見出し画像

かたい殻のやわらかい中身

同じ映画塾に通う人たちの中に、1人だけ元々知っていた子がいます。
彼女と初めて会ったのは4年前。同じ舞台で共演をしました。役柄的には、私が劇団の若手舞台女優、彼女は私の所属する劇団のやり手の演出家。実年齢は9つ下なのに、役では信頼を置いてるお姉さん、という存在。本当なら私が出来たほうが良い役()
まあ色々あったのですが、当時の私が抱いていた印象は"苦手だな"でした。
芝居に対してあまりにも真っ直ぐすぎて、情熱の行き場を求めてぐるぐるしてる様子がとても危うくて。近付いたら自分が彼女の期待に応えられるだけの技術も熱も持ってないことに傷付くのがわかってたから怖かった。納得させられるだけの語彙も持ち合わせてなかったので、"若いから"言葉では伝わらないかもと自分に言い訳をして、向き合うことから逃げました。言うて私もまだまだ未熟な人間だし、でも役者だし、でも未熟だし20超えたら大人になれるとかそんなの幻想じゃないですか?あのときはあれが最良だった。
人間的には分かり合えないな、と思っていたけど、でも板の上ではしっかり信頼してた。そこまで関係性を深めるために掘り下げたり擦り合わせる会話しなかったけど、役としても何より役者として信用できると思えたからだと思う。

前置きが長くなったな。いやこれは前置きなのか?
読み物というか自分の整理メモなのかもしれない。

なぜこんなことを書きたくなったかというと、なんだかんだで今は距離が縮まったと思ってるからです。長時間話す機会が何度かあって、濃い話を結構してるんですよね。馬鹿なことも山ほど話したりして。
4年前と抱く印象、というか根っこはあんまり変わってない。苦手ではあると思う。でもこの苦手は4年前とはまた違って、なんと言ったら良いんだろう、悪い意味じゃなくて。
授業が被るのは週1くらいだけど半年近く一緒の空間で見てきて、物凄く羨ましいんだろうなと思った。自分が持っていないものを普通に目の前で見せられている感じが。何も持ってない持つ努力をしてないからこその、嫉妬なのかもしれない。人としての憧れかな。私は自分に未熟な部分が多くてすぐ人に色んな感情を抱いてしまう。

「あの頃の自分を知ってるからまいさんに見てみてほしい、面白いから」って、彼女の卒業制作の映画のドキュメンタリーのURLをもらいました。
それがこれを書きたくなったきっかけ(本題までが長い)
なんかねえ、それがすごくて泣いちゃったんですよ私。真夜中に。ここが評価された!ってとこは自然に涙が出たし、4年前の姿と重なって。
後悔ではないけど、あのとき酷いことをしてしまったのかもしれないなと、思うところがあって。私はその作品ではなく、舞台で関わってた、それだけなんだけど。
交流を諦めないなら、これからはちゃんと関わっていたいなと思って。今からでも。
自分の抱えてる問題に改めて気付いたような感じ。信じたいのに、どうしても対面する人間のことを信じきれなくて、怖くて予防線を張って引いてしまう。そんな部分。


画像1


今4年前の役を演ったら、また違うんだろうなあと思うと少し楽しくなる。
あの時あの関係性だったからこそ良かったのかもしれないけどね。
まだ自分に覚悟や自信が足りない面があるから戸惑いそうになるけど、彼女とお芝居やるのは楽しいです。
迷惑だろうけど、これからも勝手にぐるぐるした感情を持ち続けて一緒にやっていきたい。好きとかってより、人として愛しいんだな。

貴方の元になにかを届けられるような、何者かになるためにつかいます。 今のところは塾への交通費になるかもしれない←