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統一教会の問題でここ数日思った事

7月8日11時31分ごろ奈良県近鉄西大寺駅前。背後から撃たれた2発の1発が心臓に命中し必死の治療も叶わず17時3分安倍晋三元総理大臣が亡くなった…67歳。彼の父安倍晋太郎は総理にあと一歩のところで病魔に侵され同じ67歳でこの世を去っている。政界のサラブレッドの親子。私は晋太郎さんの事を少し知っている。私が中学生頃だったと思うが、母が信仰していた宗教団体の式典などでよく名前を聞くようになった。その宗教団体の教祖は昔全国ネットのテレビで人気を博し、教団のある都市ではラジオのレギュラー番組をもち所在地の市のHPにも教団の祭りが載せられている程だった。小学生の頃チェルノブイリ原子力発電所が爆発したことで、次々と予定されている国内の原子力発電所建設が揺れに揺れ、被曝3世の私は中学生になった最初の年と思うが、原子力発電や原水爆について弁論大会で中止と破棄を訴えた。母の宗教への傾倒は私の人生に影を落としていたが、太陽を崇めるその教団が核開発や原子力発電を強く批判していたのでそこだけは許せたのだけれど、晋太郎氏が教団の勢いと票の獲得に接近してから掌を返すように反対から賛成に変わり「酷いもんだ」と子供ながらに大人の世界の醜さを感じた。

家族も被害者、「宗教と政治と霊感商法」

 今回の事件は、容疑者に同情する部分とそれだけはやめて欲しかったという複雑な感情が交差する。この事件の詳細は日々新しい情報が増えて行くけれど、「家族が病気なる不幸になる」と不安を煽り、信者の母親はお金と時間を食い潰されても尚宗教に傾倒し信仰すればするほど周りが不幸になっていった。偏差値も高く優秀だったが途中で大学を辞め自衛官になってから沢山の資格を取り、社会に出たら普通に働けるはずだったのに就職氷河期や不景気が彼の人生を思い通りにさせなった不運も原因かもしれない。でも彼の行為が同じ辛い思いをした2世が危険と世間に思わせたり、無念を同じ凶行で昇華しようとする人もいるかもしれない。だからこそやってはいけなかったのだけれど、それでも止める事ができなかった彼の心境を考えると不憫で仕方がない。でもやっぱりやってはいけなかった…。

事件発生当日から統一教会の名前が出ていたのにテレビ各局は教団名を伏せてニュースが流れていた。Twitterとの温度差が怖かった。Twitterではバンバン名前が出てるのに、いつも朝やゴールデンタイムの番組でTwitterからネタを掬ってくるテレビ局が「スンッ」としている。事件が起きたら、事件の動画があれば、記者や局関係者が「映像使わせてくれ」「詳しく話を聞かせてくれ」と図々しくいうのに、全く触れないのが気持ち悪かった。選挙直前の配慮だったとしても異常すぎた。

選挙翌日旧統一教会側の記者会見は5大新聞のみで行われ、地方紙や都合の悪いメディアを遮断して都合の良い事だけを伝えようとしていたのは素人の私でも丸分かりだった。記者会見後の会見でやや日刊カルト新聞のエイトさんが嘘を暴き、翌日2時間以上にわたる紀藤弁護士らの「全国霊感商法対策弁護士連絡会」の記者会見は信者家族の生々しく辛い日々、救いようのない親との関係や合同結婚式、結婚生活の話に胸が詰まる思いだった。この日を境に、テレビでは「統一教会」と白々しく言い出して、Twitterで2世が次々と呟き出せは「〇〇でレビです詳しくお話を聞かせていただけませんか??」と擦り寄っている。

 安倍さんが亡くならなければこの問題はずっと陽が当たる事がなかった。信者の家族の苦しみが公になる事はなかった。ずっと昔から霊感商法でとてつもない金銭的被害と精神的被害の連鎖を産み続けていたのに、分からなかった訳ではない。何かに忖度したり都合の悪い事は知らないふりや無視をしていた。それが何度も被害者を傷つけ、最後には首相が被害者となったこの責任は偏向報道を繰り返してきたマスコミにも原因があると私は思う。


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