見出し画像

電気がついただけで、すごく嬉しかったこと。

「いつも通り」が壊されることが一番苦手だ。

最初からなかったらなかったで別にいい。でも、あるなら、あり続けてほしい。


昨晩、停電した。

研究室から帰ろうと片付けをしていたところだった。

廊下を歩いていると、突然、真っ暗になって、非常用の電気が点いた。


非常用の電気はオレンジ色の明かりで、いつもは白色の電気なため少し温かみがあるやや幻想的な雰囲気だった。


しかし、それは廊下だけの話だ。

研究室は真っ暗だ。もちろん外も真っ暗。光っているのは雷だけだった。


Twitterで停電になったことを呟くと、雨雲レーダーの情報とともにもう少し待ったら雷もおさまるから、少し待機しているのはどうか?と友人からメッセージがきた。

災害時はTwitterに限るな。と改めて思う。


外は雷雨が次第に激しくなっていた。

やはり、少し待機しようと思い、SNSを眺める。届いたメッセージへの返信をする。呟く。


ふと思った。

これ、自分の家も停電しているかもな。

だったら、スマホを使いすぎるとやばいよな。


暗闇の中なにもできない。

本も読めないし、SNSを見すぎると充電は無くなるし、話し相手がいるわけでもない。


こうなると、暗闇の一人反省会が開催されてしまう。

なんで早く帰らなかったんだろう?今日は何か生産したのか?進捗状況はどうなのか?だらだらしてたんじゃないのか?研究室で本当に研究してた?、、、、、

病む。

確実に病む。

一人反省会は10分くらい開催されたが、すぐ強制終了させた。


しばらくすると、雷雨はおさまった。

このタイミングを逃してはならないと思い、急いで帰宅。


時差3時間の友人から電話がかかってくる。

SNSはすごいのだ。本当に。遠く離れたところに住む人に今の状況が伝わり、それを見て心配して、連絡が来るのだ。

こちらは夜の12時だがあちらは夜の9時。

真っ暗ななか一人で歩いて帰るのも寂しいため、電話をしながら帰る。


自宅は停電はしていなかった。少しホッとした。


自分が思っていた以上に、自分の中での停電のショックは大きかったのだろう。

寝る支度をしたものの一向にねれない。眠くない。


明日も電気、点かなかったらどうしよう。

やだなぁ。

このまましばらく点かないのかなぁ。

やだなぁ。

全面復旧は13日だって言ってるしなぁ。

やだなぁ。


結局、電話をしていた友人と、どうでもいい話をLINEでし続けた。

こちらは深夜3時。あちらは夜の12時。迷惑極まりない。

当座のごとく、疲れる。時差3時間の友人に長々とLINEをし続けてしまったことを謝り、寝ることにした。


朝起きる。

研究室は電気が点いているのか?今日は大学に行っても大丈夫なのか?

とりあえず、行ってみよう。

電気がつかなかったら、暗くなる頃に帰宅しよう。

心配は尽きないが出かけることにした。


その時は来た。

大学構内の電気は全て点いていた。

エレベーターも動く。

エアコンもWi-Fiもつく。

電気もつく。


ただ電気が点いただけだ。

なのにそれがすごく嬉しかった。


電気がつくだけで嬉しい。

エジソンは偉大だ。

「明るい」は「幸せ」なのかもしれない。

そんなことを思ってしまうくらいに、昨晩の停電は悲しかったのだ。


今もなお、断水・停電が続いている地域がある。

暗い夜は心細い。

蒸し暑い夜は寝苦しい。

早めの復旧と「いつも通り」が戻ってくることを心からお祈りしている。

復旧作業をしている方々にはくれぐれも熱中症にはならぬよう気をつけてほしい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?