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大企業からドローンベンチャーのCMOへ#02【株式会社ACSL CMO六門直哉】

ロジ人では物流テックに分類される業界の著名人、サービスにフォーカスしていきます。今回は株式会社ACSLでCMOを務める六門 直哉さんにインタビューしました。#02では、六門さんがACSLでドローンに出会うまでについてお話しいただいています。

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<プロフィール>

▼株式会社ACSL CMO 六門 直哉氏
京都大学工学部を卒業後、ローム株式会社に入社。主に、大手電機メーカーへの半導体販売、その後、経営企画・事業企画室にて事業再編等を担当した後、2017年8月より株式会社ACSLに参画し、現職。


バイトを通じ幅広い世界に触れた学生時代

― まずは六門さんの学生時代についてお聞かせください。

勉強だけでなく、バレーボールのクラブ活動にも打ち込んでいました。アルバイトも2つ掛け持ちするなど、充実した時間を過ごしていたと思います。ほかにも京都の祇園でスナックのボーイをした時期もありました。アルバイトは好きでしたし、どれも面白かったですね。

― どのような点に面白さを感じていたのでしょうか。

ケンタッキーフライドチキンのアルバイトでは、主婦の方やフリーターの方、同じ大学生など、さまざまなタイプの人と一緒に働くことに面白さを感じていました。また祇園のスナックには、政治家や表千家・裏千家といった茶道の家元など「京都ならでは」のお客さんがたくさん訪れます。昼間のアルバイト先とは全然違った客層で興味深かったですね。昼の世界と夜の世界、異なる世界を間近で見ることができる貴重な職場でした。

― 大学卒業後は、どのような進路に進まれたのでしょうか。

卒業後は京都にある半導体メーカーに就職しました。大学では物理工学を修めていたので、開発分野に進むか悩みましたが、結局最初のキャリアとして営業職を選びました。

― なぜ営業職を選ばれたのでしょうか。

営業職であれば、いろいろな人に出会う機会も多く、幅広い世界を見られると感じたからです。学生時代のアルバイトでもたくさんの人と出会い、貴重な経験をすることができました。配属後は、営業の電機メーカーの担当として自社商品をご提案させていただいておりました。

― 学生時代のアルバイトで得た経験が社会人としての道標になったのですね。では、今のお仕事に携わるようになったきっかけはなんだったのでしょうか。

営業部の後は、経営企画部に異動し会社の事業再編や買収などを担当していました。その際に仕事を通じてACSLの社長と出会ったことが今の仕事につながるきっかけです。

― そこで今の仕事につながるわけですね。転職の決め手は何だったのでしょうか。

太田(裕朗氏、前・代表取締役CEO、現・早稲田大学ベンチャーズ(WUV)共同代表)、鷲谷(聡之氏、代表取締役CEO)と早川(研介氏、取締役CFO)に出会い、「ぜひこの人たちと働きたい」と彼らの人間的な魅力を強く感じたことが大きかったですね。

彼らと会話して「すごく優秀な人たちだな」と率直に感じました。もちろん大企業にも優秀な人はたくさんいますが、仕事を通じて親交を深めることが難しかったです。しかし、ベンチャー企業であれば、少人数ということもあって優秀な人たちと身近で働け、関わる機会が必然的に多くなると考えました。心から尊敬し合える仲間と働くことのできる環境に身をおくことにしたのです。

インタビューの様子

人に会い、わからないことを素直に聞く

― 前職の経験が生きていることや、逆に未経験で苦労したことはありますか。

もともと営業として電機メーカーを担当していたこともあり、ドローンの中身の理解には苦労しませんでした。しかし、電力会社や物流会社の知識は全くない状態でした。お客様とお話をしたり、詳しい人に聞いたりしながら勉強し、自分なりにドローンへの知識と理解を深めていったのです。

― 六門さんが、学生時代から大切にしていることは何ですか。

人に会うこと、そしてわからないことは「わからない」とはっきり伝え、素直に聞くことです。学生時代から人とコンタクトを継続することを意識していました。かつての学友たちは今、いろいろな業界で活躍しています。

仕事で知りたいことがあったときは、友人たちに会い、感じた疑問を率直に聞くようにしています。人から直接話を聞くことで、インターネット上にはないような生きた情報を得ることが、自分の視野を広げ、深めることにつながるのです。

― 大企業からベンチャーへの転職ですが、不安はありませんでしたか。

いえ、ありませんでしたね。正直に言って、学生時代は仕事で「これをやりたい」という明確なものがありませんでした。とってつけたようなものしか見つけられなかったのです。新卒で選んだ会社も「半導体をやりたい」というよりも、有名かつ利益率が高いというのが決め手でした。入社してみても実際に素晴らしい会社だと感じましたし、社内ルールや規律がしっかりしていて、大企業だからこそ学べること、勉強になったこともたくさんあります。

ただ、一方で「もっとお客様の顔が見える仕事、直接社会に関わる実感が得られる仕事がしたい」という想いもありました。半導体は電化製品と異なり、実際にお客様の手に届く一歩前の商品です。そのため、仕事の中で直接お客様と接する機会はほとんどありませんでした。その点において、現在の仕事ではドローンを通して「社会の役に立っている」という実感を直に得られていますし、自分に合うよい転職だったと感じています。

― 六門さんは、現在はCMO(Chief Marketing Officer:最高マーケティング責任者)に就任されています。会社を経営する立場で活躍するために、必要な心構えは何でしょうか。

自分の気持ちを語り、とにかく行動に移していくことです。「これをやりたいな」とか「これをやらなければいけないな」というものを溜めてはいけません。行動して、自分のタスクを早めに全部終わらせる。自分の行動を振り返り考える時間を作ることで、経営層として、上からではない、俯瞰した目線を得られます。

― 実際にACSLに入社して、六門さんの視野や世界は広がりましたか。

はい。仕事を通じてたくさんの出会いがあり、先日も急遽1週間前に決まった物流案件でモンゴルに行ってきました。と。モンゴルではドローンを活用した配送網を構築するワーキンググループが発足され、弊社もメンバーとして名を連ねています。日本国内だけでなく世界中の人と関わっていきたいですね。

インタビューの様子

ロジ×ドローンは「伸びしろ」がある

― 御社のドローンは、物流のみならず建物やインフラの点検、災害発生時の空撮など、さまざまな分野で注目されています。そんな御社のドローンが、ロジスティクスと接点を持ったきっかけについて教えてください。

私個人としても、会社としても、日本郵便様とのドローンによる配送プロジェクトがロジスティクスとの最初の接点です。私が入社する一年前に、前社長の太田が飛び込みに近い形で営業し契約に至りました。

私が最初に関わった大きなプロジェクトも、日本郵便様とのプロジェクトでした。当プロジェクトを開始したのは2015年ごろです。ACSLの設立が2013年11月ですから、創業して間もないころからのお付き合いになります。

― 六門さん自身は、ロジスティクスとの関わりはこれまであったのでしょうか。

いえ、全くありませんでした。学生のときも知りませんでしたし、前職の会社でも、物流関係で困ったときに運輸企業様に相談をするくらいのつながりしかありませんでした。

― それから実際に仕事でロジスティクスに関わるようになったわけですが、第一印象はいかがだったでしょうか。

実は、私が新卒で入社した半導体メーカーは、倉庫の管理がすべて自動化されてたんです。半導体は小さく、自動化しやすかったのもあるかもしれません。だからこそ、ロジスティクスの倉庫も既に自動化されているのが当たり前、倉庫とはそういうものだと考えていました。

ところが、自分で自動車メーカーなどの倉庫に足を運んでみて驚きました。実際は自動化以前の問題で、倉庫のどこに何を置いているのか把握できてない会社がたくさんあったのです。多くの人員で物事に対処する人海戦術に頼った対応をしている会社も珍しくなく、少し面食らってしまいました。

― おっしゃるとおり、自動化がまだまだ進んでいない会社がほとんどだと思います。

率直に言って「伸びしろ」がある、まだまだテコ入れできる業界だと感じています。だからこそドローンを導入することで、物流に関わる人達の負担を軽減する余地があると思っています。


<取材・編集:ロジ人編集部>


次回の“「考えるだけ」ではなく「アウトプット」する #03″は 2/2(金)公開予定です!お楽しみに!!

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