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道路に囲まれた公園

幼稚園の頃住んでいたマンションの近くに大きな公園があったので近所の子供たちはそこに集って遊んでいた。
今考えると恐ろしいが、その公園は四辺を一方通行の車道で囲まれている形の公園で、公園の周りにはフェンスも無いので、子供の飛び出しが非常に多かった。覚えている限り車道を渡るための横断歩道が四辺のうちの二辺にあったと思う。
2度ほど交通事故を目撃した。
1度目は、小学生ぐらいの男の子と自動車が横断歩道でぶつかったようだった。ぶつかった瞬間はみていなかったけど、男の子が自転車と共に倒れ、倒れた自転車を自分で持ち上げ体勢を立て直そうとしているところを他の子供たちと黙ってみていた。男の子はふらふらしていて、目の焦点も合っていなかった。意識が朦朧としている感じがした。男の子のお母さんがやってきて、何やってんの、と男の子に怒鳴って、男の子と自転車を引っ張りながらその場を去っていった。自動車の運転手がどうなったのは分からないけど、お母さんは警察を呼ぶこともなく、男の子をその場から引っぺがすように去っていった。
出血したり、大けがをしたりしない事故に身内が遭った時に、心配ではなくとっさに異常な怒りが沸騰して身内を責めてしまうのは経験がある。間違っていると分かっている。私は物流トラックの横をまだ小さい妹と歩いており、妹は傘をさしていて、身長も低かったからか、物流トラックの運転手が開放したトラックの扉が真下にいる妹の頭に勢いよく直撃した時、なぜか妹に怒鳴った。若いトラックの運転手は、当然気まずそうな顔をしていて、でも私はその人には何も言わず、妹に非があるかのように、妹に、なにしてんの!、と怒鳴った。妹は衝撃で声も出なかったようだった。痛かっただろうに泣きもしなかった。なぜか私はトラックの扉が当たった妹の方を恥ずかしく思った。後悔してもしきれない。
妹は大人になってからてんかんの症状が出るようになった。この時の衝撃が影響しているかもしれない。

2度目の交通事故は、事故の内容を覚えていないけど、横断歩道のある場所での事故だった。子供と自動車がぶつかったみたいだったけど、子供は救急車で運ばれたのか姿が見えなかった。40代ぐらいの男性が自動車の持ち主で、その場に立ち尽くしていた。警察が現場検証しているのを見ていた。
私はその男性に、おじさん捕まるの?と聞いた記憶がある。

その公園は今もある。なぜか最近気になってGoogle mapで写真を見てしまった。
一度まだ赤ちゃんの妹をベビーカーに乗せた母と私と近所の子供たちとでその公園の運動場のようなところで鬼ごっこをして遊んでいた。母は全員を見ることのできる木陰のベンチに座っていた。
突然二人組の警察が来た。刃物を持った男がこちらの方に逃げてきたようなのですが、怪しい人物みませんでしたでしょうか。
この公園に大人は来ていないと思った。知らないうちに通っていたのか、分からない。ベビーカーを押しながら走る母を心配しながら、急いで家に帰ったのを覚えている。

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