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Kickstarter(キックスターター)の落とし穴。5:量産の罠

成功してしまったキャンペーンで一番恐ろしい落とし穴は「量産」でコストが安くなることです。この罠にかかって、2度とKickstarterの世界に戻って来れなくなった人も沢山いると思います。

具体的に話します。例えば500人のバッカーから200万円のファンドが獲得できたとします。リワードの製作数は500個+αで大丈夫ですが、見積もりを取ると500個の製作費が1個3000円×500個=150万円だったとします。送料などを考えなければ50万円の利益が残ることになります。でも見積もりをよく見ると、1000個作った場合は1個2000円×1000個=200万円となっていました。これがコストの量産効果です。500個発送に使ったっても手元に500個残ります。4000円の販売価格として考えると、手元に4000円×500個=200万円ぶんの商品が残るわけです。単純に考えると、量産効果で50万円の利益が200万円に膨れ上がるわけです。

これは一面正しいのですが、ここに大きな落とし穴があります。利益の200万円は在庫の商品を全て別に販売した時に生まれる利益です。反対に考えれば、1個も売れなければ利益は0(ゼロ)となります。

もしあなたが優秀な営業マンだとして、全て売れたとしてます。でもまってください。500個もの商品を定価でそう簡単には全て売りつくすことはなかなかできません。良くて1年かかるかもしてません。その間商品を保管しておく倉庫を借りたとすると、月額賃料10万円の倉庫を12か月借りれば120万円の費用がかかります。

経営者ならよく分かるとおもいますが、バランスシート上、在庫は利益ですが、現金ではありません。

最終的に不良在庫になって処分すれば、損失になります。

Kickstarterで予想以上に成功してしまったときは、経営者としての手腕が問われることになります。くれぐれも目先の利益にに騙されないようにしたいものです。

人間目先の利益、誘惑にはなかなか勝てないですよ。

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