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黒単ティーチ構築概論

割引あり

前書き

 お初にお目にかかります、月うさぎと申します。
今回は9弾で登場した新リーダーである「黒単ティーチ」の構築について執筆させていただきます。

 このリーダーは単色のリーダーでありながら、自身のキャラの持つ「登場時」効果を全て無効にするという異色のデメリットと、相手の「登場時」効果を1ターンの間封じる強力な効果を持っています。
 ワンピースカードにおいてキャラクターが持つ効果の大部分は「登場時」の効果であり、リーダー効果だけで特定の対面に対してはデッキコンセプトを崩壊させるほどの影響力がある反面、自身は「ゲッコー・モリア」や「サボ」のような強力な登場時効果を持つキャラを使用出来ず独特の構築・戦術を強いられるテクニカルなリーダーであると言えます。

 本記事では「起動メイン」でのアドバンテージ獲得に長けた「黒ひげ海賊団」のキャラを中心に序盤を凌ぎ、強力な専用カードである10コストの「ティーチ」を使って逆転する構築について紹介します。
 「ティーチのように虎視眈々と機会をうかがい、時が来たら一気にゲームを動かすような対戦がしたい」、「限られたリソースを管理し、相手のデッキに合わせて対応していく狡猾な戦い方がしたい」という方に特にお勧めのデッキとなっているため、無料部分だけでも読んでいただけたら嬉しいです。

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関連情報

過去弾の記事の一部や初心者~中級者向けのプレイング記事に関しては無料公開しており、よかったらそちらも読んでいただけると幸いです。

筆者実績: 
- 2023CS 一次予選 エリア予選(神奈川) ベスト32 
- 2023CS 一次予選 決勝大会 ベスト16
- 2023CS 日本一決定戦 予選7位 優勝
X(Twitter):
@MdaTaePraty

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「わずか数時間後 おれ達が!!! 世界を震撼させる最高のショーを見せてやる!!!!」

 表題は原作544話にて黒ひげことティーチがついに長年の計画を実行に移しインペルダウンを襲撃した際のセリフです。このデッキを使う際も原作のティーチのように、行動を起こす前に自身の目的に対して入念な準備をしてから戦う必要があります。
 というのも、「登場時効果を全て封じる」というワンピースカードの根幹を揺るがすリーダー効果には、手札1枚という毎ターン支払うには少々重いコストが付随しており「どのターンで登場時効果を封じる必要があるのか」を対面ごとに理解していないと効果的に使うことが出来ません。
 もちろんすべてのリーダーに対してリーダー効果を使うターンを厳密に定めることは不可能であり、環境における採用カードの流行りが変わればティーチ側も立ち回りの変更を余儀なくされます。

 そのため、本記事においては各カードの採用理由に加えて、「どういう効果を止めるべきか」という考え方にフォーカスし、環境で流行っているカードと止めるべき理由についても軽く触れていこうと思います。
 普段の「構築論」の考え方からは少し離れますが、「このキャラを出されるリスクがあるターンは止めるべきで、このターンはリスクが低いので効果を使わないべきである」というこのデッキを構築する上で切り離せない思考の一助となれればと思っています。

相手の攻撃回数をコントロールする

 このデッキはリーダー効果を使う回数を増やすため、相手の攻撃回数を極力減らす立ち回り心がける必要があり、それを「ライフで攻撃を受ける(≒カウンター値で守らない)」ことによって実現します。
 なぜ「ライフで攻撃を受ける」ことが「相手の攻撃回数」を減らすことに繋がるのか、本項ではその立ち回りについて説明していきます。

  まず、このデッキはリーダー効果の制約により「登場時」効果を使用することが出来ないため、必然的に「起動メイン」で効果を発揮するカードを多く採用します。
 そして、一部の例外を除き「起動メイン」を持つキャラは生存しさえすれば毎ターン効果を使うことが出来るため、「いかに盤面のキャラを生存させて効果を使うか」がこのデッキにおけるアドバンテージを稼ぐカギとなります。
 例を挙げるとすれば、「ドクQ」と「ヴァン・オーガー」の2体の起動メイン効果を組み合わせて4コスト以下のキャラをKOする場合、トータルで7ドンと手札2枚を消費しているため効率はあまり良くありません。
 しかし、これらのキャラが次のターンまで生き残るとノーコストで4コスト以下のキャラがKO出来るようになり、生き残れば生き残るだけアドバンテージを稼いでくれるようになります。

 そして「起動メイン」効果を持ったキャラを長期間維持する方法としては「相手のアタックからカウンターを切って守る」、「相手のキャラをKOして攻撃回数を減らす」に加えて「相手の登場時効果による除去を封じる」と全ての方法において手札の枚数が重要となってきます。
 8コストの「モリア」や4コストの「クザン」のように能動的に手札を増やす「登場時」効果を持ったキャラを使えない都合上、このリーダーが手札を増やす手段は限られており、一番現実的な方法は「ライフを相手のアタックから守らず手札に加えていく方法である」と言えるでしょう。

 このように、「ライフを受けることで増えた手札」を使い、「維持した起動メイン効果持ちのキャラ」によって「相手のキャラをKO」し、「攻撃回数を減らしてゲームに負けないようにする」という戦術とその実現方法について、本記事では紹介していきます。


デッキレシピ

こちらが9/30現在、筆者の使用しているデッキレシピです。

 具体的な採用枚数・採用理由に関しては後述しますが、「ドクQ」によるKO効果を主軸とし、処理が間に合わない場合は追加で「指銃」や「闇穴道」を使って相手の盤面を処理し続けて、「ティーチ」の着地まで耐えていく構築となっています。
 適切なタイミングでリーダー効果を使い相手のコスト以上の展開を抑えて、極力処理漏れを起こさないことを意識していきましょう。


各カード採用理由

リーダー マーシャル・D・ティーチ


TCG+より

 新弾で登場した、お互いの登場時効果を封じる影響力の高い効果を持つリーダー。
 デッキの構築の幅が狭くなる制約を持っている代わりに、特定のリーダーに対しては適切なターンに「登場時」効果を封じるだけで完封出来るため理不尽なゲームを展開することが可能となっています。

 ワンピースカードでは大部分のキャラが「登場時」効果を持っており、特に大型の強力なフィニッシャーや、苦手とする展開効果を持つキャラの大半が該当するため、適切なタイミングでリーダー効果を発動すれば相手の動きを大幅に弱体化することが出来ます。
 反面、リーダー効果は先に発動しておく必要があるため、「相手のデッキの強い登場時効果を持ったキャラが出てくるタイミング」をきちんと把握しておかないと手札消費が激しくなってしまいます。
 この効果を「手札消費が激しすぎて登場時効果がなくても負けてしまう弱い効果」としてしまうか、「相手の登場時効果をピンポイントで止めることによって手札消費を最小限で抑えられる強力な効果」とするかはプレイヤーの力量次第と言えるでしょう。 

 このデッキを使う場合は「このリーダーに対しては4ターン目以降にリーダー効果を使う」というような丸暗記ではなく、「相手のリーダーが持つカードプールや流行りの採用カードに対して、登場時効果を封じることで手札1枚分の得をすることが出来るか」という観点で考えることが出来ると環境の変遷に合わせたプレイの研究を楽しむことが出来るようになります。
 カードプールについての知識が少ないうちはリーダー効果の打ちどころを間違えてしまって負けることも多々あるかとは思いますが、カードゲームにおいて「負けて覚える」というのは一番手っ取り早い上達方法なのでめげずに色々なカードやデッキを覚えていきましょう。


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