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【温暖化】札幌の不動産物件でもエアコン付きを選ぶべきか
北海道の暑い夏
北海道の冬はご存知の通り寒いため、多くの賃貸物件には初めからガスや灯油のボイラーと共に暖房設備が設置されています。
一方で、このところの夏はエアコンなしでは厳しいという北海道民の声も多くなってきたように感じます。温暖化の波は北海道にも迫ってきているのでしょうか。今回は、不動産データを用いて、札幌の物件においてエアコン付きを選ぶべきかを検証したいと思います。
下のチャートは過去30年に、最高気温が28度を超えた日数のチャートです。環境省が平成17年のクールビズで室内気温を28度以下を勧めたことに基づいて集計しました。
![](https://assets.st-note.com/img/1679393674319-e8QUFYJl3R.png?width=1200)
これを見ると年によって差がありますが、暑い日は増えているように見えます。2003年には28度を超えた日が3日しかなかったのは今では信じられません。当然、エアコンなんて必要ない年だったでしょう。ちなみに2021年は30度を超えた日が27日もありました。
エアコンの設置率
分析した不動産データは、札幌、東京、名古屋、大阪、福岡の賃貸物件、約63万件です。その内、エアコンが設置されている比率は以下の通りです。
・全国主要都市のエアコン設置率:87.6%
ほとんどの物件と言っていいでしょう。
一方で、札幌の物件は以下の通り、とても限られています。
・札幌のエアコン設置率:29.9%
でも、エアコン設置は、築年数によって有無の違いがあるかも知れません。最近は猛暑なわけですから、新築物件には初めからエアコン設置を考えているオーナーが多い可能性もあります。逆に、築古物件にはエアコンを投資しようと決断するきっかけなどないのではないでしょうか。
札幌のエアコン設置の違いによる平均築年数の違いは以下の通りです。
・エアコンあり:9.7年
・エアコンなし:27.5年
更に、ヒストグラムにして可視化してみたのが、以下のチャートです。
![](https://assets.st-note.com/img/1679397641852-dJJNWZDk4l.png?width=1200)
やはり、新しい物件の多くはエアコン付きで、年々その比率は下がり、築9年で50%を下回っています。
エアコン付き賃貸物件はお得か
では、エアコン付き賃貸物件はお得かどうかをデータから分析してみます。
見ていただいた通り、築年数によって設置率に違いがありますから条件を合わせて比較してみましょう。
エアコンあり物件の平均築年数が約10年なので、"築10年の賃貸物件だけ取り出して、その平米あたりの家賃"で比較してみようと思います。
*平米あたりの家賃= 家賃月額(¥) ÷ 物件の広さ(m2)
・エアコンあり:¥1,630/m2
・エアコンなし:¥1,587/m2
その差は、約2.75%となります。
札幌の築10年の賃貸物件の平均家賃は、¥62,851/月です。仮に4年間入居した場合にその差の総額は¥82,972となりますから、単純計算として一つの目安になるかと思います。
エアコンの価格には幅がありますし、間取りによっても設置台数が変わってきます。更には入居期間がどの程度になるのかは、入居時には決めていない方も多いでしょう。その辺りを総合的にしていただければと思います。
投資家目線
10年以内の築浅物件の場合、エアコン設置は当たり前になりつつありますが、築古になりますと今後は差別化できる可能性があります。築25年の物件データで比較してみますと、エアコン設置により家賃に3.3%の上乗せができるかも知れません。現在の家賃と期待される投資回収期間を乗じた価格よりも安い価格でエアコンが調達出来るかが目安になるかと思います。
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