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アローサル・テクノロジー株式会社 佐藤拓哉さんに聞く「生成AI研修サービス」:突撃!隣のプロンプト!

生成AIサービスのプロダクトオーナー、エバンジェリストなどトップランナーの皆さんへのインタビュー特集「突撃!隣のプロンプト!」へようこそ。

本日はアローサル・テクノロジー株式会社 代表取締役の佐藤拓哉様から、生成AI研修サービスについてお話を伺います。
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生成AIを活用した研修やコンサルティング、AIに特化したシステム開発を行うアローサル・テクノロジー株式会社

——読者の方に向けて、御社と佐藤さんのご紹介をお願いします。

アローサル・テクノロジー株式会社の佐藤拓哉と申します。設立して11期目になります。当初はベトナムのオフショア開発会社と提携してスタートしました。

アプリやWebシステムの開発から始まり、2015年頃の第3次AIブームでは、自然言語処理のエンジンを使いながらアニメーションのキャラクター化やチャットボット化を行いました。

2015年からAIインテグレーション事業を開始し、2022年後半からは、生成AIを活用した研修やコンサルティング、AIに特化したシステム開発を行っています。

公式サイト:https://www.arousal-tech.com/

私のご紹介をさせていただくと、バックグラウンドとしては、エンジニアを5年弱、プログラマーやPM、ディレクターなどの仕事をしていました。

SMC熊本工場で最近知名度が上がった「セミコンテクノパーク」というソニーや東京エレクトロンなどの半導体系の会社があるエリアの学校を卒業して、20歳で上京しました。エンジニアを経て24歳のときに起業しました。

祖父2人ともが起業家であり、高校では商業高校の情報処理科に通っていたので、商いというものにそもそも興味がありました。

高校時代はラーメン屋やうどん屋でバイトして貯金し、自分の携帯電話代などを自分で払っていたのですが、運転免許を取って、自分の車を買ったら、100万円くらいが一瞬で手元からなくなってしまうのが衝撃的で。

「これは普通に生きていても、お金は減る一方だな!」と感じたのが、起業を志したきっかけです。

最初の印象は薄かったChatGPTだが、情報やレビューが揃っていく中で大きく再評価

——ChatGPTのファーストインプレッションを教えてください。

2022年の12月にChatGPTを初めて触りました。最初は、よくあるチャットUIかなと感じました。AIやチャットボットに触れ慣れていたので、「こういうものが出たのか」程度の印象でした。

しかし、1月から2月にかけて、徐々に注目され始め、私も改めてリサーチをしたり、触ってみたところ、従来のチャットボットとは違うと感じ始めました。それが去年の年始頃で、これはもしかするとすごいことになるかもしれないと思い、事業の方向性を考え始めました。

AI×OJTで生成AIを活用していく案を検証していくうち、「DXHR株式会社」さんと共同でプロジェクトを進めることに

——生成AI研修サービス誕生までの経緯を教えてください。

生成AI研修サービスをプロジェクト化してスタートしたのは、2023年の4月頃です。日頃から、デジタル人材教育事業を行われている「DXHR株式会社」様とディスカッションをさせていただいている中で、AI×OJTで生成AIを活用していく案を検証していくうち、共同でプロジェクトを進めることになりました。

5月にAIとセキュリティのデジタルトレーニングセンター「SEC-AI」がオープンし、6月に正式なサービスをローンチできました。それまでは様々なアプリを作っていましたが、AIに焦点を絞ることを決めたのがその頃です。

1000以上の学習プログラムを組み合わせた約12時間の法人向け従業員研修メニュー

——生成AI研修サービスについて、詳しく聞かせてください。

私たちがメインで行っているのは、生成AIを活用したリスキリング研修です。この研修サービスは、厚生労働省が提供する人材開発支援助成金のルールに則って、法人の従業員向けの研修メニューを提供しています。

私たちのサービスは、1000以上の学習プログラムを組み合わせており、日々アップデートしています。カリキュラムは増減し、更新されていますが、約12時間の研修メニューとして提供しています。助成金のルールに従い、研修メニューを提供していることが特徴です。

サービス紹介ページ:https://www.arousal-tech.com/ai-reskilling

『すぐに業務に使えるようにする』ことを重視した生成AI研修サービス

——生成AI研修サービスにおいて、佐藤さんが特に重視されているポイントは何ですか?

『すぐに業務に使えるようにする』ことを重視しています。二つポイントがあります。

まず一つ目は、業務や職種に特化したプログラムを作っていることです。例えば会社の中でも営業、デザイナー、エンジニア、バックオフィスなど様々な職種がありますが、それぞれの職種に合わせてカスタマイズした生成AIの活用方法をカリキュラムに組み込んでいます。

もう一点は、eラーニングではないことです。私たちは体験や、ハンズオンの学習を重視しています。eラーニングや本を読むだけでは、実は学習レベルは上がらないというデータがあります。生成AIは非常にアップデートの多いジャンルなので、eラーニングの仕組みでは、更新に必要なリソースが膨大です。

Zoomや対面での研修を通じて、インタラクティブにコミュニケーションを取り、分からない点やエラーで止まった際に講師が直接説明できる体制を整えています。

事実、YouTube動画を見るだけでは身につかないというお客様の声も多くあります。もちろん基礎知識の学習はもちろん重要ですが、実際に業務に活かすためには、しっかりと触って体験してもらうことが非常に重要だと考えています。

生成AIを毎日活用。業務効率化において欠かせない存在

——自社サービス以外に、生成AIを業務で活用されていますか?どのように活用されていますか?

生成AIを毎日使っています。例えば、資料作成では文面や画像の配置、テキストのボリューム調整などをAIに頼っています。記事や新しいサービス、ホットニュースの要約もAIに任せています。今この瞬間に生成AIがなくなったら、本当に業務が困難になります。

開発面でもAIを利用しています。GitHubファイルを活用したローコード開発など、AIを使った開発体制を整えています。業務効率化において、AIは非常に重要です。資料作成、アプリのデザイン、バナー素材の作成など、さまざまな面でAIを活用しています。

議事録の文字起こしや要約にはNottaというサービスを使用しています。Nottaは、議事録の文字起こしや要約に非常に役立っています。

開発面でもGitHubファイルを活用したローコードの開発を行い、AIを使った開発体制を整えています。業務効率化において、AIは欠かせない存在です。

生産性向上や業務効率化の可視化が課題。可視化しにくい付加価値も評価すべき

——生成AI活用における課題や難しさを感じるところがあれば、教えてください。

生成AIの活用における課題や難しさとして、生産性向上や業務効率化の可視化が挙げられます。私たちの会社でも業務ごとの時間短縮を計測していますが、他にも効果があります。例えば、毎日10分かかっていた作業が自動化されることで、心理的ストレスが減少したことが喜ばれました。生産性以外の付加価値も評価する必要があります。

もう一つの課題は、社内のリテラシーが低い場合や、DX推進室やAIタスクフォースチームを持たない規模の会社では、教育に時間を割けないことです。業務に追われて教育の時間が取れないため、こういった方々への対応が難しいです。

しかし、総合的に見ると、生成AIの導入は絶対にプラスになると考えています。これらの課題を乗り越えていくことが重要です。

生成AIの活用ノウハウを得て業務を自動化・効率化した2つの事例

——生成AIを活用して驚いたことや、思わぬ成果が出た事例はありますか?

生成AIを活用して驚いたこと、感動したこと、成果が出た事例が二つあります。

まず一つ目は、経理担当の女性の事例です。

彼女は全くプログラムに触れたことがなく、ITにも詳しくない状態からスタートしました。それにもかかわらず、生成AIとやり取りしながらGAS(Google Apps Script)を組んでみたり、会計管理サービスの連携機能を使って経理業務を自動化しました。この成功体験は彼女のITリテラシーを一層高め、その他の業務プロセスやワークフローを見直すことができました。この成果には非常に感動しました。

もう一つは、Webマーケティングのディレクションをしている男性の事例です。彼は広告レポートの集計や報告を、生成AIを使って自動化しました。彼はプログラマーではありませんが、生成AIの活用ノウハウを得たことで、どう自動化が設計されているのか構造を理解できるようになり、生成AIを活用して、業務自動化を実現していきました。

彼の業務にかかる時間は大幅に短縮され、お客様への報告も自動化できました。

彼らが所属する企業の経営者や、研修を導入してくれた方が驚きと共に喜んでいただけるのは、我々も喜びややりがいを感じられています

競合の事例や研究結果を見て、生成AIを活用することがどれだけ有益かを理解して

——この記事を読んでいる方に生成AIをお勧めしていただけますか?

お客様には、同一業界で生成AIを活用している企業の事例をよくご紹介しています。例えば、Webマーケティングの会社であれば、サイバーエージェントやGMOの事例が非常に参考になります。ディレクターが30から40名必要だったところが不要になったり、GMOでは1ヶ月で663日分の時間削減を実現したりしています。これらは目に見える形で成果が出ています。

生成AIを早く導入することで、競合との差がつくことは間違いありません。しかし、生成AIガイドラインやセキュリティの面で、社内の現場の人が使いたくても会社が許可しないという課題があります。企業はこれらの課題を早く解決し、生成AIを活用することで、競合との差を縮めることが重要です。

競合の事例や研究結果を見て、生成AIを活用することがどれだけ有益かを理解していただきたいです。Excelやパソコンが生産性を向上させたように、生成AIも同様に効果があります。そのため、生成AIの導入を強くお勧めします。

研修を入口として、その後の会社の業務改善や必要な開発を長期的に価値提供していく

——生成AI研修サービスならびに御社の将来展望について、聞かせてください。

研修サービスに関しては、研修で終わりというのではなく、研修を入口として、その後の会社の業務改善や必要な開発を長期的にお付き合いしながら進めていきたいと考えています。1年間の計画で会社全体のAIリテラシーやAI活用率を上げ、その後は二つの大きな方向性を考えています。

一つ目は、業務改善と生産性向上だけでなく、イノベーションを起こしていくことです。自社サービスの新規事業開発に力を入れ、利益を生み出す人材を育てていきたいと考えています。

二つ目は、AIリテラシーが高まった結果、人材の採用基準やジョブ型雇用への移行、人材評価や人事体制の見直しを行うことです。AIを活用した業務効率化の責任を担う人材計画や人材支援が重要になると考えています。

私たちは、事業再構築補助金の対象となる「WA2」というサービスを作っています。これはワークエージェントAIで、AI教育特化型のバーティカルSaaSです。このサービスを導入することで、会社に定期的なレコメンドやHow-to、チップスなどを提供し、AIの使い方をレクチャーします。

無料プランもありますので、まずはそこから始めていただき、有料プランに移行していただければと思います。

また、AIマイクロサービスの開発も進めています。メールの自動編集や広告レポートの自動配信など、AIを活用したライトなサービスを提供し、業務の圧縮や効率化を図ります。

生成AIは「アップデートの速さ」が大好き

——生成AIの一番好きな特徴は何ですか?

生成AIのアップデートの速さが大好きです。私は好奇心が旺盛で飽き性なので、日々魅力的で新しい情報が得られることに非常に魅力を感じています。知識欲が満たされることで、全く飽きることがありません。この点は個人の特性かもしれませんが、私にとっては非常に楽しいことです。

さらに、この楽しい体験をお客様に提供できることにも大きな喜びを感じています。お客様が生成AIを使って喜んでくれる姿を見ると、やりがいを感じます。

お話を聞いた方

(聞き手・撮影:ロコアシ事業部長 あさい

ロコアシ:AI活用人材にデスクワークを委託!

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