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【仮説】その事業は、時間経過とともに、簡単になるのか/難しくなるのか (不可逆性と時間軸)

 はじめての方は、はじめまして。 

 いつもお世話になっているみなさまは、いつもありがとうございます。西海クリエイティブカンパニー / ばりぐっど大学の宮里です。 

 今回は、「人が減っても大丈夫な社会」を実現するために間違えるわけにはいかない "事業判断の原理原則"について、できるだけ論理的に、みなさまと確認していきたいと思います。僕も考えながら書くので、ご一緒に付き合ってもらえると幸いです。

【前提認識】時間経過と共に、勝つゲームに参加する。

 下記の商品について、(現在)の2024年4月と(15年後)の2039年4月とで比較したとき、あなたは、その価値は(上昇)(下落)どちらだと思いますか?完全に主観でOKです。当てずっぽうでも全然OKです。ぜひ一緒に想像してみてください。


・あなたの家の一坪あたりの土地価格: ?


いかがでしょうか?
僕は人口減少真っ只中、田舎に住んでいますから、僕の家の一坪あたりの土地価格は「下落」しそうです。そして時間の経過とともに、その価格が戻ってくるような気はあんまりしていません。


あなたの家の周辺100軒のご家庭の平均年齢: ?


うーん、これはどうでしょう。僕の家の周りでは平均年齢は(上昇)しそうです。15年たったら、15年分あがりそう。「それはそうだろ」と、思われるかもしれませんが、そうとも限りません。例えば学生街は18歳~22歳でかなり安定します。人口は減っても、人の流入の仕組みが違うからです。途上国も違います。子供が困るほど増える国は世界にいくつもあります。

さて、もっともっと大きなマクロなことも考えてみたいと思います。

・あなたのまちの人口は?(上昇? / 下落?)
・Bitcoinの価格は?(上昇? / 下落?)
・上場企業の女性管理職の割合は?(上昇? / 下落?)
・全世界の株式時価総額は?(上昇? / 下落?)
・おにぎり1個の数は?(上昇? / 下落?)
・米国の寿司屋のアルバイトの時間単価は?(上昇? / 下落?)
・日本の寿司屋のアルバイトの時間単価は?(上昇? / 下落?)


ここも、一応私の見立ても書きます。あてずっぽうです。

・あなたのまちの人口:下落
・Bitcoinの価格:上昇
・上場企業の女性管理職の割合:上昇
・全世界の株式時価総額:上昇
・おにぎり1個の数:上昇
・米国の寿司屋のアルバイトの時間単価:上昇
・日本の寿司屋のアルバイトの時間単価:上昇

【前提認識】短期戦ではないことを認識する。

 もう一つ一緒に考えてもらいたいことがあります。次のゲームは、短期戦だと思いますか?長期戦だと思いますか?そしてそのゲームで勝つために、最も重要な要素はそれぞれ何だと思いますか?

・100年つづくケーキ屋さんと勝敗を決するもの: ?
・TVで話題の、長い行列をつくるタピオカ屋さんと勝敗を決するもの: ?
・クラブでナンパ / ナンパ待ちする男女関係と勝敗を決するもの: ? 
・結婚を意識した同じ職場に配属された男女関係と勝敗を決するもの: ? 
・世界遺産級の観光地の前の通りの露天商と勝敗を決するもの: ?
・100年超建築中のサグラダファミリアの入場料と勝敗を決するもの:?


ここも私の見立ても書きます。あてずっぽうです。


・100年つづくケーキ屋さんと勝敗を決するもの: 
→(長短) 長期戦  /  (勝敗要因) また来たいと思うクオリティ適正な価格

・TVで話題の、長い行列をつくるタピオカ屋さんと勝敗を決するもの: 
→(長短) 短期戦  /  (勝敗要因) SNSの見た目バズらせられるか

・クラブでナンパ / ナンパ待ちする男女関係と勝敗を決するもの:
→(長短) 短期戦  /  (勝敗要因) 初回の第一印象

結婚を意識した同じ職場に配属された男女関係と勝敗を決するもの:
→(長短) 長期戦  /  (勝敗要因) 性格、金銭感覚、人生の価値観

・世界遺産級の観光地の前の通りの露天商と勝敗を決するもの: 
→(長短) 短期戦  /  (勝敗要因) 商品のわかりやすさ

・100年超建築中のサグラダファミリアの入場料と勝敗を決するもの:
→(長短) 長期戦  /  (勝敗要因) 応援したいと思わせるファンの存在

 もしあなたが会計に詳しい方なら、短期戦は「費用計上できる」ものが勝負になりやすそうですし、長期戦は「資産計上できる無形資産」が勝負になりそうと分類しても面白いと思います。

 ここで私がお伝えしたかったのは、僕らは、「人が減っても大丈夫な社会」をつくるという、長期戦をしようとしている、という認識の確認です。

 そして長期戦ゆえに時間の経過とともに「有利になる」ゲームに参加しないといけない。そうでなければ会社であればジリ貧で潰れてしまいますし、自治体であれば維持できなくなる、住民主導型のまちおこし活動も心が折れてしまう、という認識の確認が重要だと考えています。

【時間経過と不可逆性】
  だから、私たちのチームでは、よくこういう会話をします。

「人の数が勝敗を分けるゲームには参加しない」

 なぜなら、人の数が勝負になると長期戦では、地域は負けるからです。特にすごい発見をしているつもりではなく、あらためて、僕たちの地域で人口減少がすすむなかで、"それでも大丈夫!な産業や仕事を作る"ために、どんな事業や政策が必要か。それを論理的に確認してみよう、という思いで、この投稿では、【時間軸とその不可逆性】、について書いてみました。

 不可逆性については、他にもテーマがある気はしているので、またの機会に深ぼって考えてみたいと思います。




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