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徹夜をしたからって偉いわけじゃない。

ついに明日7日に政府から「緊急事態宣言」が東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪、兵庫、福岡の7都府県に出される。言い方は悪いがようやくここまできた。

東京や神奈川、千葉はここ数ヶ月ずっと「非常」で「緊急事態」だった。

「緊急事態宣言」より「東京五輪開催延期」の方がこの政府にとっては重いものだったようにも感じる。

つい数週間前までは東京2020を延期するか否かを決めかねていた。

東京五輪の延期を発表したとき、海外メディアから「能天気だ」と批判されていたが、本当に能天気だなと私自身も感じた。

人が死んでいる。ウイルスは世界中に広まっている。なのに、世界各地から人々を呼び寄せて国際的なイベントを開催するかどうかを考えていたのだ。

おかしな話だよな。

4年に1度の催しより、今生きている人の命、健康、日々の生活の方が圧倒的に優先される事項なはずだ。そうであるべきだ。


疑問点としては、「緊急事態宣言」なのに期間が1ヶ月と限定されていることだ。

1ヶ月で状況は回復するのか?

単純に比較はできないだろうけども、2月〜3月の1ヶ月間で状況は悪化した。3月〜4月の1ヶ月でさらに状況は悪化した。

なのに、4月7日からの1ヶ月間で、突然事態が急に好転するのか?

そんな奇跡みたいなことが起こるんだろうか。


少し前のNHKの特集記事が気になった。特に冒頭部分だ。

新型コロナウイルス対策の要として、厚生労働省内部に設けられた通称「コロナ本部」。官僚たちは不眠不休で働いていました。また、自治体の保健所でも、想像を絶する事態が起きていました。対策の最前線をルポします。

「官僚たちは不眠不休で働いていました。」
もちろん、徹夜が辛いことも知っている。この状況下で休みなく働いている人たちには敬意を表する。しかし、官僚たちだけが不眠不休で働いているわけではない。

徹夜をしたからって偉いわけじゃない。

不眠不休で働いていることを賛美してはならない。

なぜ不眠不休で働かなければいけなくなったのかを考える必要がある。

過去には戻れないから今後反省するしかないのだけれども、どうしても、「クルーズ船のときの時点でもっと真摯に対応していれば、こんなことにはならなかったのではないか?」と思ってしまうのだ。

クルーズ船で感染が広まったとき、専門家や研究者たちは自分たちのできることをやろうとしていた。しかし、厚生省の副大臣をはじめとする政治家たちは研究者の見解や意見を真摯に受け止めはしなかった。中国や韓国がひどい状況だったときにも他人事のようだった。政府はウイルスよりも東京五輪のことで頭はいっぱいだったとも言える。

初期の対応がずさんだったことは疑いもなく事実だ。

その結果が、今の「不眠不休の官僚たち」なのではないのか。もっと最初からいろいろな対策をしていれば、「不眠不休で頑張る人」のアピールなんてしなくてもよかったのではないのか。


誤解を恐れず言うとすれば、

不眠不休で頑張っていても事態が改善されなければ働いていないのと変わらない。

特に政治の場合ではそうだと私は考えている。例えば、お肉券やお魚券、旅行券をどうするかをこんなときに熟議して論議して発給のために頑張っても、ウイルスの猛威を止められず人々も疲弊してしまったらなんの意味もないのだ。

0時を回ってしまった。書くのはここまでにしよう。


2020年4月7日月曜日。

よく晴れた午後に近くの桜並木を自転車で見に行った。祖父母の家に行ったが、少し前まで人の多いところで生活していたこともあって、玄関から大きな声で挨拶して5分もしないうちに帰宅した。また来るね!と言ったから、もう少ししたら行ってお茶しよう。

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