不用意に出世してしまった。こんなはずじゃなかった

出世レースの先頭を思ったより長く走ってしまっている。こんなことが継続するはずがないのだから、戒めとして本記事により自身の慢心の歯止めとしたい。

出世の道は早々に閉じられる予定だった

今の会社に新卒として入社してから10年。最大の壁は新入社員時代だった。相性の悪い上司からのパワハラ、徐々に崩れる精神、当時の彼女との別れと自尊心が粉々に砕け散った時代。仕事も上手くいかず、悶々とした日々を過ごしていた。

それでもなんとか生きてこれたのは、その間に起死回生の努力を行ってきたとかでもない。ただの偶然だ。生きるために仕事をしていたら、人格者の上司たちがどうにか私を使いものになるようにしてくれた。

自身の状況的に、この会社では芽が出ないだろうと悟ったのが6年目。サラリーマン生活に依存していると出世レースという再び自尊心を砕かれるイベントがやってくる。そこまでに副業による身を立てることで、外の世界に存在意義を見出そうと考えた。

7年目。死ぬほど忙しい部署に配属された。副業もどうにか準備を進めたがどうにもならなかった。

8年目。副業を収益化できないまま最初の昇格試験を迎えた。このタイミングで昇格するのは30%。2/3は落ちる。終わったと思った。自尊心を守る準備ができていない。まだこの会社からNOを突き付けられる準備ができていなかった。過去の成功体験で培ったプライドはいよいよもってここで折れてしまう。その時の自分の姿が想像できすぎて、憂鬱な日々を送った。

ただ、私は昇格した。同期たちもなぜあいつが、と思っている気がする。私自身も相対的に他者より優れている点を挙げることは難しい。未だに不可解だ。

そして10年目。2度目の昇格試験がやってきた。このタイミングで落ちれば出世レースの先頭からは外れる。既に1度昇格している身としては、正直なところここで落ちておくべきではないかと考えていた。この快進撃は未来永劫続くわけがない。どこかで落ちるのだから、プライドを積み上げる前に落ちておくべきだ。前回昇格時に養った自尊心がまだ残ってる。ここで落ちておけば相殺だ。そう思った。

そしてまた昇格した。この時点で出世レースに残っている同期は20%程度しかいないように思う。完全に出来過ぎだ。器じゃない。だが自尊心が満たされていく。会社へのコミットがどんどん強くなっていく。依存が深まる。不安が膨れ上がっている。

出世を諦める前提のキャリア設計が崩壊

前述の通り、大企業でのほどほどサラリーマン生活+副業により身を立てる予定だった。そう決めてからは飲み会もほどほどに、常識的な範囲で好き勝手発言してやりたい放題した。社内政治なんて一切やらない。社内人脈なんてない。想定外だ。

給料を見ると、年収は(時間外手当込みだが)1,000万に到達しようとしている。これは就活を志したときに40代半ばにこの金額に到達できることが理想だと考えていた水準だ。今月で32歳になるが、想定よりもだいぶ早い。

本業コミットへの迷走

かといって、本業にコミットできるかといわれるとそうでもない。そもそもコミットできる要素が何なのか、という点に立ち返る必要がある。稼働にまかせた人的資本の大量投下は継続的に行ってきたものの、私は事務系総合職。会社の都合であちらこちらに飛ばされる人材だ。つまり、人脈を持って社内調整することが期待されている主な役割である。その経験が乏しいのだから、コミットする道がないのだ。

唯一、私は資料作成とデータ分析(もどき)が所属部署のメンバーより得意だった。プロには適わないが、素人から見たらセミプロ扱いはしてもらえる。この武器だけでここまできた。だが次はいよいよ管理職。いよいよ個別スキルだけで自身の尊厳を支えることは難しくなってきた。

承認欲求と心理バリアの狭間で

とんとん拍子にうまく進んでいるサラリーマン人生。再三になるが、これからどこかで挫折を味わうことは確実だ。これだけは間違いないのだ。であるならば、はじめから逃げ道を作っておくことが重要。これも間違いない事実だ。

一方で、挫折するにしてももしかしたらいいとこまでいくのでは?というスケベ心が私の心を掴んで離さない。いいとこまでにいくには、自分のパーソナリティに反することも増えてくる。そうすると自分が削れていく。それもわかっている。

唯一の道筋は一つ。社内に依存しないスキルを高め続けることにあると思っている。うまくいけば会社に居場所を残しておけるかもしれないし、逃げ道を拓く芝刈り機になってくれるかもしれない。ただただ学び、高めておく。

お前は人間力では戦えない人種だ。別の武器で逃げ道開拓の準備だけは怠るなよ。


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