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2020年1月の記事一覧

95年生まれのティモシー。

同じ年に生まれた有名人を見つけると応援してしまう。それでもって、勝手に「私も頑張ろ!」と思っている。 最近はもっぱらティモシーだ。 ティモシーの映画やテレビ番組を暇さえあれば漁っている。 ティモシー・シャラメ、Timothée Hal Chalamet。 2017年の映画《君の名前で僕を呼んで / Call Me By Your Name》でティモシーは日本でも「今後の活躍が期待される俳優」として紹介される。 次に日本で公開される、ティモシーが出演する映画は《ストー

読書会:M. メルロ=ポンティ 『眼と精神』①

「私があなたに翻訳してみせようとしているものは、もっと神秘的であり、存在の根そのもの、感覚の感知しがたい源泉と絡みあっているいるのです。」  J・ガスケ『セザンヌ』 これは、モーリス・メルロ=ポンティの『眼と精神』の本章前に挿入されている、フランス詩人で芸術批評家のジョワシャン・ガスケ(Joachim Gasquet)の著書『セザンヌ』の引用である。 そして、本note記事のトップ画像はポール・セザンヌが1899年に製作した絵画《りんごとオレンジ》の一部だ。 今日からお

「過去への反省」と人類学。

「人類学者1人に人類学観は1つづつ」は過言ではない。 いろんな人類学者が世界中にいて、みんなそれぞれ研究場所も対象もテーマも異なる。出会ってきた人や感じてきたことがそれぞれ違うから、人類学者の数だけ人類学観があると言えるのだろう。 しかし、人類学の前提とされていることは共有しているため、研究者同士通じ合えないということではない。 人類学の草創期は「安楽椅子(アームチェアー)の人類学者」と呼ばれる、自分自身で現地調査には行かず現地のことを語る人類学者がおり、それへの批判から

何もかも嫌になっても 何度でもドアを開け続けんだ。2019年が終わる。

年末年始のテレビ番組は嫌いだ。通常営業が好きな私は、特別番組で通常回が減ってしまうのが嫌なのだ。もうテレビやめたから見るわけでもないんだが。 年末年始に観ようと映画を3本ダウンロードした。《わたしは、ダニエル・ブレイク》、《裁き》、《サーミの血》の3本だ。 わたしは、ダニエル・ブレイク《わたしは、ダニエル・ブレイク》はケン・ローチ監督の作品だ。 なんだかんだ見てなかったから、数日前にダウンロードして、電車で移動しているときに見ようとした。しかし、冒頭から「これは、電車で観