Case1.奈良県ため池条例事件〈最大判昭38.6.26〉
POINT🎯
条例による財産権の制限は、憲法29条(私有財産制度の保障)に違反するか?
奈良県には昔からたくさんのため池があり、農民はそこから水を取ったり、その堤とうに畑を作ったりしていました。
しかし、万が一ため池の堤とうが壊れると、大きな洪水が起こるのではないかと心配されていました。
そこで、奈良県では1954年に『ため池の保全に関する条例』を制定して、みんなが安全に生活できるようにと考えました。
この条例では、ため池の堤とうが危険にさらされることになる畑作りを禁止する規定がありました。
しかし、唐古池の農民たちは、この条例に従わずに畑を作り続けました。そのため、検察官が違反として訴える事件がおこりました。
最初の裁判では、有罪とされましたが、控訴審では無罪になりました。
しかし、最終的に最高裁判所で審理され、決かいの原因となるため池の堤とうを使用する行為は、憲法や民法で保護された財産権の行使とはいえず、その使用の制限は、公共の福祉や安全確保のために必要であり、農民はその制限を受け入れる必要があるとされました。
また、これを国の法律ではなく地域の条例で定めたからといって、違法ではないとの判決も下りました。
この事件は、地域全体の幸福と安全を守るために、法律などで国民の権利を制限することが必要な場合があるという大切な判例となりました。
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📝雑記①
隣接する資料館に「多重環濠で米づくり 3回目!」と題するボードが掲示されていて、つい、「性懲りもなく」と思ってしまいました。失礼。
きっと、堤とうから少し離れているのでしょう。きっと。
📝雑記②
池を一周したところに大きなお屋敷があって、表札には「上島」とありました。
ここの方が、判例で「Yら」と称される農民だったのかな?などと思ったのですが、横の広場にある石碑を二度見してしまいました。
あの有名企業の会長さんの邸宅だったようです。失敬。
〈備忘録〉
◆唐古・鍵遺跡 史跡公園(karako-kagi.com)
◆この「判例地探訪録」は、有名判例の概略をChatGPTに平易な表現で解説してもらい、現地を訪れた記録とともに紹介するシリーズです。
◆この判決の詳細については、下のリンクから確認することができます。
🔗 裁判例結果詳細 | 裁判所 - Courts in Japan