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女優・関水渚「王道な恋愛ドラマにもチャレンジしてみたい」

#6 関水 渚(後編)

映画『コンフィデンスマンJP プリンセス編』(2020年)、ドラマ『アノニマス~警視庁“指殺人”対策室~』(テレビ東京/2021年)などの作品で印象的な役柄を好演し、今夏放送の連続ドラマ『八月は夜のバッティングセンターで。』(テレビ東京)ではドラマ初主演を果たす女優・関水渚。
前編に続き、初主演ドラマの撮影中のエピソードや、普段の様子、今後目指していきたい姿を聞いていく。

「focus on!ネクストガール」
今まさに旬な方はもちろん、さらに今後輝いていく「ネクストガール」(女優、タレント、アーティスト等)を紹介していく、インタビュー連載。

仲村トオルさんには『関水』と呼ばれています

──共演者の仲村トオルさんと撮影中に話していて、印象に残ったことはありますか?

関水 いっぱいあるなあ。仲村さんは本当にすごく穏やかなので。一度話し始めると、すごくいろいろな話をしてくれるんです。私のことを「関水」って呼ぶんですけど、「関水」と呼ぶのを決めるのに2週間弱かかったらしく「なんて呼ぶかをすごく悩んだ結果、『関水』って呼ぶことにした」って言われて(笑)。あるとき、現場でふたりで横に並んで立っていたんですね。そうしたら「関水、座っていいぞ」って言われて。「いや、先輩が立っていらっしゃるし」と言ったら「俺は座らなくていいんだ」と。「なんでですか!?」と聞いたら「立っていると、アンチエイジング効果がある」って……らしいです(笑)。

──(笑)。仲村トオルさんは、役に入るとバシッと変わる感じですか?

関水 全然変わりますね。全然変わる、すごい……いやあ素敵です。お芝居も優しいですね、やっぱり。

──ほかの共演者の方とはどんな感じですか?

関水 ゲストで来る野球選手の方はみんな前向きなパワーがあって、いらっしゃると現場がすごく明るくなるんです。毎回(別な方が)出てくださるヒロインの方々も、深川麻衣ちゃんとは『アノニマス〜警視庁“指殺人”対策室〜』でも共演していて(前の撮影から)けっこうすぐに会えて楽しかったですね。麻衣ちゃんは、前のドラマのときはネットの誹謗中傷に苦しむ役で、今回もあんまり本音を言えないという役。そして私はどちらもズバズバ言う役なのが、デジャヴみたいでおもしろかったです。あと山下リオちゃんも、共演するのは初めてだったんですけど、本当に優しいしすごく気さくに接してくれる。テレビでは何度も観ていた女優さんだったんですけど、お芝居がまっすぐでキラキラしていて感動しちゃいました。本当に素敵でしたね。「この方、こんなに魅力的なお芝居をされるんだ」と、改めて思って。もちろんテレビや映画で伝わるものもあるけど、生で演技を見ると迫力がすごくて。一緒にドラマをやれてよかったなあと思いました。

──第1話の撮影で、実際に岡島秀樹さんが来たときはどうでしたか。

関水 岡島さんがいらっしゃったらすごく空気が明るくなって。雨が降ってたんですよ、その日。ずっと曇りがちで、あまり天気がよくなかったんですけど、岡島選手がいらっしゃったら気持ちが晴れましたね! めちゃくちゃ晴れました。優しいし、楽しかったです。野球選手の方と撮影する経験は初めてだったので貴重な体験でした。

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──関水さんが、仲村トオルさん演じる伊藤智弘さんに悩みを相談をするとしたら、どんなことを相談しますか?

関水 最近悩んでること、あるかなあ。最近そんなに悩むことがなく……あるかもしれないんですけど、パッと思いつかないなあ。でも、そういうのも見透かされるんでしょうね。そう言っていても「これで悩んでいるだろう?」って、伊藤さんには言われるんでしょうね(笑)。

──ですね(笑)。『八月は夜のバッティングセンターで。』の見どころを教えてください。

関水 ひとつだけを切り取るのはすごく難しいんですけど、野球選手の方が毎回出るドラマってすごく新しいと思うし、野球好きの人は絶対このドラマを好きだと思うんですよ。あとはヒロインの方たち8人それぞれ8つの悩みがあって、それは野球を知らない女性でも重なる部分があったりするんじゃないかなと思います。共感もできたり、深夜にホッとしたりもするんじゃないかなと思うので、そういうあたり、おすすめです。それと、伊藤さんの言葉が本当にすごく響くんですね。なんか「これでいいのかも」って思えるときもあるし、逆に「このままじゃいけないんだ」って思うこともあって、人生においても勉強になる言葉がすごく多かったので、そういう部分にも注目してもらえたらなと思います。

王道の恋愛ドラマもやってみたい

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──今後やってみたい役柄はありますか?

関水 恋愛ドラマを全然やったことがなくて、やりたいですね。それこそ石原さとみさんがやられていたような『リッチマン、プアウーマン』(フジテレビ/2012年)みたいな、ああいうドラマ。韓国ドラマもすごく観るんですけど、ベタベタな恋愛モノも、いつかやってみたいですね。

──今までのドラマの中で、ちょこっとはあるけど。

関水 そうですね、あんまりないですね。ああいうガッツリした恋愛モノは。

──恋愛系の役どころがあまり今までなかったという、同世代の女優さんだと珍しいパターンだと思うんですけど、もちろんそれが強みだとも思うのですが……。

関水 恋愛の役柄を求められると言えるほど存在価値があるって言い切るのはまだ難しいんですけど、今回のドラマ(『八月は夜のバッティングセンターで。』)をやってすごく感じたのが『町田くんの世界』と重なる役をやらせてもらうことが多いなと。今回の役も、境遇は違いますけど、どこかしら似ているんですよ。

──『町田くんの世界』が、かなり印象的だったんですかね。

関水 けっこう、クセのある女の子でしたから。今回の夏葉舞も(『町田くんの世界』の)猪原奈々さんも「ヤダ」とか「無理」とかすごく言っているんです。高校生の女の子はこういう子が多いのかもしれないですね。少し似てるなあと思って。

──夏葉さんも猪原さんも、ストレートに感情を出すところが似ている?

関水 猪原さんのほうは、ストレートというか……たぶん不器用だからそうなってしまうみたいな。「ヤダ」とか「無理」とか、そんな言葉をストレートに言ってもあんまり意味がないじゃないですか。意味がないというか、いい言葉じゃないし。でも不器用すぎて、それを言わずにはいられないんでしょうね。舞は、まわりに男の子が多い環境だったから言葉が少し男の子っぽくて、それがストレートに聞こえるのかも。本当は女の子っぽいところもあるんだけど、過去に悩んでることとかもあって気持ちの出し方が不器用。それぞれ似ているようで個性がありますね。

夏になると、海に行きたくなってしまう

──プライベートについても聞かせてください。最近ハマっていることはあります?

関水 全然初心者なんですけど、去年からウインドサーフィンをちょっとやっていて、楽しいですね。こういう天気だと本当に行きたくなっちゃう。

──ウインドサーフィンをやるきっかけは?

関水 父がずっとウインドサーフィンをやっていて……それで私は「渚」という名前なんですけど。父は忙しいとか面倒くさいとか言って、あんまり教えてくれないんです。でも楽しそうにやっていたので、いいなあと思って、それで始めました。いつか一緒にできたら楽しいなと思っています。

──自前のボードとかも。

関水 (ボードは)まだ持っていません。悩んでます……すごく悩んでいます。置く場所が……湘南に一軒家とか持っている人なら、家の前にボーンと置けるけど。なかなかね……悩んでおります。

──ということは、休みの日はもっぱらウインドサーフィンを?

関水 そうですね……ウインドサーフィンをやる前からなんですけど、夏になると、泳がないにしても、すごく海に行きたくなってしまうので。海にはいるかもしれないですね、頻繁に。

プライベートでは、揚げ物に挑戦してみたい

──6月5日に誕生日を迎えて23歳になられて、大卒だと社会人1年目の年になりますが、どうですか?

関水 自分としては全然、気分は変わっていなくて。いつもどおり、ただの23歳っていう感じなんですけど。今年社会人になった子は、なんだか自分より若い感じがする。初々しいし、新鮮な感じがあるんですけど、少し早めに仕事をしてきたぶん、今の自分にそれはないかもと思いました。

──友達からは、どんな子と言われます?

関水 すごく意志があるタイプだと思われています。

──仕事以外でやってみたいことやチャレンジしてみたいことはありますか?

関水 料理、うまくなりたいですね。今日ちょっとInstagramに載せたんですけど。がんばりたいですね。

──今まではそこまで料理は……。

関水 やってはいたんですけど、そんなに凝ってなくて。

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──コロナ禍というのも影響してますか?

関水 あー、あるかもですね。お店もやっていないし、テイクアウトもとんでもなく早く営業が終わるじゃないですか。作るしかないというときに、雑じゃなくて丁寧なものを作れるようになりたいです。

──具体的にこんなものを作りたいってありますか?

関水 揚げ物! 揚げ物を全然やっていなくて。揚げ物鍋がないので、買わないと。買います!

──少し仕事関連の話に戻りますが、全然違うジャンル……たとえばバラエティの印象はどんな感じですか?

関水 バラエティが得意かと言われれば、全然だめなんですけど(笑)。でもバラエティは、けっこう観ていて好きなんですよね。大食いのロシアン佐藤さんがすごく好きなので、いつかバラエティ番組でロシアン佐藤さんと共演するという夢のために、バラエティもがんばりたいと思ってます(笑)。

──仕事を重ねていろいろな方に会ったりするなかで、憧れや目標にしたい女優さん、タレントさんができたりもしました?

関水 『コンフィデンスマンJP プリンセス編』で、長澤まさみさんと1カ月ぐらいずっと一緒に撮影させていただいて。まさみちゃんがいると、それこそ空気が明るくなるというか……まさみちゃんには、そのあとも何回か相談とか会ったり遊んだりしてもらったんですけど、いつも前向きになれて、今まで思っていたこととか、全部どうでもよくなるんですよ。すごく小さい悩みに思えたり、すごく素敵な言葉をかけてくださるし。お芝居も、本当に年々どんどん魅力的になられているじゃないですか。まさみちゃんが「渚ちゃん、もっといい女優さんになれるよ。私もこれからまだまだがんばるからね」と言ってて。「すごい素敵!」と思って、私もがんばろうと思いました! (長澤さんは)あんなにできるのに、まだまだって思ってらっしゃるんだって。

──素敵な関係ですね。石原さとみさんには、お会いしましたか?

関水 事務所で偶然お会いしたのと、舞台を鑑賞しに行ったときにご挨拶させていただいたことがあります。

──この世界に入る前の、自分の思いは伝えました?

関水 伝えました。憧れです、ということを。

──どんな反応でした?

関水 優しいですね。「ありがとう」と言ってくださって。

──共演、あるといいですね。

関水 そうですね、いつか。

取材・文=鈴木さちひろ 撮影=時永大吾 ヘアメイク=MAFUYU 編集=龍見咲希、中野 潤

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関水 渚(せきみず・なぎさ)
1998年6月5日生まれ。神奈川県出身。映画『町田くんの世界』(2019年)で1000人以上のオーディションからヒロインに選ばれ女優デビュー。その後、映画『カイジ ファイナルゲーム』(2020年)『コンフィデンスマンJP プリンセス編』(2020年)、ドラマ『キワドい2人-K2-池袋署刑事課 神崎・黒木』(2020年/TBS)『アノニマス~警視庁“指殺人”対策室~』(2021年/テレビ東京)などへ出演を重ね、女優として躍進。今夏放送の連続ドラマ、水ドラ25『八月は夜のバッティングセンターで。』(テレビ東京:7月7日スタート:毎週水曜深夜1時10分〜1時40分放送)でドラマ初主演を果たす。