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2023年10月の日記。

11月も11日経ってしまったが、10月の日記だ。
あっという間にハロウィンも終わってクリスマスの準備期間に突入してしまっている。相変わらず、毎月何かの締め切りに追われる院生LIFEを送っている。


院生読書会:ブリュノ・ラトゥール『社会的なものを組み直す』

10月からブリュノ・ラトゥールの『社会的なものを組み直す:アクターネットワーク理論入門』をコツコツ読み進めている。

学部生の時からラトゥールの本はよく買っていて、自宅本棚には『虚構の「近代」』諸世界の戦争』『法が作られているとき』『近代の〈物神事実〉崇拝について』と今回の『社会的なものを組み直す』がある。全部を理解しているわけでもないし、修論で援用しようかと思っていたけど上手くできず、たくさん読んだ割には私の心の栄養にしか今のところなり得ていないところではある。

しかし、やはり読書会というのはとてもいい。
参加者の同僚らと今の研究を事例に取り出して話し合うことで、これまで心の栄養までにしかなれてなかったものが、「あぁ、こういうことだったんだな」「ラトゥールの考えてたことは私の研究のここら辺と該当しているんだろうな」と感じられてくる。どうやら、私の中で理解が深まっているようだ。

この『社会的なものを組み直す』は発売された当初からよく取り上げられて、いろんな人がブログで感想や要約を書いていたりするのだが、おそらく第二部からが難しいか長すぎて読んでないかで、それらでは第一部のところだけが取り扱われているように思う。確かに第一部が分かればそれだけでも十分でいいのだが、勘違いを起こさないためには第二部も読み込む必要があるだろう。
11月からは第二部に突入するため、引き続き楽しく読み進めようと思う。

研究発表会への参加

9月末も研究会で発表したけど、10月末も違う研究会で研究発表をした。
今回もとても刺激的であった。
私の専門は人類学ではあるが、人類学は自分の研究が関係している領域であればそこが医療系の学会だろうが、生物学だろうが、哲学や宗教学だろうがどこへでも出かけていくもので、今回私が10月に参加した研究会は人類学や地域研究とは全く違う領域のところだった。

大変光栄なことに興味を持っていただけた。
また、その分野の専門家に関係する情報を提供してもらったり、私の誤認を訂正していただいたり、人類学では指摘されない部分をお尋ねいただいたりでいい発表会になったと思う。研究会後の懇親会には、その分野の本屋さんともお知り合いになれ、なかなか入手が難しい本も探していただけることを教えてもらった。

小さな研究会だけあって、かなりのアットホームで皆さんに応援してもらえた。
今回の発表も早速、論文化してどこかに載れるように引き続きがんばろう。

「研究成果は会話の数に比例する」

TwitterのTLを眺めていたら流れてきた言葉だ。

The fruits of your research are proportional to the number of your conversations with others. 
研究成果は会話の数に比例する。

毎日毎日研究室に行っては、最近の出来事に応じた雑談をする。
申請書も研究計画書も論文も書き進めながら、指導教員に怪文書レベルの文書を送りつけては面談をしてもらう。研究会の準備をしながら資料を見返しては、思いついたことを近くにいる人に話してみる。

研究会に行ってはいろんなコメントをもらい、質疑応答でいい返答はできなくとも現状わかっていることを話す。わからないことはわからないといい、もし会場に補足ができる人がいればその方の助言をもらう。
懇親会に行っても引き続き最近の研究状況と発表会で触れられなかった部分を話したり、研究までの経緯や今後の計画なんかも話してみる。

誰かに面白い研究だなと気がついてもらって、私のやっていることが物として完成するまでこれの繰り返しだろう。「また同じ話してるな」と思われても、研究を進めるためには、いろんな人と会話し続けることなんだろう。

話すのをやめたときは研究をやめたときかもしれないな。
恥ずかしがらずさっさと書いて出す・話すに限るんだろう。

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