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フードコートステーキ 2022/06/12

・フードコートでよく見る、鉄板がジューーー!ってなってるステーキのようなアレが好き。

妙に明るい蛍光オレンジのトレイに、円形の油ガードの紙に囲まれて、肉が焼ける音と匂いを辺りに巻き散らせるやつ。


「俺は今からステーキを食べるんだぞ」と周りに宣言して回っているかのような威圧感。

まああんな高温の鉄板をトレイに乗せて人混みの中を歩くんだし、音で注意を引く面もあるのかな。

それと同時に宣伝にもなるだろう。あの音と匂いを間近で感じてしまうと、それまでうどんか蕎麦で迷っていたとしても口がステーキの口にならざるを得ない。


色々ひっくるめて、フードコートのステーキが好き。



・子供の頃はフードコートでご飯を食べる時はステーキ一択だった。
どれみちゃんと同じくらいステーキが好きだった。
いやお寿司も好きだった。どれみちゃんには勝てない。


というのも地元のスーパーにはフードコートなんて大層なものはなく、潰れそうで潰れない閑散としたファミレスのみ。

フードコートがあるようなショッピングモールなんて車で2時間半ほど走らなきゃ行けない都市のイオンにしかなかった。
なのでフードコートでご飯を食べられる時は家族旅行の時。
フードコートってだけでテンションが天井まで上がる子供だった。


・母親から1000円札を渡され、好きなところで買っておいでと言われる。
好きなところと言われても、もちろん行くところは決まっている。ステーキ屋さん。だいたいペッパーランチ。


当然ステーキも好きなんだけど、あの熱々の鉄板を持って歩きたかった。
都会に行かないと出来ない体験の1つだと思っていたので、相当な憧れがあった。




・大人になって都会に住んでいるとせっかくの家族旅行でなんでフードコート行くんだよと思ってしまうけど、当時の我が家にとってはご馳走だったんだよな。

子供の昼食に1000円もかけてくれるのって相当太っ腹だよ。
一家で好きな物のジャンルがバラバラだったし、時間もあまりかからないし、何より子供が喜ぶし。
フードコートで済ませてくれてありがとうな……。





・木曜に用事があってグランベリーパークに行ったついでに、夕食をフードコートで食べた。(金曜日もグランベリーパークに行ったが)(日曜日も行く)

1人でご飯を食べる時は極力安いものを選んでいるので、ミスドのドーナツかマックでいいかなと思っていた。


どこのお店にしようかと物色していると、熱々の鉄板を持ち、肉の焼ける音と匂いを振り撒きながら歩くどこかのお父さんとすれ違った。

それで完全に誘惑されてしまい、ステーキ屋の店頭にフラフラと吸い寄せられた。




・そこまで持ち合わせが無かったので、鉄板を使った商品で1番安かった「グランライス」を注文。

お値段780円。これでも1人飯にしてはかなり贅沢してる。
子供の昼飯で1000円渡してくれる両親の懐の広さを思い知った。

牛ひき肉とライスをステーキソースで炒めたような感じ。
正直、味は想像通り。

ただ鉄板を持って席まで歩くのが楽しかった。

わざと遠回りして他の客の近くを通り、音で誘惑する。
他の客の視線が気持ちいい。お前もステーキの口にしてやろうか。
牛肉が焼ける匂いを浴びながら、敢えて遠い席まで歩いてフードコートステーキを堪能した。



・ステーキじゃないけど、トレイに鉄板を乗せて歩く体験を久々に出来て良かった。
こんなことで親の偉大さを再確認出来るとは思わなかった。

もしもの話、将来の自分に子供ができたらフードコートに連れて行ってあげたい。
自分の子供ならフードコート好きだろうし。
その時にはかっこよく1000円渡せるようになりたいな……。

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