新居の苦悩
引っ越しをして、新居に住み始めた。それなりに気に入って決めた新居だった。大学までの利便と新宿までの利便、それなりに家具がついている、リノベーションを経て綺麗な内装。収納スペースがそんなにないのが難点だったが、狭いところが好きなろきちゃんは新居に対してもかなりワクワクしていた。あー楽しみだ。新居での生活すごく楽しみだ。
期待はあまりにも見事に裏切られた。収納スペースが無さすぎて段ボール2つ分がもうどこにも、どうしようもなくなってしまった。いや、それならそれで良いが、炊飯器とレンジは直置きだし、食器の置き場はない。収納が思ったよりも小さかったし、ろきちゃんの持ち物は思ったよりも多かった。いや、このぐらいならnoteにわざわざ書こうとは思わない。初日から問題が発生した。お湯が出ない。備え付けの洗濯機が壊れている。ベランダの錠が壊れている。郵便受けのパスワードを大家さんが紛失したために郵便受けが開かない。久しぶりにイライラして、少し大きな声を出してしまった。
新居はガスではなく、温水器で水を温めることでお湯を得ることが出来る。大家さんがその温水器の操作をしてくれる約束だった。そんでいざ、お湯を使うとなったらお湯じゃなくて、水しか出ないどころではなく、水すら出なかった。そのことを、大家さんに報告しても「いや、そんな訳は…」といったところ。そんな訳あるんですよ。ろきちゃんの部屋に来て、温水器の機械をいじっても何も解決せず。「おかしいなぁ」と言う大家さん。結局お湯が出ないまま、新しい街に詳しくなく、引っ越しで疲れ切ってしまったろきちゃんは、初日から水シャワーを浴びて、次の日少しだけ体調を崩した。
新居には、洗濯機が備え付けてある。前の家も家電備え付けだったのでちょうど良かった。しかし、初日に洗濯機を使おうとしたが、洗濯機が…動かなくはない。動かなくはないけど、明らかに回っていない。水は溜まるが、泡立たないまま水が捨てられた。衣類を水に漬けただけだった。備え付けの洗濯機、ろくに使えないの?嘘でしょ。そのことも大家に報告した。
「いや、設定の仕方悪いでしょ」
「でも、モーターこれ回ってないですよね」
「回ってなくはないけど」
「弱いですよね」
「確かに。じゃあ、こちらで予算の範囲内で新調します。出来るだけ、モーターの回転が速いやつにしますね」
ろきちゃんクレーマーじゃないのよ。あたかもろきちゃんがモーターの回転数多いのが好みだから、新しく買ってあげますか、みたいな感じじゃないか。「申し訳ない」って言ってくれよ。
しかも、ベランダの錠が壊れていて、ベランダの窓が閉まらない。結構寒い。壊れていることは内見の時に知っていた。でも、直しとくって言ってたもん!大家が直さないとは思わないやん、そして、郵便受けのダイヤルのパスワード。管理者がパスワード忘れるかよ。上の方から手が全く入らないんよ。一体何重苦なんだよ、ろきちゃんの新居。
何はともあれ、ろきちゃんは今。郵便受け壊れで郵便物を受け取れず、ベランダと部屋の境がなくなっており、洗濯できず、夜は水シャワーを浴びている。引っ越し1週間経ってないんだよ。
昨日、大家に電話したら、大家が電話料金滞納していて電話が繋がらなかった。まじでなんやねん。
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