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bookmark の後に

2022年11月5日
bookmark を開催した。

logueから地域へと発信する初の企画。
訪れてくれた皆さんと映画『ちづる』を共通体験にして、
考える場をつくりたい。
あらためて、ここから言葉を紡いでいきたい。
そんな願いを込めてつくりあげた日。

bookmarkをきっかけに、logueに集う人たちがいて
それぞれの時間が再び交わったり、新たにつながったりと
確かに、あの日あの場所にはたくさんの言葉があった。
言葉が生まれるその背景には、考える行為がある。
映画を観るひとりずつの表情が物語っていた。

『ちづる』監督の赤﨑正和さん、上野原で活動しつづけてきた家族会「夢らぼ」の米山しずかさんとのトークセッションは、お客さんとの会話も楽しみながら、双方向にリラックスした雰囲気で進んでいった。
オンラインでもたくさんの人が参加し、「これから自分に何ができますか」というメッセージも届いた。何か特別なことではなくて、関わり続けてほしい。3人だけではなく、その場にいた皆で奏でたセッションは、力強くも優しい音色になっていった。

赤﨑さんも、しずかさんも、僕も
自閉症のある家族がいるということは共通項ではあったが、
自閉症そのものの理解を目指しているわけではない。
ましてや、“当事者”や“きょうだい”という限定的なカテゴライズの中で
何かを定義したいわけではない。シンプルに、「障害」について考え続ける登場人物を増やしたいのだ。
答えではなく、問いを置いていきたい。

special thanks…
☆上野原市役所政策秘書課の皆さん
すべて手作りの企画ゆえ
椅子や映像・音響機材など、自主上映会に必要なものを全て整えてもらえたことで、安心に包まれながら進めていくことができた。
リーダーの水越さんの
「上野原のために行動してくれているんだから、僕たちが支えなきゃ」
という言葉がどんなに心強く、勇気づけられたことか。
logueが始まる前、空き家バンクの相談に行った日から、加藤さん、臼井さん、皆さんにずっとサポートしていただいている。
これからも地域を共に描いていけたら嬉しい。

☆チラシを置いてくれた商店街の皆さん
突然の訪問にも笑顔で応えてもらい、誰かに想いを伝えることが苦手だったメンバーの大きな一歩になった。
僕自身、幼い頃に祖母に連れられて上野原の街をよく歩いたものだ。bookmarkのチラシが店先に貼られていく光景と、つないだ祖母の手の記憶が重なっていった。あれ以来、そしてこれからも、この街の歴史をつくり続けてくれている先輩方にただただ敬服するばかりである。

☆カフェ ルール・ブルーの川嶋さんご夫妻
当日連絡をいただき、最高のサプライズプレゼント
最終上映会後、トークセッションのはじまりのタイミングに駆け付けてくれ
特別なエスプレッソをふるまってくれた。
実は、logueの珈琲にはテーマごとにプロデューサーがいて
prologueは川嶋さんにお願いしている。
(このストーリーについてはまたあらためて書きたいと思う)
「事前に伝えちゃったらサプライズにならないでしょ」
少年のように笑う川嶋さん。
いつも背中をさすってもらったり 押してもらったり。
立ちのぼる珈琲のあたたかな香りが優しかった。

☆夢らぼの皆さん
logueがスタートして間もなく、夢らぼの皆さんからご寄付をいただいた。
「夢らぼ」は、上野原に安心して生活できる場所をつくるべく活動してきた、障害のあるお子さんとその家族の会だ。
正確には、logueができた時には既に夢らぼは解散していて、
こつこつと皆さんで集めてきたお金を、障害福祉に携わる機関や施設に託しているということだった。この想いのバトンを受け取った時、夢を終わらせず、必ずその続きを描いていこうと強く思った。
だから今回のbookmarkは、夢らぼとの「共催」という形をとった。上野原という街のいたるところには、夢らぼをスタートした親たちの意志、積み重ねてきた家族の歴史がある。
11月5日は1ページ目ではなく、誰かが大切に読み継いできたその続きなのだ。


あれから1か月が経った。
ちょっとだけ休憩もできた。
次回のbookmarkに向けて、既にいくつかのアイデアも生まれている。

少しずつ、少しずつ、描いていきたい景色が広がっている。


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