見出し画像

女優・関水渚「演じる役を一番好きなのが自分でありたい」

#6 関水 渚(前編)

“今後輝いていくであろう女優やタレント”を独自にピックアップする連載「focus on!ネクストガール」。今回より『日刊SPA!』から『logirl(ロガール)』へとFA移籍しました。変わらず、素敵な方に迫っていきます!

関水渚(せきみず・なぎさ)「ホリプロタレントスカウトキャラバン」をきっかけに芸能界入りした彼女は、映画『町田くんの世界』(2019年)のヒロインとして女優デビュー。ブルーリボン賞新人賞をはじめ、多くの新人賞を受賞。その後、映画『コンフィデンスマンJP プリンセス編』(2020年)、ドラマ『アノニマス~警視庁“指殺人”対策室~』(テレビ東京/2021年)などの作品で印象的な役柄を好演し、今夏放送の連続ドラマ『八月は夜のバッティングセンターで。』(テレビ東京)ではドラマ初主演を果たす。そんな彼女の、女優としての歩みや思い、プライベートを聞いてみた。

「focus on!ネクストガール」
今まさに旬な方はもちろん、さらに今後輝いていく「ネクストガール」(女優、タレント、アーティスト等)を紹介していく、インタビュー連載。

石原さとみさんに憧れ、芸能界へ

画像5

──デビューのきっかけはなんですか?

関水 高校2年生のとき、石原さとみさんに憧れて「ホリプロスカウトキャラバン」を受けたんです。そのとき、ファイナリストに残ったことで事務所に入ることになって、18歳のときにデビューしました。

──ホリプロスカウトキャラバンを受けようと思ったのは?

関水 石原さとみさん主演の『リッチマン、プアウーマン』(フジテレビ/2012年)を中学生のときに観て、自分も石原さとみさんみたいな女優になりたいなと思い「ホリプロスカウトキャラバン」を受けたんです。

──石原さとみさんのどんなところに憧れました?

関水 ドラマに出ている石原さとみさんがすごくかわいくて、キラキラしていたので!

──なるほど。今の事務所に入って、一番最初の仕事はなんですか?

関水 アクエリアスのCMです。

画像5

──CMが決まったときはどんな気持ちでした?

関水 初めて受けたオーディションで「まわりの人たちはすごく上手にやっているのに自分は全然できないんだけど……何これ」と思って、すごく落ち込んで帰ったので、CMをやらせていただけるということを聞いてびっくりしました。

──CMが決まって、まわりの反応はどうでしたか?

関水 そうですね、「観たよ!」と友達からたくさん連絡をもらいました。電車の吊り広告になっていたりもしたので。

──関水さん自身が初めてCMを観たときは……?

関水 うれしかったです!

演じる役を一番好きで楽しんでいるのが自分でありたい

──CMを経て、一番最初の演技の仕事は何になります?

関水 19歳のときに『町田くんの世界』という石井裕也監督の映画のオーディションを受けて、20歳の夏に撮影、そこから1年後くらいに公開されました。

──演技をしたのは『町田くんの世界』が初めてだと思うのですが、役作りはどうでしたか?

関水 何をしたらいいのか全然わからなかったです。なんとなく言われたことをやっているという感じでした。

画像5

──映画を観る限りでは、すごく自然体に見えましたけど。

関水 それは、石井裕也監督の演出が一番大きいと思います。監督の演出が「素の自分でいろ」というか……私に何か色をつけるんじゃなくて、私の中にすでにあるモノから演出していくという感じだったので。だから、あれは自分自身という感じでもあって、自然といえば自然な。でも今はもう、あれはできないかもしれない。

──最初だから、なんですね。その後、いろいろなドラマや映画をやってきて、役作りに関して自分の中で考えるようになったことはありますか?

関水 撮影では、大変だったり、追い込まれたり、「がんばらなきゃいけない」という気持ちが強すぎて「楽しむ」という気持ちを忘れつつあったりもしたんですけど……まず「楽しい仕事なんだよな」ということを、改めて考えて。自分が楽しんでやらないと、作品を観ている人たちも楽しいとは絶対に思わないから。たまたま明るい内容のドラマがふたつ続いたんです。そのときに、そう思うようになって。共演した人が優しかったとか監督が楽しい人だったとか、理由はなんでもいいんですけど、まずは自分が楽しまなきゃ!と思うようになって。今は、演じさせていただく役を一番好きで楽しんでいるのが自分であったらいいなあ、と考えています。

プレッシャーを乗り越えたドラマ初主演

──今までやってきた役の中で、一番印象に残っているものは?

関水 やっぱり直前にやった役を、一番覚えているので……今だったら『八月は夜のバッティングセンターで。』それが印象に残っていますね。

──ドラマ初主演というのは、やはり気持ちがどこか変わるものですか?

関水 そうですね(共演者の)仲村トオルさんが本当に優しい方で、人の心を受け入れる大きな器を持ってらっしゃるし、お芝居でも私の心に何度も訴えかけてくださって。しかもそれがブレないんですよね。一緒にお芝居をしていても楽しかったし、監督やスタッフさんもすごく優しいアットホームな現場で。主演というのは、自分にとってはまだ大きすぎるし責任もあったんですけど、でも撮影自体は本当に楽しくて、終わってほしくないと思っていました。

──第1話の脚本を読ませていただいたんですけど、少しコミカルな感じですよね。素を出した感じですか? それとも演技のほうが濃い?

関水 そうですね……人間は誰しも悩みがあると思うんです。私が演じる役も高校生らしい悩みがあって(仲村トオルさん演じる)伊藤智弘さんがその悩みを見透かすようなことを、劇中で何度も言ってくるんですね。そういうふうに見透かされているような気がしてしまうことが何度かあって、そのときに高校生時代の不器用な自分とも重なったり、自分が出てしまった部分も多少はあったかなあという感じがします。

画像5

野球は観ていて一番楽しいスポーツ

──高校生のころはどんな感じだったんですか?

関水 すごく狭い世界で生きていたので、あまり多くのことを知らなかったと思います。悩んだときの打開策も今ほどはわからなかったし、人に気持ちを伝えたりするのもすごく下手で……今でも上手かと言われると、全然そうではないんですけど。今より、自分の気持ちを伝えたりするのは下手だった。素直に生きるのが難しかったなあという感じです。

──その高校生のときに野球部のマネージャーをしていたということですが、今回の撮影に役立ったり、何か思い出したりすることはありましたか。

関水 野球のプレイ自体はやっていなかったんですけど、ルールはわかっているし、観ていて一番楽しいと思うスポーツなので、そこはよかったなあと思っています。

──今回の撮影中にバッティングセンターで打ったりしました?

関水 撮影中には1回も打たなかったですね……あ、うそうそ! 1回も、は嘘です(笑)。劇中で打つことがあったので、そのときにちょっとだけ打ちました。

──どうでした、けっこうミートしました?

関水 やっと当たって飛ばせるという感じなんですけど……でも楽しいですね!

──東京ドームでの始球式(※)もありますが。

関水 そうなんですよ! ちょっとがんばらないと。もうすぐ……迫ってきてる!
(※6月18日に行われたプロ野球「DeNA-広島戦」の始球式では、バッターを務める仲村トオルさんを相手に、ワンバウンドながらもキャッチャーまで届くピッチングを披露した)

取材・文=鈴木さちひろ 撮影=時永大吾 ヘアメイク=MAFUYU 編集=龍見咲希、中野 潤

画像5

************
関水 渚(せきみず・なぎさ)
1998年6月5日生まれ。神奈川県出身。映画『町田くんの世界』(2019年)で1000人以上のオーディションからヒロインに選ばれ女優デビュー。その後、映画『カイジ ファイナルゲーム』(2020年)『コンフィデンスマンJP プリンセス編』(2020年)、ドラマ『キワドい2人-K2-池袋署刑事課 神崎・黒木』(TBS/2020年)『アノニマス~警視庁“指殺人”対策室~』(テレビ東京/2021年)などへ出演を重ね、女優として躍進。今夏放送の連続ドラマ、水ドラ25『八月は夜のバッティングセンターで。』(テレビ東京:7月7日スタート:毎週水曜深夜1時10分〜1時40分放送)でドラマ初主演を果たす。
▼好きな作品は?の問いには、「洋画がすごく好きです。レオナルド・ディカプリオが、大好きで。『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』とか。作品を観ると、ハリウッドいいなあって思いますね」