「チューリングの悲劇」!
2012年12月発行の『すばる』(集英社)2013年1月号に「チューリングの悲劇」というエッセイを寄稿した。ここに紹介しよう。
二〇一二年は「コンピュータの父」と呼ばれる数学者アラン・チューリングの生誕一〇〇周年に相当する。というわけで、世界中の数学会や情報科学会、あるいは大学や出版界で、多彩なイベントが繰り広げられた。
その一環として、私もチューリングの論文「計算機械と知性」の翻訳を『現代思想:総特集チューリング』(青土社)に上梓した。これは、一九五〇年、三七歳のチュー