間もかかるし面倒なことばかりですが、やっぱり犬を飼うことは人にとって多くの学びになるからおすすめなのかもしれないですね。
とはいっても僕は犬が好きではないので飼う気にはなりませんけど。

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