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【韓国】国立中央博物館:充実の常設展示

先日、韓国の国立中央博物館に行った。
ヨンサン駅から近く、博物館の本館に行くまでの道のりが公園になっている。ちょうど行った日は、「快晴の春」全開の日で気持ちよく散歩もできた。
博物館の具体的な内容はこのnoteには書いてはいない。韓国に行って、明洞や観光地スポットに飽きたら、この辺りを散歩するのがおすすめだ。

国立中央博物館のアクセスメモ

【休館日】
□ お正月、旧正月、秋夕、国立中央博物館館長の指定の日
【常設展時室・休室日】
□ 毎年4月11月の第一月曜日
【観覧時間】
□ 月・火・木・金・日曜日:10:00~18:00
□ 水・土曜日:10:00~21:00
□ 屋外展示場(庭園):7:00~22:00
【アクセス】
□ バス:502番、400番
□ 地下鉄:4号線イチョン(国立中央博物館)駅
*個人的にはバスで行くのがおすすめ

常設展示

▷1階 先史・古代館、中世・近代館
▷2階 書画館、寄贈館
▷3階 彫刻・工芸館、世界文化館

今回はこの常設展示をサクッ!と見て回るつもりだった。2時間ぐらいで行く予定だったが、あまりのボリュームにちゃっかり4時間くらい滞在することになった。

展示室内はそれぞれのテーマごとに部屋が区切られている。
本気で勉強する姿勢で行くなら、「メソポタミアの部屋!」「仏教美術の部屋!」「陶磁器の部屋!」とか決めて事前に勉強した上でその部屋だけ見て回るのがいいのだろうと思う。また、博物館側もそのつもりで展示場を設営しているように感じた。

展示解説は日本語もある。ちょっと観光で行くのであれば、この展示解説の時間と合わせて見て回るほうが賢いだろう。
【日本語の解説時間】
□ 10:30~/13:00〜

常設展示室1階

感想

朝鮮時代の陶磁器が素敵だったし、世界中から集められた工芸品や家具はどれもなんとなくレベルが高く、工芸職人のような人と歴史家を連れて一緒に見てまわりたい気持ちになった。そんな中でも「こんな展示があるんだ!」と驚かされたのが、2階の寄贈館だ。

寄贈館と「寄贈文化」

この寄贈館では、国立博物館に寄贈されたものが寄贈者の紹介とともに展示されている。「美しいものは独占するのではなく、共有すること」というのは聞いたことことがあるが、まさにこの言葉を展示室全体で表現してくれているようなところだった。

展示されているものは、大企業の創業者やビジネスで成功した人、学問や芸術の大家自身が所持していたものだ。寄贈者のことを全く予備知識なしで行ったのが惜しかったが、モノからこの人がどんな趣味だったのかは一目瞭然だった。

どうやら韓国には「寄贈」「ドネーション」に何かしらの価値を付与しており、それに対して市民らも「良いイメージ」を持っているように思う。
勝手に「寄贈文化」と名付けるが、以前、大韓民国歴史博物館に行ったときにも「寄付の歴史」の展示室があった(記憶は曖昧だが、歴史博物館だったような)。
よく聞く出来事としては、韓国の芸能人たちの寄付だ。彼らは何か出来事があったり、何かの記念日などことあるごとに寄付をしている。K-popファンなら、推したちが何かに寄付をしているのを1度聞いたことがあるだろう。

日本でも芸能人やお金持ちたちは寄付活動をしているのだろうが、そこまでニュースにはならない。もしかしたら、あまりしていないのかも(知らんけど)。
寄付やドネーションに対する根本的な考え方や感じ方の違いがあるのかもしれないなと思った。

無料で入れる博物館

韓国の美術館や博物館はほとんど無料だ。
常設展示も特別展示も無料でふらっと入ることができる。
美術館や博物館前の公園ももちろん無料だ。
観光をするにもタダで入ることができるし、綺麗な庭園で散歩するのもタダだ。

日本は美術館も博物館も日に日に値上がりしている。
展示品を保護するためにはお金がかかるから入場料がかかることには理解できる。
しかし、入場料のせいで頻繁に通うことはできない施設になりつつある。
有名な芸術家の展示や話題の展示しか行かないようになるし、常設展がどれほど充実していても、特別展だけ行く、みたいなことになる。

小さい頃からよく博物館に通っていれば、博物館の周り方は体得できる。
「美術館行ってる私、おしゃれじゃん」の気持ちで美術館を見ている人でも、通えば通うほど感性やセンスは磨かれていくものだ。

しかし、気軽に行ける場所じゃなくなれば、博物館の周り方も体得することもできず、博物館や美術館で勉強することもできず、一流品みたいなものに触れることがなくなってしまうのではないか。
また、「話題の展示」は大抵の場合、商業的な展示で、そういうものばかりが流行るのもいかがなものかと思ってはしまう。

日本も博物館の常設展示くらい無料になればいいのになぁと思うばかりである。
無料になっても、学芸員さんや司書さんの給料はしっかり支払われる施設になればいいなぁ。

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