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「共感」が熱狂を生む、ファンマーケティングとは?

2021年7月21日に開催されたオンラインイベント「まちづくりとデータ利活用 ~多目的アリーナ・プロスポーツを軸としたスマートシティ~」のイベントレポートをお送りします。

シナジーマーケティング株式会社からは、代表取締役社長の田代正雄さんにご登壇いただき、実例を交えた「ファンマーケティング」「ファンとともに成長していく」重要性について熱く語っていただきました。

共感がファンを生み、伝播する

田代さんいわく「ファンマーケティング」とは、「企業が顧客にさまざまな体験を提供し、それを通じて企業価値に共感してくれるファンをつくる」こと。パタゴニア、Nike、中川政七商店といった企業を例に出し「会社のビジョンを強く訴求し、それに共感するファンを見つけ、さらに他のファンの人たちに伝播していく」ことが基本的な考え方だといいます。

また、好きなチームに対するギフティングや投げ銭といった「何かに貢献をし、承認してもらう = 応援消費」が生活者の中でも大きなマーケットになりつつあるとのことです。

地域のファンマーケティングの事例として、北海道・美瑛町の例を紹介。ヤフーの社員が美瑛町のDMO(観光地域づくり法人)に出向し、観光客のデータベースを活用した事例をあげました。QRコードを用いたスタンプラリー導入、運用を繰り返した結果、毎年訪れる優良なファンの行動データが蓄積され、そのデータは美瑛町でのプロモーション計画に役立ちました。

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地域のファンをつくって応援者を引き寄せるのが鍵

地域のファンづくり、今後はどのようなキーワードが重要になってくるのでしょうか。

田代さん:
神戸のアリーナを訪れた人、ストークスを応援するようなファンの方など、地域の資産、施設などに訪れた人たちがよい体験をすることで、ファンになる。そのファンになった人たちが発信、購買、推奨などをしてくれることによって、賛同してくれる人や企業が集まってくる。「地域のファン」をつくって、応援者を引き寄せることが、今後さらに起こると思います。

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田代さんはまた、神戸アリーナを盛り上げる施策として「ID」構想を紹介。さまざまな場面でのデータを集約することで可能になるメリットについて、以下のように語っています。

田代さん:
神戸が好き、西宮ストークスが好きという人がいます。その人たちに対してIDを発行したいと考えています。それを使ってチームを応援する、イベントに参加する、購買する。その行動を地域への貢献とみなしてデータ化し、その方々を承認していく。

ファンにとっては好きな人に認められるのは非常に大きな体験になりますので、こういった体験を繰り返しやっていくことでファンの熱量が上がっていくと思います。

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熱量が上がれば行動に移り、貢献のデータが蓄積され、それを承認することによって、ファンの熱量がさらに上がると田代さんは語ります。

田代さん:
その伝播が新しいファンを生み、価値が広がります。また、熱量を可視化することによって、「応援支援」というかたちで企業が集まり、新しい体験がまた提供されます。

2024年のオープンに向けて、人と地域と企業が他者を応援していくことで、結果、自分たちの成長につながるというモデルをつくり上げたいと思っています。これから2024年に向けて、神戸のアリーナ、ストークスのファンをより熱狂的なファンにしていくために、いろいろな形で協力できればと思っております。

最後に、視聴者からいただいた質問より、KPI項目として挙げられていた「シェア数」と「推奨人数」の違いについて説明されました。

田代さん:
「シェア」は自分が体験して良かったということをアクションすること、「推奨」はさらに巻き込んでいく、おすすめするという行動が及んでいくこと(ストークスでいうと、例えば友達を会場に連れて行くという行動など)を指しますね。

動画アーカイブ


田代さんのパートは動画45分00秒~58分15秒の部分です。