【ズルい社内誌の作り方】AIを使って60分以内に、13記事を作ってみる。
【目的と手段】全国の広報担当者にAIを使う手段を提供する
<目的>
社内誌を、一人(または極めて少人数)で作っている広報担当職員さんの助けになることを目的にします。
<手段>
GPT4oだけ準備して臨みます。使ったプロンプトもお見せしてますので、僕ので良ければどうぞ使ってください。
<ゴール>
URL/PDF/パワポ/エクセルなどにまとめた元ネタデータをルールに基づいて編集。参考画像もつくる。
<免責>
この記事で紹介する方法はあくまで僕がやってみた実験報告です。ただせっかくやるのであれば、"え!そんな作り方!ズルい~"と言われるくらい、楽しく社内誌を作り続けられるような、記事になるように、今後もアップデートしたいと思っています。
さて、今回作っていくのは、下記のようなページの原稿とその仮画像です。※当社が発行している媒体より
これは当社が発行している紙媒体です。
実際の業務では、ワードに編集、校閲後の文章と画像を準備すれば、あとは社内のデザインチームに提出、または印刷会社に提出、というのが実務のフローであると仮定します。
ですので、今回の記事の最終形式はWordファイルで中身に完成した文章と画像があるという状態を目指します。
【目標とステップ確認】: 目標は60分で、7割くらいまで
早速、ステップに分けて考えてみました。具体的には下記の5つのSTEPで行いました。
STEP 1AIに前提情報を伝える (5分)
=>まずAIにいろいろ前提の情報の指示を出します。役割を与えることを意識して、目的や背景を伝えるのは人間と同じです。
後ほど紹介するプロンプトをそのまま使いつつ、適宜、内容は、書き換えてください。ここでは、具体的には下記のような前提認識をAIに与えます。 コピペして自由に使ってもらってかまいません。
例)
・地域商社という地域の活動を広く広めるのが目的のメディアであること
・目的は市民や市内企業の活躍を、広く広めること
・提供するデータは参考にしてもいいが、自分の言葉で書き直すこと
STEP 2 データ素材を集める (20分)
=>取材しようとしてる対象者のwebサイトやPDF、エクセルデータなどの元情報を確認します。本記事は、ここがものすごく楽になるプロセスだと思います。今回は13記事を60分で作ります。具体的には後述します。
参照させられるデータ形式の例)
・PDFデータ
・エクセルデータ
・WebのURL
・画像
GPT4oなどは賢すぎるので、ここの素材集めをあまり細かく時間をかけすぎる必要はないと思います。すでにご自身で管理されているファイルをそのままアップしても最初は大丈夫だと思います。具体的な画面などは後述します。
STEP 3 ルールに基づいて、記事を作ります。(5分) =>記事にはルールが必ずあるはずです。前提情報よりも詳細な情報です。
例)
文字数:○○文字
トーン:客観的で誠実で丁寧であること
注意点:不明点は検索しなさい。
難しい言葉は検索してわかりやすくしなさい
データ素材と書いた記事があっているか繰り返し確認しながら作りなさい
実際には、ここも私のプロンプトを参考にしていただいてOKです。まずはそのまま使ってもらい、都度ご自身の記事にあった指示文に変更していってみてください。
STEP 4 実際に取材を行ったご自身の手で直接編集を加えます。(気が済むまで)
=>ここは手を抜かないでください。クオリティを上げていきましょう。STEP3まででAIが作成してきた文章があると思いますが、あなたに提出したのはあくまで叩き台。実際に足を使って、現場を体験したあなたにしか編集できないところがあるはずです。イメージはAIは70点を作り、そこからあなたが100点にする作業です。ここに時間を割きましょう。
以上の4ステップです。
STEP 5 参考画像データの生成
実際には、取材した画像を使うと思いますが、たたき台の時はAIでも十分かもしれません。必要に応じて作りましょう。
【ズルい社内誌の作り方】 具体的なプロンプトと操作方法
ではステップも確認できたので、具体的に、手を動かしていきます。
<STEP1AIに前提情報を伝える>
GPT4oを開いてください。まずはやりたいこととゴールイメージの共有です。
一緒に社内誌を作りましょう! ゴールの完成イメージはこんな感じです。
また、文字ベースでも、ゴールを明示的に示します。僕は下記のように明示してみました。工夫して欲しいポイントや参考データの案内方法、そして作ってほしい記事の数と記事数を示します。
特に記事毎に、文字数を指定している点などをご確認ください。
作成いただく、社内誌は下記の点を留意してください。
<工夫>
※あなたのミッションは市民の暮らしや活躍を地域商社の立場から紹介することで、あかるいまちの活動を発信することです。
※子供から大人まで、わかりやすい文章であることを心がけてください。
※実際に印刷されるのは、元のWeb記事から1ヶ月以上あとなので記事作成の時は留意してください。
<参考データ>
PDFをアップしたのでそれを参考にしてください。
<作業依頼 / 13記事を作成してください>
データを元に記事を元に作る記事 13記事
(内訳)
表紙 =>1記事.
特集1 => 表紙と同じものを1 記事 800文字+画像
特集2 =>1記事. 800文字+画像
記事タイプA 4つ記事 一記事あたり 150文字~250文字+画像
記事タイプB 6つ記事 一記事あたり 300文字~400文字+画像
<STEP2 素材情報を整理する>
さて、今回の元素材は、もちろん僕らが運営している情報発信サイト、 ローカルメディア「ばりぐっど」の記事を元データとして、考えてみます。
参考までに下記のばりぐっどのサイトです。
ここではスプレッドシートに、取材する記事をまとめました。
左から
・記事のタイプ
・NO(ナンバー)
・記事内のテキスト(コピペ)
で並べてみました。
<STEP3 ルールに基づいて、記事を作る>
そして、それを"エクセルデータ"としてダウンロードし、それをAIに投げましょう。そしてその時に下記のプロンプト(ルール)と一緒に投げてみます。
先ほど送ったPDFデータは、過去のものです。私たちは今から最新のものを作ります。
添付するエクセルファイルを読めますか?それらが今回の元の情報です。
いくつか注意点を書きます。
<工夫>
目線を紙媒体用に切り替えてください。
エクセル内部の文章を元に作る記事 13記事
表紙 =>1記事.
特集1 =>1記事 800文字+画像
特集2 =>1記事. 800文字+画像
記事タイプA 4つ記事 一記事あたり 150文字~250文字+画像
記事タイプB 6つ記事 一記事あたり 300文字~400文字+画像
※画像部分は適切な生成AI写真画像を作って入れてください。
※実際に印刷されるのは、元の情報から2週間以上あとなので記事作成の時は留意してください。
以上、よろしくお願いします!
うまくいってない時は、遠慮なく言いましょう。
僕がやった時も、ん?ファイルちゃんと読んでる?と思うところもありましたので、下記のような確認をします。
(※追記:情報元の記事は、URLやデータでも読みましたが、テキストを直接打ち込んだ方が安定はしました。特にURLだと、時々別の記事になることがありました。)
また、やってると、AIが途中で止まったりすることもありますが、遠慮なく続けてもらいましょう。ここでは「つづけてください」と淡々と指示をします。
すると、下記のようにいい感じに、記事を書いてくれます。けっこううれしいですよ。
<STEP4 編集する / ここは人間の仕事>
ここまではAIがやってくれる作業でしたが、このSTEP4は取材した"あなた"の声を直接入れるところです。編集長になったつもりで、色々修正と加筆をお願いします。
AIによって、叩き台はできていますが、それが読者の感性に響くか、の部分はあなたの責任になります。少なくとも、校閲や文字の間違い、といった"てにをは"に時間を取られることはほぼないはずで、良い記事を作ることに集中できる業務だと思います。
<STEP5 画像を作る > ※これは実際は取材に行く方がいいと思います。
画像は、あくまでたたきのイメージを持つためにすぎませんが、一応入れると、想像が膨らみます。
最後にご自身で管理をしているワードファイルなどに、出来上がった文字と画像を、コピペしていきましょう。僕の場合は下記のような感じになりました。
私自身は、初めて社内誌の記事を作るシミュレーションをしてみましたし、プロンプトを考えながらやったので今回は60分を少し超えてしまいましたが、それでもこのやり方であれば10~20記事くらいなら1時間前後で、かなりいい線行ける感じを持ちました。
もちろんSTEP4の編集部分など、内容に関する部分は逆に時間をかけるべきで遠慮せず、それ以外の事務に極力時間を割かず、、といった運用がいいかもと思いました。人間の自分は、AIから上がってきた原稿のチェックをしたりクオリティをあげていく、、という、かなりwithAIな働き方を実感した時間でした。
上記のワードくらいの状態であれば、あとは印刷会社さんにあとはパスするだけ、、だったりしますでしょうか
【感想と振り返り】 1時間かからず形になる安心感。
さて、いかがだったでしょうか。
僕自身が感じたのは、「校閲」や「てにをは」のチェックがいらず、まず形になる安心感が大きいと感じました。作業レイヤーの仕事はほぼなくなり、編集者の楽しい時間の割合が増える印象です。
広報担当の方は、企画が好きだったり、写真が好きだったり、人が好きだったりすることが多いと思います。一方で"単純作業"っぽいところはぐっと下がる感覚を持ちました。
「叩き台をAIにつくらせる」というのは、社内誌に限らず、いろんな職場で使われていくスキルだと思いましたのでこれ以外の業務でも、試してみたいです。
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