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本の記録:人類学と民族誌およびその周辺

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人類学に関する本の記録です。民族誌と理論書、論文等々読んだものから記録をつけています。勉強中ですので、気になったところはコメントください。
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2020年7月の記事一覧

【本の記録】松村圭一郎『はみだしの人類学 ともに生きる方法』

先日、図書館の蔵書検索で「人類学」といれると、一番最初に出てきたのが『はみだしの人類学』だった。2020年春に出版されたばかりの本だし、「人類学」を冠しているし、人気のシリーズでもあるから蔵書検索もビビッときたのだろう。しかし、その日はすでに[貸し出し中]だったため、予約をして後日借りた。 人類学への入門書、というよりは、導入本だ。これを読んでから、気になったら巻末のブックガイドを参照して入門書→教科書→→→と読み進めるといい。 読んで欲しい対象としては、まずは高校生。文

【本の記録】ジョアオ・ビール 『ヴィータ 遺棄された者たちの生』

2019年に邦訳が出版された、ジョアオ・ビールの『ヴィータ 遺棄された者たちの生』。訳者あとがきを含めると640ページとなかなかの厚さだが、読みやすさと話の展開のおもしろさであっという間に読み終わった。2007年のマーガレット・ミード賞(Margret Mead Award)にも選ばれた、秀作の民族誌である。 個人的に読んで欲しい対象者は、医師・看護師などの医療従事者、ソーシャルワーカーやホームヘルパーをしている人、医学部看護学部の学生だ。 もちろん、医療人類学をやってい