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a little something : 惑星

辻々に立つアーク灯

その火影を結んでみると 昼間とは違った道筋が現れ

宇宙へと伸びていることが知れる

ボクたちの時間がやって来る

そして ボクの番が来る


たそがれに上り坂が浮かんでいる

緩い傾斜に一歩を踏み出す

一歩 一歩 一歩

浮遊が始まる


三十分も歩くと 大気の揺らぎの中

時々の星座が 斜め上方に あるいは足元に現われはじめる


灯と影とのあわいを歩く

先を巡るキミの姿が 昨夜よりもはっきり見える

ボクたちは それぞれ自分のレーンを巡っている

追い越したり

追い越されたりしながら

大きなルールの中を

決められたスピードで進んでゆく

そこに惑いはない はずなんだ

なのに なぜなんだろう

ボクたちは 惑う星と呼ばれている


ボクたちは手をつながない

ボクたちは星座に属さない

でも 時々 思うんだ

誰かと一緒に 歩いてみたいなって


今夜 日付が変わるころ ボクはキミを追い越す


天の川銀河のはずれ 小さな星の街角で

カレとカノジョが はじめてすれ違う

星見の言うことには このふたり 仲良しになるんだってさ




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