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コーチングを免罪符にしたプロコーチの話

8才の、小2のコトバ。

こころがざらざらしていたいのあといろがあおかみずいろなの

チッチに何かを気づかせ、思い知らそうとなどしていない、ただただ素直さだけがつまったミチカの言葉。多くの言葉をまだ知らない、ただ、君の中の世界の言葉をかき集めて組み立てた、加除修正がまったく必要ない純度100%の君の言葉。

チッチは、この言葉を糧として背負うことで、時に、切なさに包まれたい時にこの事件のことを思い、君が大人になるにつれ変化していく君の表現を赦し、どんなに成功し僕が無敵になろうともいつも隣に取り返しがつかなくなるかもしれない危険をはらんでいることを恐れ、ただただ、ミチカとサトミとチッチ3人で築き上げていくシアワセを素直に受け止めながら生きて行けるような気がしているのだよ。

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地方公務員として22年間組織の中で働いてきたチッチ。相手とのコミュニケーションは、大抵の場合、自分が持っている答えが正しいと思い、言い聞かせ、言い負かし、納得させ、それでも自分の気持ちが納得しない時には、ダメ出しし、相手に至らなさを痛感させることで成立させていました。住民を相手にした時でさえ。

(成立…してなどいないのですよ。正しくは当人がそう勝手に思い込んでいただけ。)

天狗になっていました。「自分はデキる!!」
仲間にも散々ヤな思いをさせたはずなのに、盛り立ててもらって、調子に乗って。

自分の性格に100%酔って、囚われていたチッチは、後に勉強することになる性格心理学において、最高の(ダメな方の)モデルケースになるのです。露骨すぎたせいで、反面教師として自分と向き合った後の理解のスピードが半端なかった!

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ただし、この天狗無双状態で8才のミチカに対峙してもあの事件は起こり得なかったのだけれど。

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地方公務員を退職したチッチは、研修講師になるために勉強を始めます。知識として手に入れたものは、①コミュニケーション論、②コーチング、③性格心理学。
この分野で、数多くの講座をこなしいっぱしの研修講師になりました。
研修講師を経て、現在の成功体験請負人に。
(研修講師から成功体験請負人になったお話はこちら↓)

地方公務員退職後の3年間で学んだことは、衝撃の連続でした。得た知識は、ビジネスパーソンとしての20年以上のキャリアを根底から反省させ、後悔させ、相手のための本来のあるべき状態と、できたかもしれない相手とのコミュニケーションの最良のゴールの形を知らしめてくれました。

同時にその知識は、父親として夫として、友人としてという私人としてのチッチのあり方にも大きなヒントと、気づきをくれることになります。そしてそのあり方は、性格心理学で立証されているチッチの性格の囚われ「人と違うことで特別でありたい自分」によって、客観的な目を失うことになります。

学んだことが万能であり、シアワセへの気づいていなかった新しい扉を『私だからこそ』開くことができるはずだ!

別な無双になれると信じ取り組んだ3つのこと。
問いかけの姿勢を大切にしよう。
親として「あーしろ、こーしろ」と私は言わない、別な方法で。
相手の気づきを大切にすることこそが最良のコミュニケーション。

これをやることで、最良で最高の父親になることができる!

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そうして、こんな会話がミチカとのデフォルトに。

ミチカ「今日めっちゃ笑ったんだよ!」
チッチ「ヘぇ〜いいじゃん、笑ってどんな感じだった?」
「うん、楽しかった!!」
「明日もそうだったらどんな感じ?」
「うん、楽しい!!!」
「いいね〜」
「ていうか、何があったか聞いてくれないの?」
「おっ、聴く聴く!聴かせて」

隣の家族が聞いていたら、なんて思うでしょうか?
話したそうにしてるよ“ちゃんと聴いてあげなきゃ!”
そう、その視点がチッチにはまったくなかった。

(コーチングの訊くスキルを使って子育てしている俺って最高!!)

私の関わり方は、コーチングでお金を稼ぐプロとして、このやりようで“大事な娘と特別なコミュニケーションをとることができる”と、悦に入ることで気持ちいい自分がいるという、本来誰のためのコミュニケーション?状態に。

勘違いしていた点は5つ。
①コーチングのスキルを使ったコミュニケーションが良品だ
②コーチングのスキルを使わないコミュニケーションは駄作だ
③良品なコミュニケーションは娘の成長を良品にする
④これをやっている僕らの未来は特別なものがある
⑤ミチカもいつか気づきシアワセに思ってくれる

聞こえることのなかった君の声は3つ。
①話初めの楽しさや気持ち良さがなんで消えるんだろう
②チッチに聞かれると頭がぐるぐるってなる
③チッチに答えられない私ってなんかよくないかも

で、事件がおきました。

あの日、放課後から夜にかけて、3時間余りのミチカと2人での時間の間に何気ない(今となっては、チッチだけが“何気ない”と思っている)会話が、少なくとも3度ありました。しかもその会話によって、正直に言うと、会話のゴール(これもチッチが勝手に設定しているもの)にたどり着かないミチカの有様にチッチはモヤモヤしていたのです。

そう、ミチカの中には父親なら気づくべき3つの苦悩が渦巻いていたと言うのに!
しかも、チッチのモヤモヤはちゃんとミチカに伝わっていた!

おやすみ間際になって、やっと何かを察したチッチは、ミチカとサトミふたりっきりにするため「おやすみ」の言葉を残し別室へ(この“察した”でさえ、もはや誰のためだったか思い出したくもない状態)。その夜のミチカの気持ちと言葉をチッチは翌朝にいつもの(と思っていたのはチッチだけ)平日の朝をコンプリートした後にサトミから報告を受けるのでした。

チッチが別室に行ってから、シクシクと泣き出したこと。
言葉にしたいけれど言葉にできないことを苦しんでいる様子だったこと。
自分ではどうしようもないことと闘っているのか、苦しんでいるのか。
そんなミチカがやっと絞り出した声は、「ケータイ」。
そして、サトミのスマホのメモ機能に「こころがざらざらしていたいのあといろがあおかみずいろなの」

サトミいわく「わかって欲しかったのだと思う」

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このことで、“言葉にできない”を思いっきり体感しました。そして、そうなると思考や気持ちやそういうものが停止してしまうのだということも。
やっと動き出した後にも、しばらく“ぐるぐる沼”にはまり込んでしまいました。

なんだ?コーチング?くだらん!
プロコーチなんて調子に乗っていた自分はクズ!
それを商売にもっと稼いでいる人たちは…表現もしたくない!(他人にも飛び火)
みんなこういう目にあってるに違いない。

あぁ、ミチカしんどかっただろうなぁ。
ごめんね、ミチカ。
本当にごめん。
何が成功体験請負人だ!!

ぐるぐる、ぐるぐる…
で、抜け出せました、沼。

(そこには、いつものミチカがそばにいてくれました。)

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大切なのは、ただただ知ったスキルをいかに使うかではないのですね。

あいてをおもいあいてのしあわせのためにつかう

コーチングも、コミュニケーション論も、性格心理学もとてもワクワクするし、素敵だし、意義深いもの。正しく使えば、より多くの人たちとよりよく関わることができる。チッチは、これらのプロとしてこれからたくさんの大切な人たちのシアワセのために使っていくよ。

「こころがざらざらしていたいのあといろがあおかみずいろなの」
チッチはこの経験で、大切なひとの発信する黄色信号を感じることができるようになったのだと思う。だからこれからは、一人でも多くの人たちに(勿論ミチカにもサトミにも!)ココロの痛さとは真逆のものと、その人たち一人ひとりのシアワセな色を届けることができるのだと思う。

そうするよ。

約束します。

だってチッチは、成功体験請負人だから!
ありがとう!!!!


最後までお読みいただきありがとうございました!あなたのココロに波紋を起こせたとしたらとてもシアワセです。次の記事も楽しみにしていただけるとしたら、そりゃ、もう、頑張ります!!