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株式会社ジェイック 古庄(ふるしょう)様に聞く「就活AI」【突撃!隣のプロンプト!】

本記事は、AI人材リモートアシスタント「ロコアシ」による企画記事です。
株式会社ジェイック」執行役員の「古庄(ふるしょう)」様から「就活AI」についてお話を伺いました。
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企業向けの教育研修事業と若年層向けの就職支援事業を展開する「株式会社ジェイック」

——読者の方に向けて、御社と古庄(ふるしょう)さまのご紹介をお願いします。

株式会社ジェイックの執行役員、古庄 拓と申します。主にマーケティング領域を担当しております。株式会社ジェイックは、企業向けの教育研修事業と、若年層向けの就職支援事業を展開している東証グロースの上場企業です。

コーポレートサイト:https://www.jaic-g.com/

ChatGPTのファーストインプレッションは「業務にどれぐらい使っていけるか?」

——ChatGPTのファーストインプレッションを教えてください。

ChatGPTに初めて触ったのは、2022年の終わりごろです。ChatGPTに自分の名前や有名人の名前を入れて「この人について教えて」と指示した時の出力結果の間違いを指摘する投稿がSNSなどでバズりはじめていた頃ですね。「どんな可能性があるかな?」と試しに触ってみました。

ChatGPTが登場する数年前からAIチャットボットなども触っていましたので、初めて触ったときに「革命的な」というほどの衝撃はありませんでした。

ただ、回答の精度はさておき、質問の意図やコンテキストを理解して、適切な答えを返してくれる対応力は、当時、AIとして提供されていたものから大きな進化を感じました。ビジネスの実務にもどんどん使われていくだろうと感じましたので、「いまの時点でどの程度使えるか?」試してみる必要性を感じました。

古庄様

自己PRの作成や、自分で作った志望動機の添削ができる「就活AI」

——「就活AI」について、詳しく聞かせてください。

就活AI」は、生成AI、ChatGPTと、長年就職支援をしてきたジェイックのノウハウをかけ合わせてリリースしたツールです。就職活動や転職活動などで必要となる自己PRや志望動機の作成、自分で作ったガクチカや自己PR・志望動機の添削が、登録なし、無料で行えるツールです。

「就活AI」サイトURL ːhttps://sai.jaic-g.com/

たとえば、アピールしたい強みやエピソードのキーワードを入れれば、数秒で自己PRのたたき台を作成してくれます。また、応募企業の特徴や惹かれている点のキーワードを入力すれば志望動機のたたき台を作成してくれます。また、自分で作成した自己PRや志望動機を入力すると、良い点や改善点、面接で質問されそうなポイントなども教えてくれます。さらに面接官へ質問する「逆質問」の生成も可能です。

就活AIは、就職活動の本格化に伴い「学生」の利用が急増しており、2024年3月には月間の利用件数が5万件近くになっています。

就活AIを活用することで、就活生や転職者の方は、履歴書やエントリーシートの作成を効率的に行って、自己分析や企業研究、面接などの、就活のよりコアな部分に時間を使うことが可能となります。

また、就活AIは省力化だけではなく、出力結果をたたき台として、自分で編集を加えることで、より納得感のある自己PRや志望動機を作成するためにも使ってほしいと思っています。

就活AIがアウトプットする自己PRや志望動機は、AIの推測によって組み立てられたエピソード、ストーリーをテキストで出力しているため、入力者の考えや体験に完全に合致した内容ではありません。当然、就活AIのアウトプットをそのまま提出しても、面接では上手くいかないでしょう。

そうではなく、たたき台を効率的に作ることで、自分の言葉に修正する、自分のエピソードや視点を肉付けしたり修正したりする中で自分と対話することに、より時間を使って欲しいと思います。

このように、就活AIで生成された文章を深く掘り下げることで、本当に自分がしたいことは何か、仕事を通じてどんな風に貢献したいかなどの、企業分析や自己分析をより良く行えるよう、サポートできればと思います。

業務工数が多く、生成AIへ置き換えられそうな部分で業務利用をトライアル

——「就活AI」誕生までの経緯を教えてください。

上述の通り、最初に生成AIに触った時には、情報を捏造してしまう、最新データが入っていないといった回答精度の課題がある一方で、日本語の理解力・回答力は感銘を受けました。従って、今すぐ業務に使っていけるかは見えづらくても、数年後には「使っていて当然の技術」になると考えました。

そこで、まずは「現時点(2022年末時点)の生成AIでどの程度のことができるか?」、早く試してみようと考えて、業務に適用できる範囲を検討しました。

弊社が提供する教育研修や就職支援(教育融合型の人材紹介)は、労働集約的な側面もあり、受講者や求職者の方と1対1の面談やアドバイスをしている部分が多数あります。その中で、現時点の生成AIを導入できる部分がどこかを検討して、就活AIを開発しました。

就活や転職活動の中で必ず必要となる自己PRや志望動機を効率化

——「就活AI」のプロダクト開発において、特に重視されているポイントは何ですか?

開発においてまず重視したポイントは、実際に使っていただく就活生や転職者の方が「就活や転職活動の中で必ず取り組まねばならないタスクを便利にする」ことです。

一方で、「生成AIの実務活用」という視点では、生成AIの回答をプロンプトだけでどこまで精度アップできるか、実務に使えるレベルにできるかを試した形です。

社内でも生成AIのトライアルを支援

——「就活AI」以外に、生成AIを業務で活用されていますか?どのように活用されていますか?

現時点では、プロモーション資料や書籍の執筆、レポート作成などにおけるアイディアや構成、文章チェックなどに活用しています。情報セキュリティ等への配慮も行いながら、トライアルしている段階です。

アウトプットの精度や信頼性には課題あり

——生成AI活用における課題や難しさを感じるところがあれば、教えてください。

アウトプットの精度や信頼性に関する課題が最も大きいと思います。ハルシネーションと呼ばれる嘘をつく問題、また、実務に使えるレベルの精度や品質をアウトプットできるかといった問題です。

今は、ChatGPTindexやGPTsなども使いながら、自分たちでコンテンツを学習させることで回答結果の精度をどこまで向上させられるか、実務にどう使えるかを模索しています。

想像を超える速度で進化する生成AI

——生成AIを活用して驚いたことや、思わぬ成果が出た事例はありますか?

ChatGPTが発表されて以降の進化スピードには驚かされています。画像生成、音声合成、音声認識などのマルチモーダル対応などもそうですが、API提供や提携、GPTs storeなど、ユーザーや他社を巻き込んで生成AIのニーズを掘り起こして、市場を作っていく展開も勉強になります。

今後のビジネスにおいて生成AIを使うことは必須

——この記事を読んでいる方に生成AIをお勧めしていただけますか?

あと数年で引退する方なら、ぎりぎり使わなくても大丈夫かも知れません。しかし、今後継続的に仕事をしていくビジネスパーソンの方であれば、否応なしに生成AIを使う必要があると思っています。

生成AIは、ツールです。たとえば、電卓や携帯電話、パソコン、スマホが、世の中に登場した当初は懐疑派もいましたが、今となっては使って当然のツールです。現在、「私は電卓は嫌いで使わないんだ」「パソコンには否定的なので使いません」というビジネスパーソンの人はほぼいないでしょう。もしいたとしたら、仕事の生産性には大きな差がついているでしょう。

極端に言えば、生成AIも、電卓やパソコン、スマホと同じです。現時点で性能の制限などはいろいろあるでしょう。しかし、「嫌いだから使わない」という選択をしていたら、どんどん時代に置いていかれ、周囲と生産性で差をつけられてしまうでしょう。

いきなり「実務で・・・」と考えなくてもいいので、まずはプライベートで触ってみる、遊ぶ感覚で、触ることに慣れるのが大切だと思います。

生成AIと人の組み合わせで、「個別化」の壁を越え、サービスを進化させる

——「就活AI」と、御社事業の将来展望について、聞かせてください。

生成AIと人との組み合わせで、「個別化」の壁を越えることが大事だと考えています。

ジェイックが提供する教育研修や教育融合型の就職支援というのは、いずれも「人の成長や能力開発」に関わる領域です。人の成長や能力開発においては、優れたコンテンツやマニュアルだけが存在してもうまくいきません。相手との対話を重ねてモチベーションを引き出す、相手の状況に合わせたコンテンツを提供するといった個別化が重要です。

しかし、人の手だけで個別化を実現しようとすると、工数が莫大なものとなり、サービスが高価なものになってしまう、コストバランスを考えると提供できる限界があるといった課題が生じます。

教育コンテンツが動画化されることで多くの人に提供できるようになったり、オンライン研修・教育が普及して距離の壁や移動コストがなくなったりしたことと同じで、生成AIを活用することで1対1の個別アドバイスや個別サポートをコストを気にせずに提供できる、また、人は更に深い対話やコンテンツの開発に時間を使えるようになります。

たとえば、ジェイックではAIを組み込んだAI面接練習アプリ「steach」を提供しています。
steachによって、基礎的な面接練習は、弊社のアドバイザーが個別に実施するのではなく、AIとアプリを通じて求職者がお一人で無制限に行える環境を提供できています。

また、steachを営業ロールプレイングAIに進化させれば、営業研修と組み合わせて、一人ひとりの受講者に個別の営業ロールプレイングを工数の制限なく提供できるようになります。

このように生成AIと人を組み合わせることで、個別化の壁を越え、顧客やユーザー一人ひとりに、個別のサポート、価値をより一層提供できるようにしていきたいと思います。

お話を聞いた方

(聞き手・撮影:ロコアシ事業部長 あさい

ロコアシ:AI活用人材にデスクワークを委託!

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