手越祐也くんの退所にあたって思ったこと

まず前提として伝えておきたいことは

①私は手越くん担でもNEWS担でもないということ

②ただ、彼がデビューした当時から存在は認識しており、周りの友人の関係もあってライブにも何度も足を運ばせてもらう機会があり、NEWSの中では今も昔も一番好きなメンバーであるということ

③しかしもちろん担当と言えるほどの熱量は全くないので、ほんの一部分の彼の姿を見て勝手に好ましく感じているだけで、彼について知らないことは山ほどあるということ

④NEWSというグループに対しては、手越くんがいたから好ましく感じているグループではあったけれど、今現在思い入れがあるのかと言われれば決してそうではないということ

以上。

だからどうしても私は、手越くんに偏った感想を抱いているし、他のメンバーへの情も、NEWSというグループへの情も薄い。

そもそも他グループの人間が口を出すんじゃねぇよというご意見もごもっともである。不快な人はもうすでに不快だと思うのでどうぞ回れ右でお願いしたい。お互いのために。私は別にNEWS担や手越担を敵に回したいわけでもなんでもない。

上記の条件を把握した上でなお、「長年ジャニヲタをしていて手越くんのことは元々好意的に思っていて、けれどグループにはそれほど思い入れがない人間が今回のことをどう感じたのか」を知りたいと思った人にだけこの先は読み進めてもらいたい。

私の手越くん個人への感覚はジャニヲタよりもむしろ「イッテQの手越けっこう好きだったわ」「ジャニーズ興味ないけど顔はめっちゃ好み」くらいの人たちとの方が、感覚は近いのかもしれない。

ただそこに「長年(ちゃんと認識したことはないけれど少なくとも20年以上は確実に)あの事務所の人たちを見てきた」という経験と、あともうひとつ。

「自分の担当がいるグループからメンバーが抜けるという経験をしたことがある」という要素が加わるだけである。

ここまで書けばお分かりの人も多いだろうが私はKAT-TUN担である。

グループとしての彼らを比較する目的は全くない。

違う人間のいる、違うグループで、歩みも背景も状況も違う。

ただ単に、そういった経験がゼロのジャニヲタよりは、そういうことがあったときのヲタクの心境というのは少しはわかるよとは思っている。

まず、私が今回の退所報道前の、事の発端とも言える例の会食の件を知った時に抱いた感想は「まぁた手越やっちゃってるよ」である。

彼は週刊誌を賑わせることなど珍しくもなんともなかったというか、ジャニーズの中では常連だったと言っても過言ではないだろう。

その時点では「自粛期間だというのに飲みに行っていた」くらいの認識だったので、そこに女がいようが、それが1回ではなくて2回だろうが、特に責め立てるような気持ちにはならなかった。

会見ではこのことが特にフューチャーされていたように思う。

それは仕方のないことだ。だって日本中が、いや世界中が感染を防ぐために家にいることを推奨している世の中だったのだから。

そして彼の所属している事務所は、それに賛同した活動を行っていた。そこに所属している彼がした軽率な行動。世間から批判されないわけはない。

会食での飛沫感染のリスクは非常に高いというのも周知の事実であって、「自粛期間中に会食に参加して、しかも2回も、そして女の子も呼んで、なんてけしからん話だ」という流れになるのはごく自然なことである。

そのことに対しての回答というのは、実に言い訳じみていたと私も思う。

「僕にとっては不要不急ではなかった(不要不急だったと言い間違えてしまっていたけれど)」

「男だけではなんだかということになって、家にいたことを確認して女の子を呼んだ」

実に浅はかな言い訳である。

けれど彼はおそらくこれを、間違いだとは思っていないのだ。

彼にとっては、必要な外出であった。そこに女性を呼んだことも間違いだとは思っていない。

「嘘はつけない人間だ」としきりに言っていたけれど、良くも悪くも嘘がつけない人間であることは、あの会見の様子からも存分にうかがい知ることができた。

だって嘘がつけるのなら、「女の子にこういう会があるんだけどなんて話したら、僕のプロジェクトに興味があってぜひ参加したいということだったので」とかなんとか、女の子がその場にいた事実は隠せないとしても「自分が呼んだ」ということならどうとでも隠せたはずである。

たったそれだけの嘘で、自分の印象が下がることを少しでも避けることができるかもしれないのに、それはしなかったところが、私には非常に好感が持てた。

ただ、彼は嘘もついたとも同時に思っている。それは「円満退所」のこと。いや知らんけども。

でも、あれほどしきりに「円満退所」というワードを繰り返すところに必死さがにじみ出てしまっていたし、「円満」と「モメた」の程度を図り知ることなど私たちにはできないけれども、少なくとも契約期間満了を迎えることなく退所をしているのは事実なのだから、そんなの完全に円満なんて無理だろうというのは想像に難くない。

でも、その嘘は責められるべき嘘なんかではない。

優しいじゃん、と私は思ってしまった。

例えどんなにモメていようが、最悪な別れ方をしていようが、円満だったのだと彼が言い張ればそれは円満なのである。

カップルの別れ話みたいなもんで、「最悪なんだよあいつ実は俺に隠れて元カレとずっと会ってて」なんて赤裸々に語る男なんて嫌だよ私は。そんなのなんとなく濁しておいてもらいたい。

事務所からどんなことを言い渡されたのかも、彼がなんと言ったのかも私たちが知ることは一生できない。本当はめちゃくちゃに泥沼な修羅場だったのかもしれない。

けれど、本当に知りたいか?そんなの。

どうでも良くないか?そんなの。

「感謝している」と言ったことに嘘はないんだろうし、じゃあそれで良くないか?と。

「かなり話し合いは難航して…最終的には僕がやっぱりこのままでは続けられないということで突き通させていただきました」なんてこと、自担から聞きたいか??

それなら、円満だった…とは思いにくいけど、いろいろ話したところで「そういうことなら仕方がない」ってことになったんじゃないの?くらいには思っておきたいもんである。私はね。

これは、グループに対してのことでも言えることであって。

仲悪かったの?と聞けばそんなことないって言うだろうし、NEWSのこと嫌いになったの?と聞いたらそんなわけないよと言うだろう。

だってアイドルだもの、彼は。

本当はわからない。

私はヲタクだから、自分の担当にはグループを好きであってほしいし、誇りに思っていてほしい。

そして、メンバー同士もできることなら、仲良くあってほしい。

ベタベタに慣れ合わなくていいから、ただ、険悪な関係にはならないでいてほしい、どんなことがあっても。

それは本当に心の底から、死ぬほど、マジで。願っていることだ。

だってステージ上では、テレビでは、あんなに楽しそうに笑ってたよね。

あの人と並んでるとこ、好きだったんだよ、すごく。

きっと彼らはそんな私たちの想いのこともわかっているから、何もかも本当のことなんて絶対に、絶対に言わない。

だから、信じるしかないのだ。信じていればいいのだ、好きな人のことを、その言葉を。

決して言葉通りに受け取ることなんかできないような背景が透けて見えたとしたって、そんなの薄目にして見えないふりして、彼の言葉だけを素直に受け取って信じることが、ヲタクとしては一番幸せな道だと思う。

「嘘はつかない。つけない」という彼のことを、バカだという人もいる。

実を言えば私もちょっと思う、「バカだなぁ」と。「もっとうまくやればいいのになぁ」って。

世間では、ずる賢く嘘を使い分けることができる人間のことを頭がいいと言ったりもするからね。

どっちもどっちじゃねぇかそんなの、と思う。

彼はたぶん、そういう風に生きたほうが、うまくやれるということもわかった上でなお、そうしないことを選んでいるのだという風に見えた。

嘘はつけない、つかない。自分にも、ファンに対しても。

それはなかなか、難しいことだったりする。だから、そこを凄いなと思ったのだった。バカだなんて、思えなかった。

NEWSというグループをどんな風にしていきたいか、これから4人でどうやっていくか。

彼からはきっと、いろいろな言葉があったのだろうと思う、私は知らないけれどもきっとね。

そのことについて「嘘つき」と思ってしまう人はいるのだろう。それはわかる。

けれど人は変わる。嘘がつけない彼のことだ、その時に出た言葉は本心だったのだ。それは絶対にそうだったと思う。

でも、結果的にそうではなくなってしまった。時を経て。というだけのことなのだろう。

そんなに何年もずっと同じ気持ちでい続けられることって、言うほど容易いことではない。

時間の経過は人の考えだってもちろん変える。「嘘つき」と責めることでしか、気持ちを落ち着ける方法がないヲタクのことも私はわかるが、「あの時は嘘じゃなかったし、嘘にしたくもなかったんだよ」と、彼は思っているんじゃないのかなという気がしてならない。

それをきれいごとだという人もいる。それはわかる。

でも、いいんじゃないかな。

汚いことよりは、きれいなことだと思っていた方が、自分の精神衛生上。

「本当のこと」なんて、どんなに考えてみたって、何を想像してみたって、結局のところ、本人のみぞ知るなのだ。

だったら、いい方にとらえられた方が楽しいじゃん、というだけの話。

真相は知らんけど、私はそんな風に思っているし、他の3人のメンバーが今手越くんにどんな感情を抱いていたにせよ、例えばぶっちぶちにキレていたとしても、そんなことは想像したくない。

永遠なんてないのだ、どんなことも。

そして、彼がファンと、メンバーと、どんな約束をしていたにしても、私は彼のことを無責任だとは思えないし、不誠実だとも思わない。

だってファンにもメンバーにも、彼自身の人生や命は背負うことができないからだ。

いちジャニーズファンとして、担当含め、アイドルには幸せになってもらいたいと思う。
















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