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2023年7月の日記。

7月末で今学期の授業は終わりを迎えた。ここの院生になって半期が終わった。

先月末から予定がある日以外は朝から夜まで研究室にいる生活をしている。本もあるしコピー機もあるしネット環境も大丈夫だし涼しいし、いろんな院生さんたちと話もできる。研究内容を聞いたり雑談をしたり、卒業生や修了生なんかもいらっしゃったりして、今月はいろんなかたとお知り合いになれたような気がする。

7月は読書会に映画上映会に研究会に盛りだくさんだった。


▶︎ 読書会

7月に参加した読書会ではジュディス・バトラーの『問題=物質となる身体── 「セックス」の言説的境界について』を読んだ。私にはなかなか手強く、ディスカッションを通して私がいろんな部分で勘違いをしていたことに気がつくいい読書会だった。

▶︎ 映画上映会

7月29日(土)には上智大学で行われた映画上映会「 適所を探してー 移住女性たちの知られざる物語」に参加した。映画は大変興味深い作品だった。

結婚により今まで縁もゆかりもなかった日本に住むことになり、仕事をしながらも子どもを産み育てるのは簡単なことではない。来日前の異国に住めるわくわく感とは裏腹に、来日後は信頼できる友達がすぐ近くにおらず誰も頼れない孤独感のなかで、自分なりに友達を探したり日本語を勉強したり子どもに自らの故郷の文化的なことを教えて過ごす。唯一の頼りは夫からの愛だが、心に穴が空いたような虚しさに襲われることもある。そんな話だ。

監督のワダワ・メイガさんは上映後のアフタートークで、これは日本でのインド移民だけでの話ではなく、結婚移民の女性を通してホスト国の課題を映し出すものであることを話していた。映画ではどうしても「インド人女性」と「日本社会」が全面に出てしまうため、日本社会の暮らしにくさが浮き彫りになり「彼女たちにどうか幸せになってほしい」気持ちになってしまうところもあった。

今これを書きながら、結婚によって地元を離れ縁もゆかりもない友達もいない土地に引っ越した友人を思い出した。つまり、これは結婚移民だけの話じゃなくて、日本国内の日本人たちの話でもあり、「私」の話でもあるのだろうな。

▶︎ 研究会

7月30日(日)は東京大学で行われた現代人類学研究会第126回「『不穏な熱帯――人間〈以前〉と〈以後〉の人類学』を共に読み解く――著者の里見龍樹氏を招いて」に参加した。

里見龍樹『不穏な熱帯:人間〈以前〉と〈以後〉の人類学』は人類学を専門にする人ではない人に向けて人類学や民族誌を届ける作品だ。
この本を通して人類学を大学で専攻する学生が増えたらいいなと思ったし、個人的には近年、人類学を多様な人に広める人類学内での活動があったように思っていて、その流れの大成功作品のひとつだと思う。この研究会自体も対面約30人程度とオンライン50人越えの参加で大盛会だったように感じた。

授業、ゼミ、集中講義、読書会、映画上映会、研究会を経てすごく今考えたいことがあるんだけどもここでは長くなるから書かないで、また次回にする。今月は考えることがたくさんあって充実の院生ライフであったことは確かだ。


今月はプライベートもなかなかの充実ぶりだった。

上旬に舞台「ハリーポッターと呪いの子」を実姉と観劇しに行く予定だったが、演者体調不良で公演中止になった。Twitterで「開演6分前の中止発表」が話題となったあの日だ。舞台まで呪いにかけられてしまい、やや悲しい気持ちだった。
演者の問題ではなく、どう考えても運営側の問題で、人間は体調不良にはなるから公演中止になってもいいとしても、お知らせが「開演6分前」なのが問題だ。
今後はどうかもっと迅速にお知らせができるようにしてほしい。

中旬には今回のnoteのトップ画像の写真を撮った、神奈川県の森戸海岸に行った。
パートナーが夏休みだったので関東に来ていて、元留学生たちと共に森戸海岸で集合した。森戸海岸で沈んでいく夕陽を眺めながら、日本での留学時代の思い出を語りあういい時間だった。時間と空間すべてに愛が溢れていたような気がした。

下旬には幼馴染らと十数年ぶりの再会を果たした。生まれたとき家が近くて仲良くしてくれていたお姉さんたちは、すっかり大人になって変わったような、昔と全然変わらないような感じだった。これまたいい時間だった。


いろんな人といろんな話をしたが、どこでも最後の結論は「健康が一番大事」だったように思う。いい休息を、ちゃんとした食事を、たまには筋トレを。おわり。

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