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2023CS横浜予選7位 赤単白ひげ構築概論-実践編-


前書き

 お初にお目にかかります、月うさぎ(@MdaTaePraty)と申します。
 
 この度、以前から構築について投稿させていただいていた「赤単白ひげ」を使って、2023/7/15にパシフィコ横浜にて開催された「チャンピオンシップ2023 1次予選 エリア大会 横浜大会」にて予選7位(7/1,300人)という実績を残すことが出来たため、本記事を執筆させていただくことにしました。
 これまでの記事については全文無料にて公開しているため、「白ひげというデッキの歴史的資料」や「この記事を購入するかの判断材料」として活用していただければと思います。(下記リンク参照)

https://note.com/lockongn006/n/n6c2863f68815

https://note.com/lockongn006/n/n527919a21dd8

これまでの記事は「白ひげ」を長く使ってきた経験から、環境に合わせてどのようにカスタマイズしていくかどのようなプレイングで戦うのかという観点で記事の執筆をしてきましたが、今回は「他のデッキを含めて、自分がCSの本戦で優勝するためにはどのような戦いをする必要があるのか」という思考のプロセスに重きを置いて執筆していこうと思います。
 記事の構成としては「デッキ選択の理由」「構築の理論」「対面ごとに意識していたこと」「ざっくりとした各カード採用理由やプレイングのtips」というような感じで書いていくので、ご自身のプレイスキルや時間と相談して、興味のあるところに注目して読んでいただければ幸いです。

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「白ひげ」を選んだ理由

 さて、まずはCSエリア予選を勝ち抜くため、「赤ニューゲート」というデッキを選択した理由について説明していきます。
 以前から記事を読んでいただいている方やYouTubeチャンネルで見てくださってる方からすると意外かと思われるかもしれませんが、権利を獲得した時点では「赤ニューゲート」をエリア予選に持ち込むというのはあまり考えていない選択肢でした。
 なぜかというと僕自身、20年以上カードゲームをプレイしてきていますが、メジャーデッキを使って「対策される側」の緻密なプレイをするより「対策する側」として、いわゆる”わからん殺し”をすることにより勝ちを目指していたのです。

 今や不動の環境トップとして不動の地位を確立した「赤ニューゲート」も最初の記事を執筆した時点では完全なマイナーデッキの立ち位置で、「モビー・ディック号」によるゲームテンポの急激な加速はまさに”わからん殺し”でした。 しかし時は流れ、2023/7現在「赤ニューゲート」を使ったこと・使われたことがない競技プレイヤーはほぼ存在しないともいえるほど流行し、明確な環境トップデッキと言えるほどになっています。

 そんな中、なぜ「赤ニューゲート」を選んだかというと、「エリア予選が9回戦あり、8-1のライン未満は本戦に上がれない(※)」からです。
(※オポネント次第で7-2に上がれる場合もありますが、デッキ選択時点ではないものとして考えるべきだと思ってます)
 「エリア予選が9回戦あり、8-1のライン未満は本戦に上がれない」という事実を考えるべき要素に分解すると、予選9回戦で「①マッチアップ上の明確な不利対面」「②勝敗に関わる重大な事故」「③勝敗に関わる大きなプレイミス」の3つ合わせて1回しか許容できないと考えられます。
 もちろん、ミスをしたり事故を起こしても相手が同じようにミスをすれば勝てることはありますが、これは相手に依存した再現性のない勝利と言えます。
 極力自身でコントロール出来ない要素を排して①-③に対する回答を考えると、「①マッチアップ上の明確な不利対面が少ないデッキ」であり、「②安定していて勝敗に関わる重大な事故が起こりにくいデッキ」、そして「③勝敗に関わる大きなプレイミスをしづらいシンプルなデッキ」を持っていくのが最適解であると考えました。
 ①だけであれば「赤ゾロ」や「赤緑ロー」なども候補には上がりましたが、②・③の観点で他の追随を許さないのが「赤ニューゲート」というデッキだと考え、特にエリア予選は9回戦連続で対戦するため③は非常に重要であると判断しました。
 もちろん体力や集中力に自信があれば③についてはあまり深く考える必要はないのですが、僕は大型大会への参加経験が少なく体力にも自信がなかったため、ゲームの再現性が高くミスが発生しづらい「赤ニューゲート」を選択しました。
 

「邪道」か、「王道」か

 前章の最初の話に戻ると、先述した通り「赤ニューゲート」は「対策される側」のデッキであり、元々僕が考えていた「対策する側」のデッキとは必要な構築理論が変わっているのですが、実感としてそこに到達するまでには少し時間が掛かりました。
 僕が一週間前に持ち込もうとしていたレシピがこちらです。
 ※スタンダードバトルで2回連続で優勝したため真剣に持ち込みを検討してました

バギー型赤ニューゲート(邪道)

 今流行りの構築と比較すると、バギーの採用で打点数を増やしやすく、エースを強く使うことをコンセプトとした構築になっています。
 この構築については深く掘り下げませんが、ざっくりと解説すると

 利点:
  「バギーの採用で序盤の動きに複数枚サーチやマキノを絡めやすく、相手のデッキに対応しやすい」
  「キングデューの採用でパワー5000のリーダーに対して効率よく攻めることが出来る」
  「環境的に強いパワー8000ラインのキャラに対して、エースを利用することで効率よく処理することができ、(ニューゲート連打以外の択があることで)バギーで増えたイベントカウンターを使うターンが作れる」
  「流行している構築と採用カードが異なっているので、相手の思惑を外しやすい(重要)」
 弱点:
  「バギーのサーチ成功率が心許なく、外した場合には手札が1枚減ってしまう」
  「6コスバニラの採用枚数が少ないので、どうしてもミラーの後攻が不安定になってしまう」
 このような感じで、今でもスタンダードバトルなどの3-5試合で終わる大会であれば十分持っていくだけの利点はある構築だと思っています。
 
 しかし、今回の考えていたのは9回戦のCSに持ち込むデッキです。
 過去にCS本戦に出場したプレイヤーや、今回同じ神奈川予選で本戦出場を決めたプレイヤーも含んだいろいろな方と調整を繰り返す中で、上記のデッキの特徴を掴むことが出来ました。
 「上振れた時は非常に強いが、流行の構築にはないタイプの事故が(他デッキと比較して多くはないけれど)無視できない頻度で発生する」
 という特徴です。
 安定感の高さとプレイングの簡易さはニューゲートの最大の強みであり、それこそがデッキ選択理由だったのにそこを削って「上振れた時の強さ」に割り振ってしまっていたのです。

 その点を指摘されて、一週間前に持ち込みを決めた構築がこちらになります。

神奈川予選突破デッキリスト(王道)

 はい、いろんな方がいろんな場所で入賞した際に使っているような、なんの変哲もない「赤ニューゲート」の構築です。
 この構築はいろんな方が使っていることからもわかるように、非常に安定していてミラーでもしっかりと勝ち筋を意識した構築になっています。
 ※細かい解説は後述の核カード採用理由&Tipsの項を読んでいただければと思います
 この構築を敬遠していた理由の一つとして、「同型を持ち込む人数が多く、プレイングの上手さや先攻・後攻の選択権で負ける可能性がある」というところでした。
 しかし、調整仲間から「白ひげを長く使ってきていてこのデッキの練度・理解度だけは他の人に負けることは少ないだろうから、気を衒わずに王道の構築の方がいいと思う」と背中を押してもらったこともあり、最終的にこちらの構築を選びました。
 結果としてはそれが大成功で、大きな事故もなく予選9回戦戦い抜くことが出来て7位という戦果を得ることが出来ました。

対面ごとに考えていたこと

 さて、そろそろCS予選でのマッチアップとそれぞれの対面で考えていたことについて記載させていただきます。
戦績一覧
 1戦目 先攻 赤白ひげ ⚪︎  (じゃんけん負け)
 2戦目 先攻 黄カタクリ ⚪︎ (じゃんけん負け)
 3戦目 後攻 赤緑ロー ⚪︎  (じゃんけん負け)
 4戦目 先攻 赤ゾロ ×    (じゃんけん負け)
 5戦目 先攻 黄マム ⚪︎   (じゃんけん負け)
 6戦目 後攻 黄カタクリ ⚪︎ (じゃんけん勝ち )
 7戦目 後攻 青黒レベッカ ⚪︎ (じゃんけん勝ち)
 8戦目 先攻 青クロコ ⚪︎   (じゃんけん勝ち)
 9戦目 先攻 黒スモーカー⚪︎  (じゃんけん負け)
 決勝トナメ
 1戦目 後攻 青黒レベッカ × (じゃんけん勝ち )

1戦目 先攻 赤白ひげ ⚪︎  (じゃんけん負け)


 1戦目からミラーマッチでじゃんけんに負けるということで、かなり幸先の悪いスタートでした。
 白ひげにおけるミラーマッチの認識としては、「最大値は先攻の方が高いが、安定感が圧倒的に後攻の方が上」というものがあります。
 先攻側は1,2ターン目で使用するサーチカード2枚込みで、「4/6000バニラor5マルコ」・「6/8000バニラ1枚」・「9ニューゲート2枚」・「イベントカウンター1枚」・「お玉」を集めることが出来れば攻撃回数の差からかなり有利に立ち回ることが出来ます。
 対して、後攻側の要求値は低く、「6/8000バニラ1~2枚」、「4マルコ2枚」、「9ニューゲート2枚」、「お玉」があれば立ち回ることが出来ます。
 なぜかと言えば、後攻はドンが偶数であるため4マルコを出しやすいターンが多く(後2・後4)、ドンを無駄にせずに4マルコを多面展開出来る=無理にライフを守る必要がないためです。
 先攻側は基本4マルコを置かずに攻撃回数を増やし、相手に「防御のためのドン」を使ってもらいながら「9ニューゲート」を連打することが最大であり最強の勝ち筋と言えます。
 この時、「9ニューゲートを置くターンに2000カウンターが足りない場合、サッチ12000+リーダー12000の攻撃に耐えられないから4マルコを置きたい」という思考がある方も多いと思いますが、その思考は捨てましょう。
 なぜなら、手札7枚以上・ライフ1枚・リーダー8000の状況で相手が12000×2回のパンチをしてくることはまずありえないからです。
 例えば手札が「1000カウンター×3」「ラディカル×2」「9ニューゲート×2」だった場合、自分視点でライフから2000カウンターを引けないと負けですが、相手視点では「手札7枚+ライフの計8枚のカウンター値合計が5000以上あったら負け」なので突っ込むこと自体がかなり薄い勝ち筋であり、よほど手札の状況が悪くなければ選べない選択肢だと言えます。

 また、双方が白ひげを連打する展開を考えた際に、4マルコは1枚だけ場に出ていても効果はかなり薄いのも先攻側で4マルコが当たり札にならない理由の一つです。
 詳細について説明すると、ライフを守るプランで先攻3ターン目に出す4マルコがブロックに参加できるのは後攻4ターン目以降であり、パワー8000をブロックして手札一枚分の節約を出来る…ように見えて、結局「毛皮強化」などを持っていた場合にブロックしない方が強い場面が多いです。
 そしてその後のひげ連打展開においては、9ニューゲートの10000攻撃をブロックしてしまうと「相手が9ニューゲートを出さなかった場合に4マルコをパワー5-6000でアタックされる可能性がある」ためブロックしづらく、結局ブロック出来ない場面が想像以上に多く存在します。
 極めつけは「お玉」の存在で、ライフ0枚&4マルコ1枚の場合、マルコは一切リーサルの敬遠に貢献しないのです。※お玉1枚分の1ドン=4マルコをカウンターとして使った場合の1000カウンター
 
 長々と書きましたが、まとめると「基本的には安定感重視で後攻を取りたい」「じゃんけんに負けた場合は最大値の手札を引けるように祈る」といった思考のマッチアップになります。
 結果としてはこちらが理想に近い手札で、相手がやや事故寄りだったのもあって先攻からひっくり返すことが出来ました。

2戦目 先攻 黄カタクリ ⚪︎ (じゃんけん負け)


 4弾で底上げの強化をもらった黄色単色のリーダー。
 3弾環境のころに各所で言われていた「ひげはカタクリに有利」というのもだいぶ改善され、「白ひげ側が後攻なら依然として有利だが、先攻なら微有利」程度になっています。
 理由として、6コストのバニラであるペロスペローやお玉を要求してくるサンジに加え、盾からめくって強いベッジやプリン・3ペロー双方からサーチできるアマンドの登場で2000カウンターの質が向上したことが挙げられます。
 2000カウンターの増加により6000アタックの通りが悪くなり、6バニラの搭載によって8カタクリや10マムを登場させるターンの打点が増えているので、3弾環境の感覚で舐めてかかると負けます。
 現環境でのカタクリ対面は基本6バニラや白ひげを登場させず、4バニラ・4-5マルコ・7エースで戦うことを意識しましょう。
 相変わらず黄側はブロッカーを除去する手段に乏しいため、4マルコを引けた枚数が勝敗に直結します。
 また、9ニューゲートを出したターンの返しに10マムを出されることがかなりの裏目なので、この対面の時だけはサーチでのピック優先度がかなり低いです。
 反面、エースは7/7000速攻というステータスが非常に優秀なので、サーチでは1-2枚目の4マルコの次にピックしていきたいです。
 予選大会2試合目では今流行りのコントロールに寄せた型よりも5コスバニラを採用したミッドレンジ寄りの構築だったため読みが外れ、少し危ない場面もありましたが4マルコを複数引けたため勝利出来ました。

3戦目 後攻 赤緑ロー ⚪︎  (じゃんけん負け)


 1弾環境からTier1の座に居座るリーダーで、白ひげに対して有利がついています。
 というのも、白ひげ側は低コストブロッカーを処理するために2ドン消費する必要があり、9ニューゲート連打している限りアタックを小型ブロッカーに吸われてしまうというところが痛く、リーダー効果→STローのコンボを警戒しなければならないというのもかなり難しい対面です。
 対抗手段としてはボニー、STナミなどを5マルコで除去して序盤にリソース差を付けられないようにして、9ニューゲート連打で相手にリソースを稼がせずに勝ち切りましょう。
 今回はホーキンスまで絡められてかなり負けが濃厚でしたが、STローを引かれなかったためギリギリ勝てました、正直僕自身の赤緑ロー対面の経験が乏しかったこともあり一番苦しいマッチでした。

4戦目 先攻 赤ゾロ ×    (じゃんけん負け)


 予選中唯一負けた試合は、最強リーダーの一角である赤ゾロでした。
 このマッチアップはゾロ側の採用カードによって正解のプレイングが変わってしまい、本来有利なはずの「低パワーで攻撃回数を稼ぐリーダー」なのに五分まで持ち込まれてしまっています。
 わかりやすい例としては「火達磨」+「悪魔風脚」のコンボで、「最近の流行としては採用していない型が大半ではあるが、ひげ側からすると無視できない負け筋」と言えます。
 このような「採用されてない可能性が高いけど、採用されていた場合一気に窮地に陥る」ようなカードをケアしなければならず、上手いゾロは「採用していないカードを手札にあるように見せる」技術を持っているのでとてもやりづらい相手です。
 基本的には相手のプレイするカードや流行の構築に惑わされず、9ニューゲートを連打して勝ちましょう。
 そして重要な意識の一つとして、4マルコは火拳の採用が増えていることもあって1枚ではほぼ仕事をしないので、カウンター1000で切ってしまうことも多いです。
 予選での試合は、次のターンのリーサル択を残すために5マルコをラディカルビームで蘇生させてしまったのがかなり大きなミスで、9ニューゲートを連打するのであれば5マルコを見捨てるべきでした。大きな反省のある一戦です。

5戦目 先攻 黄マム ⚪︎   (じゃんけん負け)


 基本的には2戦目の黄カタクリと変わりません。
 カタクリとの大きな違いとしてはリーダー効果でライフ操作するためのドン消費がカタクリより大きく、白ひげとしてはカタクリよりも戦いやすい相手であると言えます。
 ライフを詰めてこなかったので後攻4ターン目に7マムを置かれることだけが裏目として意識していましたが、結果として出されることはなく4マルコで守り切って勝利することが出来ました。

6戦目 後攻 黄カタクリ ⚪︎ (じゃんけん勝ち )


 6戦目にしてようやくじゃんけんに勝つことができ、後攻を取ることが明確な有利につながる対面だったのでとても嬉しかったことを覚えています。
 2ターン目に置いたマルコを返しのターンに雷霆で処理されてしまったのですが、試合を通して4マルコを4枚引けていたのでアタッカーとしても活用しながら勝利出来ました。
 ※余談ですが、別TCGで尊敬しているプレイヤーさんに勝てた試合だったので、その後の試合のメンタルにもいい影響がありました

7戦目 後攻 青黒レベッカ ⚪︎ (じゃんけん勝ち)


 福岡・愛知と2連覇している新弾のリーダーで、白ひげ側の負け筋としては2パターンあり「7ルフィに猿王銃を付けての2連打」と「オオロンブス・クザンを利用した盤面制圧」があります。
 ニューゲート側がアクティブの7ルフィを処理するのはほぼ不可能であるため、1パターン目の負け筋を潰すためには「7ルフィを置くタイミングを無くす→ライフを序盤から削っていく」ことが重要であり、2パターン目の負け筋を潰すには「お玉+5マルコなどで盤面のアタッカー枚数を増やしながらコスト低下キャラをKOし、9ニューゲートに繋げる」ことが重要になっています。
 この試合ではオオロンブスをお玉+5マルコで処理することが出来たため9ニューゲートの連打で勝つことが出来ました。
 後述しますが、この対面のリーサル計算はもう少し研究する必要があるなと感じています。

8戦目 先攻 青クロコ ⚪︎   (じゃんけん勝ち)


 実は注目していたリーダーの一つで、一か月ほど前まで神奈川CSに持っていくのも視野に入っていました。
 原作通り「混戦の中で白ひげの首を狙っている」リーダーであり、対白ひげだけを考えたらトップクラスのリーダーと言えます。
 このデッキと8戦目で対面した時に一瞬よぎったのは「ここで当たるか…」という絶望感でしたが、当たってしまった時点で考えていても仕方ないのですぐに切り替えました。
 まず、この不利対面を覆す条件としてじゃんけんで勝って先攻を取りたいです。
 というのも、「後攻3ターン目に出したキャラはそげキングや7ドフラで手札に戻されてしまうこと」「後攻4ターン目に出したキャラはミホークでデッキ下に戻されてしまうこと」「5コスト以下のキャラをリーダー効果で手札に戻せること」の3点から、盤面に常に打点を用意するには「先攻3ターン目に5マルコor4バニラ」を出すことが非常に重要になっているからです。
 この試合では後攻を取りつつ9ニューゲートを連打することが出来たため勝つことが出来ましたがプレイングを一つ間違えれば負けていた可能性が高いです。
 この試合のターニングポイントは先攻5ターン目に最速で出した9ニューゲートを後攻5ターン目に業火拳銃で除去されてオールサンデーで蓋をされたタイミングでした。ここでリーダー6000で先に殴ることでエースの裏目を相手にちらつかせてオールサンデーを温存させ、その後9ニューゲートを立てることで業火拳銃の回収を1ターン遅らせたことによってカウンターを削りつつ9ニューゲートの処理を間に合わせずに勝利することが出来ました。
 とはいえ、相手側の動きもかなりテンポ通りであり、9ニューゲートを4連打出来たが故の勝利でかなり運に助けられた試合であったことは明白でしょう。

9戦目 先攻 黒スモーカー⚪︎  (じゃんけん負け)


 卓に座ってリーダーを開いた瞬間に一番驚きました。
 9回戦の最終戦、7-1卓で黒スモーカーと対面するとは露ほども考えていなかったからです。
 3-4戦目くらいで「めっちゃ強いスモーカーが一人勝ち進んでる」という噂は聞こえてきていましたが、7-1卓まで勝ち残っているとは正直思っていませんでした。
 「白ひげ」からすると黒単対面というのはそれなりに苦手意識があり、Tier表の上では白ひげが勝っているように見えますが赤ゾロや赤緑ローが黒単に対して非常に有利なだけであって「白ひげvs黒単色」だけ見た時は五分か黒側微有利とまで言えるのです。
 理由としては、黒はボルサリーノとフクロウというKOされないブロッカーを擁しており、これらを並べてライフを文字通りの盾にしながら10クザンを着地させて9ひげを除去しながらライフを詰めるというプランがシンプルにして非常に強力なことが挙げられます。
 白ひげ視点で言うと、4クザンが一度着地してしまったらお玉+5マルコで処理するか、エースなどで無理やりライフを詰めに行く以外の回答はなく、後攻4ターン目にボルサリーノ+4クザンなどの動きをされるとかなり苦しい動きを強要されます。
 今回の試合では相手が4クザンを引けなかったことに加え、こちらが9ニューゲートを複数枚引けていたことが嚙み合ってニューゲート連打から勝ちを拾えました。
 前の試合のクロコダイルとも共通して、白ひげ側の安定感があるからこそ勝てた試合とも言えます(※)
※相手側の要求値が高く、じゃんけんと引きの要求を両方満たさない場合は白ひげ側がデッキパワーで押し切れてしまう

決勝トナメ
 1戦目 後攻 青黒レベッカ × (じゃんけん勝ち )

 配信卓で有名プレイヤーの胸を借りることが出来た試合です。
  ※公式配信のURLはこちらです
 レベッカ対面に関しては予選の7試合目の項で解説したため試合についてのみ解説します。
 この試合は終始悪くない動きを出来ていたかと思いますが、最終局面でエースを出すかニューゲートを出すかの選択肢でエースを投げてしまったが明確なプレイミスだったと言えます。
 「カウンターイベントを2枚持っているように見せて全ドン乗せたルフィの連続攻撃をけん制する」ことを意識したプレイだったのですが、必要以上にリソースを削ってしまうことで「(相手視点で)次のターンに守れないから突っ込むしかない」状況を作ってしまうという悪手だったのです。
 「直前のターンでルフィのアクティブ効果を使っていたためトラッシュが15枚に達しておらず、猿王銃でダブルアタックが付与されない」、「オオロンブス+雷の破壊剣で9ニューゲートが取れない」ことを失念していたことは非常に大きな反省点であり、本戦前に配信卓でこのような経験を出来たのは有意義だったと思っています。(※)
※もちろんめちゃくちゃ悔しいですが!!!!!!!

一日通しての総評

 正直、想定を超えるほど多種多様なリーダーと対戦することになったという感想があります。
 レベッカ・カタクリと2回ずつ当たり、そのほかのリーダーとは全て1回ずつ当たっていて、環境上位とされるリーダーとはほぼ一回ずつ当たっています。(※)
 特にカタクリ・青クロコに関しては自身でこの予選へ持ち込むデッキの候補として練習した経験も活き、他の対面に対しては「白ひげ」を使い続けたことによる経験値でミスをせず戦うことが出来たかなと満足しています。
 「引きが良かったから勝った」と感じる試合もありますが、赤ニューゲートはサーチ2種と実質2倍のドロー枚数によって「引きがいい」ことはかなり発生するリーダーです。
 つまり、「引きが良くて勝った」と感じる試合でも「知識不足や判断の誤りによって大きなミスをしなかった」ことが大事であり、一緒に練習に付き合っていろいろなデッキの知見をくれた方々に感謝しかありません。
 本戦に向けてまたいろいろなデッキを使い、最終的に白ひげを使うのか、はたまた他のリーダーを使うのかはわかりませんが、もし機会があればこちらを読んだ方も練習にお付き合いいただけると幸いです。
※ちなみに予選終了後にマッチングバトル一試合だけ滑り込んだのですが、緑紫ドフラでした

各カード採用理由&Tips

 既に流行の最前線であり、あまり長く語ることはないのですが、一応普段の記事と同じ構成で各カードの解説をしていきます
 白ひげを普段から使っているプレイヤーは読み飛ばしていただければと思います

リーダー エドワード・ニューゲート

 言わずも知れた環境トップリーダー。
 パワー6000、ライフ6という規格外の基礎ステータスを持つものの、毎ターン終了時に1ダメージ受けていくというピーキーな性能…と見せかけて、毎ターン終了時に手札が増えることで安定性を底上げしている最強のリーダーです。
 今更語ることは多くないですが、序盤から大きな打点で殴ってくる相手には「ライフで受けて4マルコで蓋をする」、小さい打点で殴りながら盤面を強化(もしくは除去)してくる相手には「ライフを守ってその分アタッカーを出す」意識を持つと初見のリーダー相手でも戦いやすいかと思います。

9コスト エドワード・ニューゲート

 このデッキのエースカード。
 「モビー・ディック号」を失ってからは重要度が上がり、4弾環境でも猛威を振るっています。
 基本的にこのカードを連打することで毎ターン10,000でのアタック回数を増やしていき、相手に隙が出来たらリーサルを取りに行くことを主軸としてゲームプランを組み立てます。
 サーチカードでは最優先で2枚目まで確保しますが、唯一の例外として、6ペローを得た黄単相手には有効に使えない状況が多い(10マムが裏目になりやすい)ため、4マルコを優先します。

7コスト ポートガス・D・エース(OP02)

 7コストの速攻カード。
 本構築においてはパワー3000ダウンによる除去札というより、7/7000速攻という基礎ステータスに重きを置いてプレイします。
 というのも、6/8000バニラがメインアタッカーとなっている現在の白ひげ相手に、6-7コストのバウンス・盾送りという除去が非常に強く刺さる関係上、ステータスは多少見劣りしますが速攻で相手のリソースを削ることが出来るのは非常に強力と言えます。
 主に青系統対面では6バニラより優先してプレイします。

6コスト サッチ(OP02)(ヤソップ)

 6/8000のバニラであり、ミラーに強いため最近流行している6枚体制。
 後攻3ターン目に出すこれらのカードは非常に強力で、試合を通して1枚は絡めたいためヤソップ合わせて6枚の採用です。
 ちなみに、両方手札にある場合は必ずヤソップからプレイしましょう、サッチは4マルコの蘇生コストに使えます。

5コスト マルコ(OP03)

 前述したバギー型では不採用でしたが、こちらでは採用しています。
 バギー型で採用しなかった理由が「マキノ」や「ボニー」をバギー・イゾウ8枚体制であればけん制出来ることが挙げられますが、本構築ではイゾウ4枚だけでは若干心許ないので4枚確定です。

4コスト マルコ(OP02)

 2弾~3弾においては、このデッキの守護神的な立ち位置でしたが、現在は少し重要性が落ちています。
 というのも、赤ゾロにも採用されている4マルコに対して有効なカードはほぼ全てのデッキに採用されており、以前ほど頼り切りで戦うことは出来なくなっているのです。
 基本的には8~10ドン以降で2体同時に登場させるような使い方が主となっています。

4コスト ジョズ

 白ひげ海賊団特徴を持った2000カウンター。
 今後も新しい白ひげ海賊団所属の2000カウンターが出るまではイゾウ・白ひげ海賊団のhit率を担保するために4枚確定で採用されるでしょう。

4コスト アトモス

 4/6000のバニラ。後半になると一切仕事はなくなりますが、青や黄色対面でアタック回数を増やしたい相手に、序盤で置けるとライフレースで有利を取りやすいカード。
 序盤以外では腐る&4マルコでも似たような動きが出来るため最低限の2枚採用、優先的に切る1000カウンターでもあります。

1コスト イゾウ(OP02)・白ひげ海賊団

 このカードの安定性を支えているサーチカード2種。
 複数抱えているときに考えるべきことは「マキノやボニーなどが出てくる可能性のある相手にはイゾウでけん制する」「イゾウは1000カウンターになる」「白ひげ海賊団は5マルコの蘇生に使える」の3つを考慮してどれから先にプレイするか考えましょう。
 また、手札に欲しいカードが揃っている場合はサーチをするよりも相手の手札を削るためにリーダーにドンを振ったほうが強い場合も多いので、プレイする前に何が欲しいか考えて、欲しいものが無い場合は手札に残しましょう。

1コスト お玉(OP01)・マキノ

 2,000カウンターであり、リーサルを補助してくれるカード。
 2,000カウンターの「後半まで手札に残しておきたい」という特性が、それぞれの方法でリーサル補助してくれることと強いシナジーを形成しているため各4枚の採用です。
 ミラーを始めとしたパワー4,000-5,000のブロッカーを採用しているデッキに対しては1枚必ず「お玉」を残しておくようにしましょう。

1コスト 毛皮強化・ラディカルビ~〜〜ム!!!!

 1コストイベントカウンターで、手札の枚数をごまかすことの出来るカウンター。
 ミラーで6/8000バニラの採用が多いことも考慮して、先4,後4で一枚使いたいため最大枚数の4枚ずつ、計8枚の採用です。

終わりに

 チャンピオンシップへ向けた取り組み~当日の振り返りをいかがでしたでしょうか?
 このような大型大会に本格的に取り組み、実績を残せたことは初めての経験でした。
 これまでnoteの執筆によっていろいろな方と繋がりができ、その繋がりのおかげで環境に対する理解が深まり、結果を残せたと考えています。
 自分の中でも「デッキの解説を書いているが、大きな実績を残せていないから説得力がないのではないか」、「YouTubeなどで知っていただけてる機会が多いが、期待に応えられているだろうか」などプレッシャーに感じていた部分も原動力にして、ここまでくることが出来ました。
 本来であればここらでちょっと一休み…と言いたいところですが、本大会で得た最大の戦果である参加権、「チャンピオンシップ2023 1次予選 決勝大会」がもう目前に迫っています。(執筆時点で残り一か月ほど)
 これからも止まらず、本戦に向けて研鑽を続けるので、引き続きお付き合いいただけると嬉しいです。

 長文お付き合いいただきありがとうございます、何か質問や感想などありましたらTwitter(@MdaTaePraty)の方へお気軽にDMしていただければと思います。
 ご拝読ありがとうございました!

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