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理系でメーカーサラリーマンになるということはどういうことなのか

1.はじめに


どうも皆様、はじめまして。ゆしばと申します。

今までnoteなんて書いたこともありませんでしたが、35歳になった今までの僕の会社人生をふと振り返ったときに、もしかしたら色んな方にとって参考になるかもしれないと思い、筆をとってみる事にしました。

と言いますのも、これだけ自由に様々な方が様々な事を書けるご時世なのに、あまり大手理系のメーカーの方がご自身の仕事をどんなことをやっているのかお目にかかる機会がなかったから。

もちろん、機密情報は公開できないので、書きにくいことは書きにくいのですが、それでも情報が少なすぎるかなと。

そこで、今まで幸運にも大手のメーカーで技術開発を担当させていただいていたので、2020年1月の転職を機に、これまでの経験を書かせていただける範囲で書こうと思います。

ただ、不特定多数の方に見ていただくのは少し気が引けたので、すみませんが、僕の職務経歴の詳細以下のところは有料noteとさせてください。(もちろん、そこの中を見ても機密情報は書かない様に気を付けていますが、誰もが見られる状態は気が引けたので…)

2.どんな人に読んでもらいたいか


さて、ではどんな方にこのnoteを読んでいただきたいか、ですが、以下を参考にしてください。

・理系の大手メーカーで働くって実際にはどんなことをしているのか知りたい人
・大手で働くことに対して疑問を持っている人
・理系で働いている方が、今の会社でやってる仕事について、他と比べるとどんななんだろ、と疑問を持っていて、転職するかどうか悩んでいる人
・普段僕のツイッターを見て「しばたって結局どんな人だろう?」と興味を持ってくれた人

まぁ4つ目の理由でこのnoteを読んでいただいた方はコーヒーご馳走します、と言うくらい稀有な方だと思いますが、特に理系の大学生や就活生、転職を考えている人に読んでもらえたら少しは参考になるかもしれません。

特に、大手メーカーを2社渡り歩いた理系サラリーマンの情報は他でなかなか見つけることはできないと思います。

3.先に結論

色々書かせて頂きますが、まずは2社を経験した所感を先に書かせていただきます。

就職先はちゃんと悩んだ方がいい。同じ会社に就職するでも、悩んだか悩んでいないかでその会社に対する印象や働く意欲が変わってくると思う。
・大学で勉強した内容はほぼほぼ使わない。だけど、たまーに使うこともあって、それが社内の他の人と自分との差別化のポイントになったりすることもある。
・上司や一緒に仕事をする仲間は選べないけど本当に大切。多分どんな仕事をするか、とか、どれだけ事業として売り上げが上がっているか、とかよりも、誰と一緒に仕事をするのかによって仕事に対するモチベーションは変わる。
・会社に対して不満を持ったときに、選択肢は3つしかなくて、その不満がなくなる様に会社を変える努力をするか、我慢するか、会社をやめるかのいずれか。ただし、大体の場合は会社を変えることはほぼ不可能で大手ほどこれが顕著。
・大手で働くことで良いことは、自分がどんなに会社的に価値がない人間であっても、社会は自分を信用してくれると言うこと。カードの審査や住宅ローンの審査において、大手に勤めていることは多分そうでない人が貯金を1000万円くらい持っているのと同じくらい社会的信用があると思った方が良い(これ、完全に個人的な感覚です、間違ってたら教えてください。)後、打ち合わせ議事録の作成やメールの送り方、電話の出方から始まり、理系であれば各種分析方法の学習やVE、IE、多変量解析や統計に関する講義など、大手では研修がとにかく充実していて、自発的に動かなくても様々な内容を学ぶことができることが多いため、総合力としては付きやすい。(それが仕事に役に立つかは別問題。)また、働く人のレベルがある程度揃っているし、優秀な人は本当に優秀。(ただし、優秀な人の多くは卒なくこなす事にも秀でているため、優秀であることをわからない様にしている人も多数いる気がしています。)

これらの内容を、これまでの職務経歴を踏まえてお伝えできたらなと思っています。

4.改めまして、自己紹介


と言うわけで、そもそもの僕のスペックとか、会社に入る前の経歴、2020年1月までの職歴を簡単にご紹介させていただきます。

・高校は某大学附属高校で、偏差値50をちょっと超えたくらいで入れる某工学部の国立単科大学に入学しました。その中で材料工学を学び、コース選択では有機材料を専攻。
でも、大学に何をしに行っていたのかと聞かれたら、テニスとバイト!と言い切れるくらい3年生までは学業はボチボチ、それ以外の事に全力をかけていました。体育会のテニス部でテニスをしながら、週に5日くらいバイトに明け暮れる大学生活。いくつもバイトを掛け持ちして20連勤とかもあったなぁ。あの頃は早く社会人になりたい、そうすれば一つのことだけやってお金もらえるなんて、なんて幸せなのだろう、と思ったものです…
・そんな不真面目な3年間を経て、4年生で研究室に配属されると、研究の楽しさにのめりこみます。そして、たまたまその研究室が他大学と共同研究をしていたので、その共同研究先であった他大学の大学院を受験するも、これまでの不勉強が祟り不合格。焦りに焦ってそこから就職活動を始めて、残っていた学校推薦で大手電子部品メーカーA社(連結売上高:数兆円、従業員数:数万人)を受けて、幸運な事にそのまま内定をいただきます。後から聞いたのですが、僕の通っていた大学の大学院も定員割れをしていた研究室があったのでそこにいくこともできたそうです。
・さて、そんなこんなでA社に入社するのですが、大した企業調査もしないで、ネームブランドだけで入社した会社だったので、しばらくすると「この会社で働いていていいのか?」と漠然とした不安が襲ってきます。そして、色々考えた挙句、入社1社だけの判断軸で働き続けることに疑問を感じ(ただ飽きただけとも言うかもしれません)、なんとなく転職活動をしていたら、たまたまA社でやっていた技術の仕事がそっくりそのまま活かせて、且つ、大学の専攻である有機材料の知識が活かせる素材メーカーB社(こちらも連結売上高:数兆円、従業員数:数万人)に転職が決まりました。
・実はA社の頃からB社の材料を購入していたので、B社の人とは入社前から打ち合わせをしていて、まさに勝手知ったる仕事と言った感じでした。ちょうど担当していた分野が物凄い勢いで拡大していく最中だったため、お金も比較的潤沢に使えて、やりたいこともできて、仲間にも恵まれて、海外にも行ってとやりたい放題できたのがB社で働いていた大半の期間。
・しかしながら、その様な期間は長く続きません。市場全体が冷え込み、それに伴ってその分野に対する社内の風当たりも強くなると、僕はいよいよその担当を外れ、全く違う仕事を任せられます。
・その新しい仕事も、最初は新しいこと好きの僕は前向きに取り組みます。しかしながら、組織の軋轢、セクショナリズム、そして昇進に当たって上のポストが空かないと上がれないと言う事実、上司とウマが合わないなどなど、いろんなよくない点が目につき始めます。
・そして、最終的には会社のいろんな点が気に食わなくなって、一方で、自分の手で会社の気に食わない点を変えることはとても難しい(当たり前)ことに嫌気がさしてベンチャーに転職し今に至る、と言った感じです。

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