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黒単スモーカー構築概論

割引あり

前書き

 お初にお目にかかります、月うさぎ(@MdaTaePraty)と申します。
今回は第二弾での登場以降あまり日の目を浴びなかったものの、現環境において少しずつ頭角を現し始めた「黒単スモーカー」の構築について解説させていただきます。

 リーダー効果は「1ドンを付与して相手のコストを下げ、0コストのキャラがいたらパワーが1000上がる」というややパワー不足な印象を受ける効果ですが、スタートデッキで登場した新規カードによってそれを補って余りある戦力を手に入れました。
 たった1コストでトラッシュを増やしながら手札交換の出来る「センゴク」と、起動メインによるトラッシュ送りという独自性を持った「たしぎ」の2枚を扱えるのはこのデッキの強みであり、本記事においてもそこを重視した構築を紹介していきます。
 また、同色であり、デッキのコンセプトも近い黒単ルッチとの差別化についても気になっている方が多いと思うため、言及していこうと思います。
 「堅実に相手の逃げ道を潰していくような戦い方がしたい」、「序盤に手札やトラッシュの状況を整えて、中盤以降にそれを活かしてリソースの差を覆すようなデッキが好き」という方に特にお勧めのデッキとなっているため、無料部分だけでも読んでいただけたら嬉しいです。

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関連情報

※既知の方は読み飛ばして結構です。
過去弾の記事の一部や初心者~中級者向けのプレイング記事に関しては無料公開しており、よかったらそちらも読んでいただけると幸いです。

筆者実績: 
- 2023CS 一次予選 エリア予選(神奈川) ベスト32 
- 2023CS 一次予選 決勝大会 ベスト16
- 2023CS 日本一決定戦 予選7位 優勝
X(Twitter):
@MdaTaePraty

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紫黒ルフィ
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赤単シャンクス
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【全文無料】紫単ルフィ構築概論
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黒単ティーチ構築概論
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青単バギー構築概論
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「泣く程くやしかったら・・・もっと強くなってみせろ!!!!」

 原作212話で自身の不甲斐なさに涙を流しながら謝罪したたしぎに対して、スモーカーはこう言い放ちました。
 2弾環境で初登場した際にはコストダウンしか出来ず長年黒系デッキの2000カウンターとしての役割に甘んじていたたしぎですが、2年弱の時を経てついにコストダウンだけでなく除去効果を獲得し、更にはアタッカーになれるステータスへと大成長を遂げました。
 リーダー効果や採用しているカードのコンセプトに大きな変化があるわけではないですが、黒単色のリーダーにとって課題になりやすい中盤の除去と戦線維持の両立を一枚で行えるたしぎの追加によって、他のリーダーにはない安定感を獲得した黒スモーカーについて解説していきます。

黒単ルッチとの差別化

 黒スモーカーの解説をするにあたって、一番重要なのは「同色かつ採用出来るカードがほとんど同じである黒ルッチ(OP07)との比較は避けられないでしょう。
 「ルッチ(OP07)」はコストを下げる効果にドンが不要であり、更に毎ターントラッシュを肥やすことが出来るメリットまであります。
 分かりやすい差異としては、それぞれのリーダー効果や特徴の指定にあった採用カードが存在し、「スモーカー」においては先述した「センゴク(ST19)」や「たしぎ(ST19)」が、「ルッチ」には「スパンダム(OP03)」や「スパンダイン」が採用されています。
 まずは、それら採用カードを含めた「スモーカー」と「ルッチ」の性質を洗い出してみます。

スモーカー

  • 「センゴク(ST19)」が採用出来るため、デッキを「特徴:海軍」に寄せると手札交換が柔軟になって安定感が増す

    • 「ヒナ(ST06)」や「氷河時代」などのカウンター値がないコストダウンカードの枚数を多めに採用しても事故を起こしづらい

    • 特徴指定のサーチではなくドローであるため、「モリア」などの大型キャラを手札に引き込みやすい

  • 「たしぎ(ST19)」が採用出来るため、序盤にコストダウンのカードを使わずに除去を行うことが出来る

    • 除去が起動メイン効果であるため「黒ティーチ」の登場時効果封じにも一定の耐性があり、トラッシュ送りでKO耐性を無視できる

    • 手札交換手段は豊富であるものの、「たしぎ」を引けなかった場合は「ルッチ」以上に要求が高くなりがちで、コストダウンカードを使っても多面除去は難しい

  • トラッシュの枚数は稼ぎづらいため、トラッシュのカードを複数枚要求するカードは扱いづらい

    • 「ルッチ(OP05)」や「嵐脚」などのカードは効果を発揮できないタイミングが多く、採用にはリスクがつきまとう

ルッチ

  • 「スパンダム(OP03)」が採用出来る上にリーダー効果でもトラッシュが肥やせるため、トラッシュを利用するカードを採用しやすい

    • トラッシュの枚数が必要な「ルッチ(OP05)」や「スパンダイン」に加え、トラッシュの質が重要な「モリア」「レベッカ」も相対的に強く使える

    • トラッシュさえ肥えてしまえば「嵐脚」+「モリア」(レベッカ+スパンダイン+ルッチ)などで手札消費を抑えながら多面除去が可能であり、最大出力が高い

    • デッキのカードが多くトラッシュ(公開領域)に落ちるため、残りのデッキ内のリソースやカウンター値を予測しやすい

  • 基本的に序盤から「除去範囲が狭いカード+コストダウン」の組み合わせでKOするため、手札の要求値がやや高い

    • 「カク(OP03)」を利用する場合はコストダウンの必要がない場合も多いが、こちらはこちらでトラッシュに特定のカードが落ちている必要があるため要求値は依然高め

    • 「ルッチ(OP05)」がメインの除去となるため、コストダウンを合わせて後半に複数のキャラを除去することには長けている

 二つのデッキの性質の差としてはざっくり上述したようなものであり、それぞれ一言で表すと「ゲーム中盤以降の出力が非常に高いが、序盤がやや安定しない黒ルッチ」と「ゲーム序盤から終盤まで一定の出力を安定して供給できる黒スモーカー」と言えるでしょう。
 現環境において、展開が非常に強力な青ドフラミンゴや紫ルフィに対して序盤の遅れを取りづらいのがメリットであるといえますが、反面相手が最大値を出してきた場合に中盤以降から捲りにくいのが難点のため、相互互換的な関係にあると思っています。


デッキレシピ

TCG+より

具体的な採用枚数・採用理由に関しては後述しますが、序盤は「たしぎ(ST19)」と「ブルック」を中心に盤面のキャラを除去しながらトラッシュを肥やし、後半の「ジャック」や「モリア」に繋いでいきます。
 このデッキも黒系リーダーの例に漏れず「モリア」と「レベッカ」が主なアドバンテージ獲得源となるため、「センゴク」や「ブランニュー」のトラッシュを肥やすカードやカウンターを切る際に「何をトラッシュに落とすか」や「何がトラッシュに落ちているか」を意識しましょう。

各カード採用理由

リーダー スモーカー

 リーダー効果は2弾から据え置きであるため控えめであるものの、強力な新規専用カードをもらうことで頭角を現してきた黒単色のリーダー。
 パワー上昇も地味ではあるが局所的には有効に使うこともでき、コストダウン(ヒナや氷河時代など)→除去(ブルックなど)の間にリーダー効果を挟むことで1ドン分得することが出来ます。 この動きを単独で実現できるのが「たしぎ(ST19)」であり、登場時効果でコストを下げたのち、リーダー効果を使えばKO範囲を広げつつパワーを1000上げることが出来るデザインになっています。
 黒ルッチ(OP07)や黒モリアのようにリーダー効果でトラッシュを肥やす手段を持っていないため「嵐脚」や4コストの「ルッチ(OP05)」が使いづらく、多面処理に関してはあまり得意ではありません。
 そのため効果によるKOだけではなく、リーダー効果のパワー上昇や「たしぎ」「ヒナ」「ブルック」など盤面に残るキャラを活用して、アタックでもリソースを削ることが他の黒単デッキに比べて重要になっていると言えます。

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