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中田敦彦のYoutube大学が一攫千金目線でeスポーツに触れる

オリエンタルラジオ中田敦彦が教育系Youtubeチャンネルの1つとして、最新の技術や社会的なキーワードを解説するエクストリーム現代社会は今、Youtubeの中でも最もホットなシリーズと言える。

とてつもない速さでチャンネル登録者数100万人を突破、自身もNewspicsで番組を持つが、そういう活動の中で得たインスピレーションや驚きを非常にコンパクトかつ分かりやすく解説するこのシリーズには年代などを飛び越えて、この動画でようやく知れました、というコメントにいつも溢れている。

そこで昨日公開されたのが、eスポーツに関する話題。自身はゲームを余りしないながら、NewspicsでNetflicsの特集をした際に動画コンテンツよりもゲームコンテンツの方がコンテンツとしての寿命が長いという話に驚いた、という切り口から入った。

 

エクストリーム現代社会のシリーズは、ビジネスパーソン含め今知っておくべき事柄を掘り下げているのだが、一貫して「これを知らなきゃお金稼ぎに乗り遅れるかもしれませんよ」という姿勢を貫いている。

繰り返し、トークテーマに対して、GAFAがどのような動きをしているか、ビジネス的にどういう速度感、温度感に世界が動いていますよという話題を入れてきている。今回のeスポーツに関しても"ゲーム"というコンテンツがビジネスとして既に注目されていて、連中がどんなサービスを始めようとしているかという内容にも触れているのだ。

参考としているのはこちらの書籍だが、日進月歩で状況が変わっているeスポーツ関係の情報としては既に古くなっている情報もあるものの、法律の問題や設備の問題を通して、日本のeスポーツビジネスがどう動くべきかをまとめている。

 

お金儲けという視点からeスポーツビジネスというのを語る行為が、業界の中ではコミュニティとの乖離を招いている事実は少なからずあるわけだが、視点を変えてみると、これまでのスポーツではないゲームをしていた層にとってはゲームが好きだからこそ、その層からの尊敬こそが支えになっていたものの、今後スポーツとなったゲームではプロスポーツとしてプレイするプレイヤーが生まれることになるだろう。

悲しいかな、日本人という生き物はワールドカップやオリンピックのような大きな大会で日本人が活躍すると盛り上がるという習性は今回のラグビーなどでも感じているかと思うが、そのきっかけは東京オリンピックのプレイベントなのかもしれないし、ビジネスチャンスと感じてより多くの企業が参加するようになったもう少し先の話なのかもしれない。

コミュニティからの反発はあれど、日本人の習性を考えた時に今の格闘ゲームでの日本人プレイヤーの活躍というのは、他のプロスポーツから比較しても非常に優秀なわけで、もしこれをもっと大きな形で活かすきっかけが生まれれば、大きな動きに変わる可能性はあるとは思うのだ。(あの団体がちゃんと機能するかの疑問はあるのだけど)

今、このタイミングでお金やビジネスと対立してしまう行為というのは、お金のためにしているのじゃない、という気持ちは然りとしても、自らの首を絞める行為になりかねないのではないか。

 

現実的に、eスポーツというもののファンがそこにお金を使っていないという問題も言われている。この20年の日本経済の状況や日本のゲーム市場の変遷を考えると、非常に難しい問題のようにも思う。

プロスポーツという目で見た時に応援するためのグッズからの収益というのは大きいが、まだ日本ではeスポーツを見て応援したい、グッズを買いたいという需要が高まるまでに至っていないのではないかと感じるのである。

例えば、サッカーで言うなら93年のJリーグ発足は印象的ではあるが、サッカー人気というのは実は日本代表戦の成績に大きく影響されている。各Jリーグのチームにもファンがいるのだが、人気という意味では平成に入る頃のワールドカップ本戦突破の頃の熱の上がり方は一気に加速したように感じるし、事実選手のレプリカは飛ぶように売れた。

同じようなシステムを採用しているOverwatchのプロリーグは各都市にチームを作り、今後は一カ所での開催ではなく、選手がそれぞれのホーム、アウェイを渡り歩いてプレイをするような方式になっていくと言われている。

また、League of Legendsの世界大会は毎年、様々な都市で開催されるが、そのために旅行をする人もいるなど、非常に大きな経済効果を持っている。

そのレベルから見た時に、普段ゲームをしているプレイヤーでさえも消費意欲が喚起されていないというのが今の現状だと思うのだ。

 

1つの考え方ではあるが、新日本プロレスを買収した際にブシロードが徹底的に行ったのは露出を増やすような広告を打つことで、流行っている風な空気の演出を行ったと言われている。今、eスポーツが伸び切らないのは、この空気感の醸成に辿り着いていないのではないだろうか。

そのために必要なお金であったり、企業のパワーというのは必要不可欠だと考える部分はある。賞金が大きいこと自体がeスポーツ参加者を増やしたり、消費意欲を刺激するとはむしろ思わない。むしろ、お金を使ってもらうようにするための仕組みをどう作るのか、どう演出していくのかという事を議論すべきではないか。


新日本プロレスを例に出した時に思ったのだが、やはり今のブームはそれまで興味のなかった人が見たくなる、ビジュアルの要素、試合の興奮というのが非常に分かりやすかった、という点は常に語られるのだが、eスポーツのプレイヤーを見た時にビジュアルに特徴のあるプレイヤーはどれだけいるだろうか。

 

みんな、とりあえずメガネを外すところからなのではないかと思った。

 


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