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東京地裁・第1回期日をダイジェストで振り返る!

第3次選択的夫婦別姓訴訟「夫婦別姓も選べる社会へ!訴訟」、6月27日の東京地裁初回期日にお越しくださったみなさん、ありがとうございました!
当日は既に記者席、代理人席が埋まっていたため、約20席の一般傍聴券を求めて71人が並んてくださいました。倍率約4倍でした!!
抽選に外れてしまった方、ごめんなさい!!

これまでの訴訟を振り返っても、初回期日で傍聴が抽選になったのは初めてのことです。
改めて、注目度の高さに追い風を感じ、関係者一同励みになっています。

6月27日を振り返ります。

入廷行動の様子

原告と弁護団が横断幕を持って入廷行動をした後、一般傍聴席を求めて並ぶたくさんの人に手を振り地裁に入りました。
開廷前に2分間の撮影タイムがあり、全員前を向いてじっとしていることを求められます。何もしないのにとても緊張します。

期日では原告、被告それぞれから提出された主張書面の確認と、書証の証拠調べが行われました。
被告(国)側の答弁書では、本案前の主張及び原告の主張に対する認否・反論のみであり、被告の本案にかかる主張は次回提出されることが確認されました。

原告の内山由香里さん、小池幸夫さんカップル→黒川とう子さん、根津充さんカップル→里子さん、九郎さんカップルの順に、それぞれ5分ずつ意見陳述を行いました。
原告が法律婚で通称使用をしたり、事実婚の選択をした経験から、自分が望む姓を名乗れないことや事実婚の不利益、ご自身が抱えてきた痛み、選択的夫婦別姓制度の実現に向けた強い思いを裁判所に向けて述べました。
意見陳述の内容についてはこちらをご覧ください。
https://bessei.net/3rd_trial/

その後、寺原弁護団長より、代理人の意見陳述が行われました。
婚姻をするために、夫婦のいずれか一方が氏を変更するか、あるいは夫婦の双方が氏を維持するために婚姻を諦めるかの二者択一を迫る現在の夫婦同氏制度が憲法及び条約に違反すること、政治問題ではなく、基本的な人権が侵害されている人権問題であると説明し、司法に適切な役割を果たすよう求めました。

初回から傍聴券が抽選になったため、裁判長が「次回は大法廷にします」と述べ、第2回期日は9月20日(金)14時からに決定しました。

期日報告会、懇親会

報告会にはたくさんのメディアや支援者が集まりました

東京地方裁判所から徒歩で15分ほどの航空会館で行われた期日報告会には、メディア、支援者が集まり、原告や弁護団が到着した時には既に満杯!
熱気を感じました。
意見陳述をした原告からの感想、他の原告からのコメント、札幌原告の佐藤万奈さんも参加して、初めての傍聴について語りました。

スペシャルゲストとして
駒村圭吾さん(慶応義塾大学法学部教授)
能條桃子さん(NO YOUTH NO JAPAN代表/FIFTYS PROJECT代表)
が参加し、メッセージをいただきました。

駒村圭吾さん

駒村さんからは
「夫婦同氏制度が血管に突き刺さって流血しているのに、通称使用権しか認めない現状はガーゼで止血しているだけ。
本来なら突き刺さっている制度を抜かないといけない。最高裁はしっかり声を聞いてほしい。
また、婚姻件数は減る一方なのに、廃れゆく婚姻制度にあえてエントリーしたいと言っている別姓希望者、同性婚希望者を国はなぜ排除するのか理解できない。
最高裁は家族は社会の基礎的集団だと言いながら、このような家族を排除して、不安定な社会の基礎的単位をつくっていることは、自ら国力を低下させており、自分で自分の首を絞めている状態。
こんな冷たい国に私たちは住んでいるのかという声が大きくなるだろう。」
という絶妙な例えとともに、鋭い指摘がなされました。

能條桃子さん

能條さんからは
「このところ毎週のように友人が『結婚します』と婚約指輪と結婚指輪の写真をインスタにアップしたり、週末ごとに誰かが誰かの結婚式に行ったり、
飲み会になると結婚の話が出てくる、そんな年代になった。
仲間から『別姓待ち』という言葉が出ている。別姓待ちの人がたくさんいるので、早く法制化してほしい。
法律婚する友人たちも増えているが、9割の女性が改姓している。
本当は別姓にしたいのに、女性側が折れている様子を見た時、『諦め』ってこういうところで生じるんだと思う。
それって本来国が自分の仕事をしていればしなくてもいい感情。
その友人たちのことも思うと、勇気を持って声を上げてくれる原告は私たちの世代にとってもありがたい存在。
国会にボールが投げられている状態だが、国会を見たときに20代の国会議員はいない。
本来、結婚制度はこれから結婚するボリュームゾーンの20代~30代に向いているはずだが、その世代の議員がいない。
正当な議論が進まない中で、司法への判断を求めており、いい判断を期待している。傍聴や寄付で支えていきたい。」
と、等身大の感想と励ましをいただきました。

当日の配信録画は近日中に公開予定です。

ご参加のみなさん、配信を視聴してくださったみなさん、ありがとうございました!!

東京初回期日を終えて一言

寺原真希子弁護団長

たくさんの方々に支えていただきながら、無事、第1回期日を迎えることができましたこと、心から感謝申し上げます。

法廷において、私は本訴訟の主張の要点を述べましたが、その冒頭で述べたのは、この訴訟で求めている内容は極めてシンプルであるということです。
婚姻に際して同姓か別姓かを選べるようにして欲しい、ただそれだけのことだと。

その上で、氏か婚姻かの二者択一を不合理に迫る現在の夫婦同姓制度が憲法と条約に反していることを述べ、最後は、これは司法こそが真正面から向き合うべき人権問題であるから、司法にはその役割を適切に果たすことを強く望むと締め括りました。

現在、弁護団は、各論点にかかる詳細な主張・立証の作り込みに全力を注いでいる真っ最中です。
この訴訟が、何十年も前からこの問題に取り組んでこられた多くの方々の尽力の上に成り立っていることの重みと責任を踏まえつつ、引き続き全力を尽くして参りますので、最後までご支援の程どうぞ宜しくお願い致します!

弁護団長 寺原 真希子

三浦徹也弁護団事務局長

期日では、事実婚をしている内山由香里さん・小池幸夫さん、同じく事実婚をしている黒川とう子さん・根津充さん、そして法律婚をしている里子さん・九郎さん、それぞれ夫婦で証言台の前に立ち、裁判官に向かって意見陳述を行い、法的に総括する形で弁護団長の寺原弁護士から意見陳述を行いました。

夫婦同氏制度の問題は、94.7%の夫婦が夫の氏を選択しており(令和4年)、改氏の負担が女性に偏っているという女性差別の問題でもありますが、夫婦のいずれか一方が氏を変えなければ婚姻できないという制度の構造それ自体が、自分は氏を変えたくない、相手に氏を無理に変えさせたくないと思う人にとって、婚姻への足かせになってしまっていることの問題でもあります。

そのため、この婚姻を諦めるか、氏を諦めるかの二者択一を迫る夫婦同氏制の不合理性について、裁判所に対して直接、「婚姻を諦めざるを得なかった夫婦」、「一方が氏を維持することを諦めざるを得なかった夫婦」というそれぞれの立場から思いを陳述したことは、夫婦別姓制度の不合理性を立体的に伝えることができ、非常に大きな意義のある時間だったと思います。

そして、第一回期日は多くの方が傍聴に来てくださいました。
裁判の傍聴や期日報告会に来ていただけること、Xで感想や思いをつぶやいてくださることで、弁護団としても非常に励まされています。
いつも応援いただき誠にありがとうございます。

選択的夫婦別姓制度の実現に向けて、一緒に駆け抜けましょう!

弁護団事務局長 三浦 徹也

クラウドファンディングにご協力ください。

「夫婦別姓も選べる社会へ!訴訟」を支援するクラウドファンディング実施中です。
裁判は長く続くものですが、弁護団、原告、別姓訴訟を支える会メンバーは全員無償で参加しています。
常に赤字の状態ですので、どうかご協力のほど、よろしくお願いいたします。
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