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食思考マラソン(23)平戸からの恵み|太田充胤

本日のメニュー
カマスの干物
にんじんのきんぴら
豚肉・焼きキャベツ・春菊・玉ねぎのスープ

LOCUST本誌第4号の長崎旅行には行けなかった私ですが、長崎は以前訪れたことがあります。

妻が研修で2か月ほど平戸に住んでいたので、その際に長崎で1泊、平戸で2泊しました。なんとなくですが、ただ単に旅行したというだけでなく、仮にもそこに住んでいる妻を訪ねて行ったことで、私の気持ちのうえではもう単なる観光客ではないような親密さがあります。

旅行先に対するこういう親密さって、なんかありますよね。すべての旅行先に対してそのように感じるわけではなく、なんらかのかたちで一定の深さまで潜ることのできた旅行先に対して抱く、ある種の親密さ。

LOCUSTでこれまで訪れた土地にも、やはり同じような気持ちがあります。木更津、奥多摩、岐阜。どれも「第二の故郷」とはいかないまでも、「第三の故郷」くらいの思い入れはあります。


さて、この日の主菜は、そんな平戸から送られてきた、ふるさと納税の返礼品の干物です。

ふるさと納税、その仕組みについてはモヤモヤするところもありつつ、会計士の友人が言った「節税は国民の権利であり、良し悪しは別として現行の制度ではこの権利を行使しない選択肢がない」という言葉に背中を押されて去年から始めました。蛇足ですが、確定申告を頑張って済ませることによって多額の追加徴税が発生するという意味不明の仕組みに憤慨したこともきっかけの1つでありました。

とはいえ、この制度自体に対して心のどこかにモヤモヤが残るのもたしかでありまして、このモヤモヤと折り合いをつけるために、上記のように思い入れのある土地を選んで寄付する、という制約を設けています。

このルールならば、LOCUST旅行によって寄付できる選択肢が毎年増えていくことになります。我ながらよいルールだと思っていたたのですが、そんな折にCOVID-19が来てしまいました。果たして、来年は旅行ができるのでしょうか……。

ちなみに、今後の方針については来る『LOCUST vol.5』でも侃侃諤諤の議論が繰り広げられております。オンライン販売もまもなくはじまるはずですので、ぜひお手に取ってご覧いただければと思います(宣伝)。


話を干物に戻しましょう。

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